Project/Area Number |
22K03263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
立谷 洋平 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (90439539)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 空隙級数 / 線形独立性 / 約数関数 / ランベルト級数 / トゥエモース数列 / 代数的独立性 / 超越数 / 保型形式 / テータ零値 / 超越性 / ヤコビテータ関数 / 特殊値 |
Outline of Research at the Start |
豊かな対称性をもつ保型形式は、その特殊値が代数的整数論や数論幾何学における重要な不変量を記述することから、整数論の分野において重要な研究対象となっている。本研究では、保型形式論の分野において基本的かつ重要な関数として位置づけられているテータ零値の特殊値の数論的性質について解明を進め、代数的独立(代数的関係の非存在性)となる特殊値集合の候補を洗い出す。その後、得られた知見を足掛かりとして、テータ零値と関連が深い保型形式の特殊値研究へ舵を切り、幅広い特殊値集合に対する代数的構造を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度に得られた研究成果は以下の通りである。
1. 多項式指数をもつ空隙級数の線形独立性に関するV. Kumarの定理(2019)の一般化については令和4年度までに既に得られていたが、令和5年度はS.Chowla(1947),P.Erdos(1948)を基盤とする本研究手法の更なる応用可能性の探求に努めた。その結果、ヤコビテータ級数やランベルト級数といった異なる種の級数に対して、それらの値の線形独立性に関する新たな知見を見出すことができた。本結果は既知の研究結果の融合を与えるものであり、論文としてまとめ現在投稿中である。村上慎太郎氏(弘前大学)との共同研究による。 2. トゥエ・モース数列およびその部分列の数論的な性質については古くから多くの研究がある。今回、我々は各ベキ乗をわたる部分列の母関数を考察し、Pisot数やSalem数における値らの線形独立性に関する結果を導いた。本研究結果は、平方数や立法数をわたる部分列の母関数を取り扱った宮之原永士氏(2023、2024)による一連の結果を包括するものである。Michael Coons(California State University)との共同研究。 3. 空隙級数の無理数性や超越性に関するErdos(1957)の定理の条件の改良を目指して、令和4年度より継続して研究を進めていたが、令和5年度は空隙級数の係数の増大度と空隙のバランスを考慮することで、高次の線形独立性に関する一定の成果を得ることができた。約数関数やオイラー関数など古典的な数論的関数に付随する無限級数族に対する複数の興味深い応用例も発見された。本研究は、金子元氏(筑波大学)、鈴木雄太氏(立教大学)との共同研究によるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
S.Chowla-P.Erdosの手法の応用範囲を拡大し、保型形式の代表例であるヤコビテータ級数と長年研究対象としてきたランベルト級数の特殊値に対して、独立性に関する新たな知見を見出すことができたため。これは当初の研究計画において期待されていた応用面の一端である。また、Maichael Coons氏を招聘した際には、短期間のうちに研究の方向性を決定し、集中的な議論の末に一定の結果を得ることができた。この点は、計画外の予期せぬ収穫であった。いずれの結果も論文としてまとめることができ、本研究が順調に進展している一因として挙げられる。また、現在進行形で進めている空隙級数の無理数性や超越性に関する共同研究については、改良のバランスや具体例の探求に重点を置きながら慎重に検討を行っている。本研究の今後の発展には確かな手ごたえが感じられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き、現在進行形であるErdos(1957)の定理の条件の緩和および代数的独立性に関する研究を推進させる。研究遂行のために継続して共同研究者と情報交換・共同討議を積極的に行う予定である。
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