Project/Area Number |
22K03261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 郁 北海道大学, 理学研究院, 名誉教授 (50022687)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | アーベル多様体 / モジュライ / コンパクト化 / アーベル多様体の退化 / ネロン・モデル / ネロン・モデルのコンパクト化 / ボロノイ多面体 / fppf層 / Kuga-Satakeアーベル多様体 |
Outline of Research at the Start |
代数幾何学、あるいは、数論論幾何学の基本的な(モジュライ)空間のコンパクト化を構成し、その構造を深く研究する。とくに、アーベル多様体の整数環上のモジュライ空間の函手的なコンパクト化を構成する。そのために、非可換レベル$N$-構造をアーベル多様体が超特異となる場合にも拡張して、(代表者自身による)従来の理論を拡張して整数環上にコンパクト化を構成する。そのほか、ネロン・モデルの自然なコンパクト化、Kuga-Satakeアーベル多様体のモジュライ空間など、関連する問題を並行して研究する。
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Outline of Annual Research Achievements |
アーベル多様体のモジュライのコンパクト化に関連して、この1年間はネロン・モデルのコンパクト化の研究に取り組んだ。共著論文原稿は一旦完成して投稿したが、付帯条件のため掲載には不十分な成果、との評を得たので、その後の研究で付帯条件は不要となり、ほぼ最終的な改良を得た。剰余体の標数への制限はなくなり、また、モデルの一意性も証明できた。論文は前半と後半の2部に分け、前半部分は完全退化の場合を扱い、後半は部分退化の場合を扱う。前半は共著として完成しており、後半は筆者の単著とし現在執筆中である。完備離散付値環上のアーベル多様体$G_eta$に対してネロン・モデルが一意に定まることはよく知られている。研究期間に著しく進展したのは、このネロン・モデル$\cG$ のコンパクト化である。主要結果は以下のとおりである:$\cG$が半安定ならば、 $\cG$のコンパクト化$(P,\cN)$で次の性質(i)-(iii)を持つものがただ一つ存在する:(i) 偏極が3次的 (ii) Cohen-Macaulayスキームで、(iii) $P\setminus\cG$が余次元2。 前半部分で、完全退化の場合に退化データを構成し、Mumfordの構成方法を適用してコンパクト化を構成、Voronoi 多面体によってコンパクト化の具体的な記述を与えた。後半部分では、部分退化の場合に退化データを構成し、Mumfordの構成方法を適用する。後半の本質的に重要な部分は完成しているが、証明と構成の細部、および関連する結果の完成にもうしばらく時間を要する。並行して以下を証明し、論文を準備中である:fppf位相で定義された前層は帰納的極限により層とすることができる。fppfでの通常の帰納的極限は集合論的に問題があり、その点を克服した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アーベル多様体のモジュライのコンパクト化に関連して、この1年間はネロン・モデルのコンパクト化の研究に集中して取り組んだ。ネロン・モデル$\cG$が半安定ならば、$\cG$の望ましいコンパクト化$(P,\cN)$がただ一つ存在することが、付帯条件のない望ましい最終的な形で、証明できた。一意性は予想以上の成果である。一方、モジュライのコンパクト化の研究では、完全退化の場合はほぼ研究は完成したが、部分退化の場合の正確な執筆は困難な問題で慎重を要する。上記ネロン・モデルのコンパクト化の執筆経験は、fppf前層の層化の存在の証明と同様に、今後の研究にとって重要である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、ネロン・モデルのコンパクト化の研究を完成させる。この方向でもいくつか魅力的な予想はあって、その解決は興味深いのだが、本来の目標である、アーベル多様体のモジュライのコンパクト化の研究の完成を急ぎたい。すでに研究ノートレベルで完成している部分を 書き上げて、そのあと、ネロン・モデルのコンパクト化での経験を生かして、部分退化の場合に論文を完成させたい。
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