Project/Area Number |
22K03306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
三上 健太郎 秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (70006592)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | リー代数 / リー超代数 / ホモロジー群 / コホモロジー群 / ポアソン構造 / ポアソンコホモロジー群 / エンゲル構造 / スカウテン括弧積 / (コ)ホモロジー群 / オイラー数 |
Outline of Research at the Start |
多様体M上のスカウテン括弧積はMの接束の外積代数EAofTMにリー超代数の構造を与えます。 2021年5月に, 余接束の外積代数EAofCTMに外微分作用素dを用いてリー超代数の構造が存在する事, 更にリー微分の性質からEAofCTM+TMにも自然なリー超代数構造が存在し, EAofCTM は部分超代数となる事を発見しました(cf. arXiv:2105.09738)。 本研究では M から3つの超リー代数に付随するホモロジー群にも, de Rham(コ)ホモロジー群同様Mの様々な情報が蓄積しているのではとの素朴な「問い」を抱き, それらを詳細に調べ, 当初の多様体の理解に資する事を目指します。
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Outline of Annual Research Achievements |
リー代数とその(コ)ホモロジー群の自然な拡張であるリー超代数とその(コ)ホモロジー群は符号の扱いが複雑である難点を抱えているが, 得られる情報は豊富です。M をn次元可微分多様体とし, 接束を TM, 余接束を CM と表す時, (1) TM の i-次交代積 Alt(TM,i) の直和 Alt(TM,1)+...+Alt(TM,n) とスカウテン括弧積の組はリー超代数の典型例です。(2) CM の交代積の直和 Alt(CM,0)+...+Alt(CM, n) も外微分作用素を用いてリー超代数になります, ただし Alt(CM,0)はM上の関数全体です。(3) Alt(TM,1)+Alt(CM,0)+...+ Alt(CM,n), 即ち, (2)の空間にTMを直和した空間も Lie derivative を用いてリー超代数になります。この様に, リー超代数の典型例が増えたことにより基礎研究と平行して応用研究が期待されます。 スカウテン括弧積はポアソン構造を特徴づける役割を果たしかつそれら(ポアソンテンソルとスカウテン括弧積)がコホモロジー群を定めます(ポアソンコホモロジー群と呼ばれています)。この議論を一般の超リー代数で展開し, "K.~Mikami, T.~Mizutani, and H.~Sato", "Poisson-like cohomologies associated with some Lie superalgebras", "arXiv:2306.17409, 2023年6月"として arXiv に受理されました。また, 2023年10月に東京大学数理科学研究科で開催された「葉層構造論シンポジウム(Oct 19--21)」に於いて「Superalgebraic approach to Poisson structures」なるタイトルで講演しました。 2022年12月に arXiv に公表した arXiv:2212.14495 は数式処理言語 Maple の扱いに重点を置いた記述であるが, 根底にある数学的概念を丁寧に記述する様に大幅に書き換え, タイトルを修正の上 2024年3月に或る雑誌に投稿中です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年秋の学会(東北大学)・2024年春の学会(大阪公立大学杉本キャンパス)に参加し情報収集・意見交換の機会を得ました。2023年10月に東京大学数理科学研究科で開催された「葉層構造論シンポジウム (Oct 19 -- 21)」に参加し, 情報収集の他に, 「Superalgebraic approach to Poisson structures」なるタイトルで一時間講を行い, 多くの示唆を得ることが出来ました。 スカウテン括弧積はリー超代数の典型例で, 1980年代当時はポアソン構造を特徴付ける, そしてポアソン構造を拡張する道具として利用され, ポアソン構造とスカウテン括弧積の性質からポアソンコホモロジー群(Poisson cohomology groups)が定義されました。 最近, 一般のリー超代数に対してもこの種の概念はあり得るという発想に至りました。それが "リー超代数のPoisson-likeコホモロジー群"なる新たな研究テーマです。実績欄でも述べた様に, 可微分多様体の余接束の交代積の直和も外微分作用素を用いてリー超代数になり(cf. arXiv:2105.09738),それから定まるPoisson-like コホモロジー群が, 幾何学研究で基本的に用いられるde Rham コホモロジー群を定める事が判明し, 更に具体的な空間の場合の結果を得, "Poisson-like cohomologies associated with some Lie superalgebras"として投稿準備中です。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] 実績欄で述べたように 2022年12月に arXiv に公表した arXiv:2212.14495, Mikami, Kentaro and Mizutani, Tadayoshi and Sato, Hajime, Application of superalgebra homology groups to distinguish Engel-lik e structures は数式処理言語 Maple の扱いに重点を置いた記述であるが, 根底にある数学的概念を丁寧に記述する様に大幅に書き換えた上で投稿中です。そこでの主張には ``in generci sense`` との仮定がついています。それは「全体では無いが稠密な開集合上で」との意味です。もっと具体的には, 例えば, パラメーター a, b, c について, 全てが 0 で無い, 即ち, 積 a* b * c がゼロで無いとの仮定です。この仮定以外の場合を詳細に調べる事が課題が残っているのでその解決に挑戦します。 [2] 前述したように多様体から生成される3つのリー超代数の例 (1), (2), (3) が知られています。 (1) と (2) の直和空間 Alt(CM,n) + ... + Alt(CM,1) + Alt(CM, 0) + TM + Alt(TM,2) + ... + Alt(TM, n) に非自明な super bracket が存在するか極めて興味深い問で, この問題の突破口を見つける努力を進めます。 [3] 秋田大学数学教室の URL: http://www.math.akita-u.ac.jp/~mikami/ に dec30-2022.tgz を公開中です。 内容は上記研究に直接使われた自家製数式処理 Mapleソフト群です。スカウテン括弧積を扱う必要に迫られて, 1980年代にスカウテン括弧積をMapleで実装したのが自家製数式処理ソフト開発の始 まりです。バグだし或いは効率化等の弛まぬ改良調整を続けます。
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