Project/Area Number |
22K03219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
佐伯 恵里奈 神戸女子大学, 心理学部, 准教授 (90424746)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | タスクセット / 認知コントロール |
Outline of Research at the Start |
ヒトはするべきことを教示されるとすぐにその課題を実行することができる。一方、ヒト以外の動物は時間をかけて練習を行うことで新しい課題を遂行できる。この違いを生み出す原因のひとつに、ヒトは課題に対応したタスクセットを素早く形成できるということが考えられる。タスクセットとは関連刺激、関連反応、関連カテゴリ‐反応規則という行為の産出に必要な情報を束ねる抽象度の高い表象のことをさす。本研究では、ヒトの認知制御メカニズムのさらなる理解のために、認知制御される必要がある表象側の性質に着目し、タスクセットとして表象することが、ヒトの認知制御において具体的にどのような利点があるかを認知実験により明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は課題手掛かりの対応と準備時間の長さを操作した実験をもとに、課題セットの活性化の様相の違いについてDiffusion modelを用いた検討を行った。課題セットの切り替えに伴うコスト(スイッチコスト)は、課題手掛かりのタイプの操作や手掛かりから刺激までの提示間隔を操作することで減少することが知られている。具体的には、手掛かりに基づいて課題を遂行することが求められた場合、恣意的な手掛かりよりも言語的な手掛かりが呈示された方が反応は速く、また、課題手掛かりから次の刺激呈示までの間隔が長い方が、短いときよりも反応が速くなる。どちらの場合においても、タスクセットを効率的に活性化できるため反応が促進されると考えられているが、言語的な手掛かりによるタスクセットの活性化は外的な要因である一方、準備時間を利用したタスクセットの活性化は内的な過程であり、タスクセット活性化の様相には違いがあると考えられる。そこで、本研究ではDiffusion modelを用いて、これら2つの活性化過程における様相の違いについて検討を行った。その結果、反応時間においては言語的な手掛かりと準備時間の延長によるスイッチコストの減少は同程度であることが示されたが、Diffusion modelingの結果は、言語的な手掛かりは情報処理の効率を表すdrift rate(v)を高めることで、一方、準備期間は刺激の符号化・運動処理を反映するnondecision parameter(t0)を小さくすることで反応を促進しているという違いが示された。このことから、反応時間を指標にした分析では違いが見いだされなかったが、タスクセットの活性化が内的になされる場合と外的になされる場合で活性化の様相が異なると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に引き続きDiffusion modelを用いた新たな分析を実施した。また、予備実験において問題となった点を修正し、データの取得を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験課題は同一だが、実験設定によりタスクセットの形成の難易度の操作ができる課題を考案し、現在、この課題を用いてタスクセットの性質の違いが遂行成績に与える影響を検討している。引き続き、タスクセット表象の性質が遂行成績に与える影響についての認知実験を実施し、データを取得する。
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