The study on ring theoretic properties and Groebner basis of Specht ideals
Project/Area Number |
22K03258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
柳川 浩二 関西大学, システム理工学部, 教授 (40283006)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | グレブナ基底 / Specht ideal / Li Li ideal / グレブナー基底 / 極小自由分解 / 対称群の表現論 |
Outline of Research at the Start |
Specht ideal は、様々な視点から研究されてきた主題であるが(ただし、名称や定式化も様々であった為、検索しにくい面は有った)、申請者の得意な手法でこの研究に貢献したい。グレブナー基底に関しては具体的な予想が有る。極小自由分解についても、最近大きな進展が有り状況が詳細に分かり始めている。これらを追求したい。また、ノルウェーの研究グループも似た動機の研究を行っているので、彼らとの連携も図りたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
λを正整数 n の分割とする。対称群の表現論で決定的に重要な Specht module V_λは体 K 上の多項式環 S=K[x_1, .., x_n]の部分空間として(も)実現される。V_λが生成する S のイデアル I_λをSpecht ideal という。M. Haiman と A. Woo は、I_λが常に被約であることを証明した他、その普遍グレブナ基底を求めた(ただし未発表)。 現在も延長継続中である申請者のもう一つの課題、基盤研究(C)『部分空間配置が与えるイデアルのCohen-Macaulay性』において、代表者は大杉英史氏(関西学院大)、村井聡氏(早稲田大)と共同で上述の Haiman-Woo の結果の別証明を得、本年度に査読付き学術雑誌に発表した。これは本研究課題への橋渡し的な結果である。 本研究課題での動きとしては、関西大学大学院生の Ren Xin 氏と共同で、上述の結果をもう少し広いクラスに拡張させることに取り組んでおり、その途中経過をまとめた論文を学術雑誌に投稿中である。この研究で一つの指針となるのは Li-Li の古典的論文 "Independence numbers of graphs and generators of ideals" に現れるイデアルである(以下、"Li-Li ideal"と呼称)。Specht ideal と Li-Li ideal には共通例も多いが、どちらかが他方を含むということはない。Li-Li ideal は分割 λでパラメトライズされず、その種の自由度は無いが、反面、必ずしも被約でない(被約性を仮定しても Specht ideal に含まれない)。Ren 氏との上述の論文では、Specht ideal と被約 Li-Li ideal の共通の一般化を扱っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で、2021年度で終了する予定だった申請者の一つ前の研究課題『部分空間配置が与えるイデアルのCohen-Macaulay性』が延長されて2つの研究課題が同時進行することとなり、それぞれに割かれる時間が限られたことが大きい。こうした状況の中でも、両研究課題合わせて3本の論文を執筆し、学術雑誌に投稿中であるが、どれも査読が長引いており(1本は査読者レポートを受けて、修正作業中)、未だ「業績」として載せられない。最初の共著論文投稿後も、Ren 氏との共同研究は続いており、散発的な結果は得られている。中には一定の重要性を持つものも有るが、2本目の論文をまとめるまでには達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、上の「研究実績の概要」欄の記号で、Ren氏との共同研究の内容について少し詳しく紹介する。分割λのヤング盤 T (λのヤング図形の n個の箱に、1,..,n の文字を1つずつ入れたもの)から、T の Specht多項式 f_T ∈Sが得られる。T を分割λのヤング盤全体を動かしたとき、f_T たちで生成されるイデアルが Specht ideal I_λであり、上述した通り、その被約性や普遍グレブナ基底は既に判明している。Ren氏との共著論文では、正整数 k に対し n+k-1の分割 μ を用意し、そのヤング図形の n+k-1個の箱に、1を k個、2,...,n を1つずつ入れ、通常の Specht多項式と同じ要領で多項式を構成する。これらを全て集めて生成するイデアルを I_{μ,k} と記す。これは、Li-Li ideal の被約の場合と Specht idealの双方の一般化である。 共著論文では、これが被約であることを示した他、グレブナ基底をワン・セット構成した。ただし、これが普遍グレブナ基底か否かは分かっていない。しかし、計算例や部分的な結果から、常に普遍であろうと予想している。23年度は、この予想に集中したい。なお、普遍グレブナ基底は、理論的には極めて重要な概念ながら、これが実際に計算できる具体例は非常に限られている(I_λ のような対称性を持ったイデアルは、この問題に関しては特殊。対称性の崩れた I_{μ,k}は格段に難しいと思われる)。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)