Project/Area Number |
22K03354
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
梶原 毅 岡山大学, 環境生命科学研究科, 特命教授 (50169447)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 自己相似写像 / C*-環 / コア / K- 群 / トレース / イデアル / C*環 / 力学系 / 特異点 / K群 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、リーマン球面上の有理関数力学系、コンパクト距離空間上の自己相似写像など、非可逆な離散力学系で、その中でも特異点をもつものからC*環を構成し、C*-環の代数不変量を通してもとの力学系の性質を調べることを目的とする。 もとの力学系の分岐の状況が、構成したC*環の構造にどのような影響を及ぼすか、また、代数不変量からもとの力学系の分岐の情報を明らかにすることなどをめざす。特に、コアの離散的なモデルトレースと分岐で現れる直交射影のペアリングの値を有効に用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
直前の科研費において、テント写像の例の解析を、写像が一般のN個であるような区間力学系によって作られる例に拡大して、その例のC*-環のコアの次元群の構造を解析していた。今回の科研費の補助により、区間力学系に付随したC*-環のコアの次元群が、整数Z上の重複度N-1のシフトになることを示すことができた。この結果は次年度以降に刊行する予定である。この中で、有限コアのK-群の元と離散モデルトレースのペアリングを考えることが有効に働く。また、次元群の解析においては、有限トレース上のシフト作用を用いる。 自己相似写像において「仮定A」、「仮定B」を一般化して「仮定C」を定義した。「仮定C」においては、分岐点集合は無限になっても良いが、 分岐値集合に制限がある。以前の研究を一般化し、「仮定C」のもとで、有限コアの行列表現が可能であることを示した。 また、有限個数の「仮定B」を満たす自己相似写像の直積が「仮定C」を満たすことを示し、「仮定C」を満たす自己相似写像が十分多くあることを示した。この場合には、特異点の集合が無限個になり、コアの次元群にあたるものは全て無限になる可能性があり、もとの自己相似写像の性質を反映しない可能性があり、もとの自己相似写像の性質を反映させるには、次元群の概念を見直す必要があるかも知れない。 特に、テント写像の有限個の直積においては、「仮定C」を満たすのみならず、互いに共役でない極大可換環が直積の個数だけ存在することを、C*-環のK-群の分類を援用して示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで主として「仮定A」、「仮定B」を満たす自己相似写像について、トレース、イデアルの分類などを進めて来た。また、これらの仮定のもとで、有限コアの行列表現が構成できることを示した。これらの例は十分に多く存在するが、分岐点が有限個でなければならず、また、分岐点の連鎖は許されないので例に対する条件が厳しい。 これに対して大幅に緩和した条件「仮定C」を新たに導入した。「仮定C」のもとでは、分岐点は有限個とは限らず、テント写像の直積、シェルピンスキ・カーペットなどの豊富な例を含んでいる。「仮定C」のもとで行列表現が可能であることを示し、理論の発展の端緒を得た。 「仮定C」の実例としては、「仮定B」を満たす自己相似写像の直積が「仮定C」を満たすことを示した。その際、テント写像の直積で開発した手法を一般化して用いた。ただし、「仮定C」のもとでは分岐点の構造が複雑であることを反映して、次元群の解析が困難であり、現状では十分な成果が上がっているとは言えない。 以前に自己相似写像に付随するC*-環のコア上の有限トレースへのシフト作用素を定義して,コアの情報からもとの力学系の分岐構造を復元できることを示していたが、同じシフト作用素を、自己相似写像に付随するC*-環のコアの次元群の標準自己準同型の解析に利用でき,今後具体例の計算に役立つと思われる。 以上のことより、現在までの進捗状況は,「おおむね順調」であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
「仮定B」を満たす例に対してこれまで進めてきた解析を「仮定C」を満たす例に対してできるだけ広く拡張することが今後の大きな目的である。 次元群が無限大になってしまう困難を克服するために、次元群の概念を拡張する必要がある。また、「仮定C」が満たされる例において、コアのトレース及びイデアルの分類を行うことは困難であるが、行列表現を用いて、原始イデアルがコアのトレースでパラメトライズできることが予想されており、この定理の証明を目指す。 なお、「仮定C」のもとでコアのトレースの分類を一般的に行うことは、測度論的な問題が生じて困難であるが、テント写像の2個の直積、シェルピンスキ・カーペットなど比較的単純な例については測度論的な問題は生じないので、トレースの分類が行える可能性があり、これについてもすでに研究しており、これをさらに進める。 また,これまで研究して来たC*-correspondenceのコアの行列表現を,球面上の有理関数力学系に拡張し,有理関数力学系に付随するC*-環のコアに対しても,イデアルについて,自己相似写像と同様の結果を得ることを目指す。また,Fatou 集合上の作用を調べることによって,有理関数力学系のコアの連続トレースの分類を行うことも、大きな目的である。
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