Project/Area Number |
22K03353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
嶽村 智子 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (40598140)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | skew product / Feller property / Dirichlet form / Limit theorem / diffusion process / limit theorem |
Outline of Research at the Start |
「高次元チューブ内を運動する拡散過程がそのチューブが潰れていくとき、どのような様相を示すのか」その点に焦点を当て、拡散過程の列の収束定理とそこに現れる極限過程について考察する。本研究では、断面が超球面となる高次元チューブ内を運動する粒子の運動に対応する確率過程を一次元拡散過程の正値加法的汎関数を用いたブラウン運動の時間変更と捉え、正値加法的汎関数の列と斜積に現れる関数の列、滑らかとは限らない関数による変換を用いて、斜積拡散過程の収縮がその運動に対してどのように影響を与えるのか。更に収縮の繰り返し、媒質の変化が運動にどのような影響を与えるのかも解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「高次元チューブ内を運動する拡散過程がそのチューブが潰れていくとき、どのような様相を示すのか」という点に焦点を当て、拡散過程の列の収束定理とそこに現れる極限過程について研究を行っている。断面が超球面となる高次元チューブ内を運動する粒子の運動に対応する確率過程を一次元拡散過程の正値加法的汎関数を用いたブラウン運動の時間変更と捉え、正値加法的汎関数の列と斜積に現れる関数の列を考え収束定理を取り扱っている。
当該年度は、収束定理の要となる正値加法的汎関数の列の収束について検討を行った。断面が d-2 次元の球面と同相であるような d 次元のユークリッド空間中のチューブ内を動く粒子の運動を、原点からの距離に関わる一次元拡散過程と球面上のブラウン運動との斜積拡散過程によって表現し、チューブの長さ方向に関する一次元拡散過程との直積として捉え本研究を遂行した。領域内を運動する確率過程を取り扱い際に、領域の境界での状況が重要な点となる。一次元拡散過程の境界条件は、フェラーの意味で、正則、流出、流入、自然へ一次元拡散過程を特徴づける尺度関数とスピード測度によって分類できる。加えて正則である場合には、吸収壁または反射壁という状況が考えられる。これら全ての境界条件のもと、チューブの中心からの距離に関わる一次元拡散過程によって定まる正値加法的汎函数の収束について議論を行った。特に一次元拡散過程をブラウン運動のスケール変換として捉え直した際に現れる半群表現、また境界への到達時間の評価が重要となった。今年度、正値加法的汎函数の収束、到達時間に関する評価に関して精密に取り扱うことで、高次元チューブ内を運動する確率過程について、様々な境界条件の下で収束定理を示す手がかりとなる結論を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記述したように多様な斜積拡散過程の構築とその解析に向けて、超球面内を運動する拡散過程とその時間変更について、様々な境界条件について、正値加法的汎函数の収束を得ることができた。昨年度ここで挙げた様々な確率モデルを構築する際に重要となる境界への到達時間に関する問題についてもブラウン運動の時間変更として一次元拡散過程と捉えることで、ほとんどの境界条件について問題を解決することができた。チューブの側面に approachable (正則である時には吸収壁条件にある場合)でかつチューブの太さに依存する収束列にある条件が課された場合に問題が残っている。今後、その課題を半群の表現から突破することを目指している。今後の問題点も明らかになり、順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、本研究では、引き続き断面が d-2次元の球面と同相であるような d次元のユークリッド空間の中のチューブ内を動く粒子の運動に対し、 高次元チューブ内の拡散 過程の列について「確率過程の解析的な量(ディリクレ形式)での特徴付け、チューブの側面での挙動 、拡散過程からジャンプをもつ確率過程への収束定理、高次元チューブが潰れていくときの極限定理とそこに現れる極限過程」を明らかにする。 研究計画に従い、正値加法的汎関数の列と斜積に現れる関数の列、滑らかとは限らない関数による変換を用いて、斜積拡散過程の列に対する極限定理を得る。共に、その極限に現れる確率過程の解析も同時に行う。必ずしも滑らかでない関数による変換を用い、今まで得られているチューブ内を運動する確率モデルを基に意味付けを行う。次に正値加法的汎関数の収束に注意し、チューブが収縮した場合にその極限の運動が存在するのか。存在する場合には、その性質について解明する。また極限で現れる確率過程の具体的なディリクレ形式を得ることにより、チューブ内の媒質の変化がディリクレ形式を特徴づける特性量の変化として捉えられる。こ れらの解析的な特性量からチューブ内の運動に対する影響を解明し、また確率論の視点から基本解の評価も行う。本研究を通して、ブラウン運動をチューブ内 に制限した時に現れる運動に着目し、運動領域が制限されたブラウン運動の導出も行う。
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