有限体上のドリンフェルト・モジュラー多様体の幾何学的背景
Project/Area Number |
22K03246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
長谷川 武博 滋賀大学, 教育学系, 教授 (80409614)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 指数型超幾何関数 / 対数型超幾何関数 / モチーフ理論 / 周期解釈 / 超越数 / カーリッツ加群 / 線型独立性 / 代数的独立性 / ドリンフェルト加群 / 超特異多項式 / 超幾何関数 / モジュラー曲線 / ドイリング型定理 |
Outline of Research at the Start |
これまでに応募者は,楕円曲線(種数 1 の代数曲線)に関する Deuring の定理を,一般種数 g の代数曲線の場合に高次元化(高次元化定理)し,また同定理を,階数 2 の Drinfeld 加群の場合に関数体化(関数体化定理)した.本研究では,関数体化定理を一般階数 r の Drinfeld 加群の場合に高次元化する.研究方法は,高次元化定理と関数体化定理とを平面ベクトル的に足し合わせることによって進める.
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Outline of Annual Research Achievements |
(1) Dinesh S.Thakur は 1995 年にカーリッツ指数関数を一般化し,タクール超幾何関数(カーリッツ指数型超幾何関数)を定義した.われわれはこの定義をヒントに 2022 年にドリンフェルト指数型超幾何関数とドリンフェルト対数型超幾何関数をそれぞれ定義した(これらの関数は r = 1 のときそれぞれカーリッツ指数型超幾何関数とカーリッツ対数型超幾何関数である).R.Harada はカーリッツ指数型超幾何関数をモチーフ化した(つまり,t = theta とすると,カーリッツ指数型超幾何関数になるもの).Harada はカーリッツ指数型超幾何関数の特殊値の周期解釈(period interpretation)を与えた.われわれはこの仕事をヒントにカーリッツ対数型超幾何関数をモチーフ化し,カーリッツ対数型超幾何関数の特殊値の周期解釈を与えた.この結果は 2008 年の Matthew A.Papanikolas の定理の一般化で,カーリッツ対数型超幾何関数が由緒正しいものであることを主張している.指数型の場合とは異なり,対数型についてはモチーフ化は単純にはできず,アイデアが必要であった.具体的には,カーリッツ対数型超幾何関数の係数の符号を反転させる必要があった.この調整によって超幾何微分方程式を放棄することになるので,なかなか気がつかなかった. (2) カーリッツ対数型超幾何関数の特殊値が「超越数」であるための必要十分条件を与えた.超越関数論では特殊値が超越数であることは試金石で,この結果はカーリッツ対数型超幾何関数がやはり由緒正しいものであることを主張している.証明にはモチーフ理論や周期解釈を用いた.これは Harada の結果をヒントにした.Harada はタクール超幾何関数の特殊値が超越数であるための必要十分条件を与えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関数体版超幾何関数をモチーフ化するアイデアを思いつき,実際にカーリッツ対数型超幾何関数についてそのアイデアをカタチにした.他の超幾何関数についても見通しが立った.超幾何微分方程式を放棄し係数を調整することでモチーフ理論にのせることができた.関数体版超幾何関数がモチーフ理論と相性が悪い理由がわかった.モチーフ理論にのせることができたので,今後は Anderson-Brownawell-Papanikolas の理論(ABP 判定法)や Papanikolas の理論(微分ガロア理論)などが使えるようになった.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 関数体版超幾何関数とモチーフ理論との関係をもっと深めたい.具体的には,ドリンフェルト指数型超幾何関数のモチーフ化と,その特殊値の周期解釈,ドリンフェルト対数型超幾何関数のモチーフ化と,その特殊値の周期解釈など. (2) Papanikolas は 2008 年にいくつかのカーリッツ加群に付随する対数関数の特殊値が「線型独立性ならば代数的独立」を示した.この定理をヒントに,いくつかの対数型超幾何関数の特殊値が「線型独立性ならば代数的独立」を示したい.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)