Classification of cosmetic surgeries on knots in rational homology spheres
Project/Area Number |
22K03301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
市原 一裕 日本大学, 文理学部, 教授 (00388357)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 矯飾的手術 / デーン手術 / 3次元多様体 / 結び目 |
Outline of Research at the Start |
3次元多様体研究の中で,最も基本的な改変操作の一つが,結び目に沿ったデーン手術である。一般には,非自明な結び目に沿った非自明なデーン手術によると,元とは異なる3次元多様体が生成される。しかし“いつ”本当に“異なる” 多様体が得られるかどうかは,現在もまだ完全には解明されていない。そのため,元の多様体と同相な多様体を生成する非自明なデーン手術は矯飾的手術と呼ばれ,近年,盛んに研究が進められている。本研究では,これまでの申請者の研究を基に,最新の研究動向を踏まえて,様々な研究技法を組み合わせた融合的なアプローチにより,有理ホモロジー球面内の結び目に沿った矯飾的手術の分類問題に取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
局所的に3次元の座標が設定できる空間(位相空間)を3次元多様体といい,3次元多様体の改変操作としてよく知られている操作にデーン手術と呼ばれる操作がある。一般には,デーン手術により,元とは異なる3次元多様体が生成されるが,稀に,元の多様体と同じ(同相な)多様体を生成する非自明なデーン手術が起こりうる。これが,いわゆる矯飾的手術(cosmetic surgery)と呼ばれる手術であり,本研究課題の主な研究対象である。本研究では,最も基礎的な3次元多様体である3次元球面を含む基本的なクラスである有理ホモロジー球面(1次元ホモロジー群が巡回群となり2次元以上のホモロジー群が自明となるような3次元多様体)を取り上げる。そして有理ホモロジー球面内の結び目に沿った矯飾的手術を,様々な研究技法を組み合わせた融合的なアプローチにより分類することを,本研究の目標として設定した。より具体的には,A) 有理ホモロジー球面内の非自明な結び目に対して,向きを保って同相な3次元多様体を生成する手術(純矯飾的手術)の非存在を示すこと,B) 有理ホモロジー球面内の結び目に沿った向きが逆で同相な3次元多様体を生成する手術(鏡像矯飾的手術)を分類することを目指す。当該年度には,矯飾的デーン手術についての研究を進めつつ,関連する結び目理論についても研究を行った。特に,3次元空間内の結び目の拡張として導入された仮想結び目について,仮想結び目図式に関する古典的性判定問題(その図式が通常の結び目を表すかどうかという判定問題)の計算複雑量がNP(非決定的多項式時間)であることの証明,および,3次元球面内の結び目図式の3次対称群による彩色について,よく知られた2橋絡み目に対してその最小彩色数の決定を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題2年目であり,主たる目的である矯飾的手術の分類に向けて,様々なアプローチを検討しつつ研究を進めた。実際,デーン手術の台となる結び目に関する研究(結び目理論)において,矯飾的デーン手術の研究は,いわゆる結び目の補空間問題(同じ(同相な)補空間をもつ結び目は同値(連続変形で移り合う)かという問題)と密接な関係がある。そのため,例えば,異なる図式がいつ同じ結び目を表すか(補空間が同相になるか)は,本研究課題に関連する研究題材として意味がある。今年度得られた結果:仮想結び目図式に関する古典的性の判定問題の計算複雑量がNP(非決定的多項式時間)であることの証明,および,3次元球面内の結び目図式の3次対称群による最小彩色数の2端絡み目についての決定,はその意味で主たる研究課題に関連する基礎研究として十分に価値があるものと捉えている。また研究代表者にとって,そのような結び目理論に関する知識・技能を深めることは次年度以降のさらなる研究の発展・深化に向けて重要な一歩であるとも考える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究主題である有理ホモロジー球面内の結び目に沿った矯飾的デーン手術については,本研究課題の目標達成に向けて,これまでの研究を踏まえ,いくつかの3次元多様体の不変量(例えば,キャッソン不変量)の手術公式を用いたアプローチを展開していきたいと考えている。一方で,これまでと同様に,直接のアプローチだけでなく,関連する結び目理論やデーン手術の研究も併せて進めていきたい。数学の研究において,一見して直接の関連がなさそうな研究に見えても,その手法や知識が思ってもみないような形で活用されるということは十分にありうる。そのため,視野を広く持ち,多くの研究者と広く交流を深めながら,研究を進めていく。またさらに,最新の研究動向によって,状況の変化も多いに考えられる。そのため,国内外の研究集会等に積極的に参加 し,柔軟に研究計画を変更していくことも検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)