Project/Area Number |
22K03364
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
|
Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
林本 厚志 長野工業高等専門学校, リベラルアーツ教育院, 教授 (90342493)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 固有正則写像 / 複素擬楕円体 / ディリクレ問題 / CR幾何学 / 鏡像原理 |
Outline of Research at the Start |
次元の異なる領域の間に定義された固有正則写像が、いつ定義域を正則的に拡張されるかを調べるのが、この研究の目的である。そのためには次の2つを考える。 1,正則拡張できない例があるが、その例を詳しく調べて正則拡張を妨げている障害を調べる。 2,問題となる写像が境界まで連続的に拡張できることを許して、正則拡張問題を考える。これは次元の異なる実超曲面の間に連続的なCR写像で、実超曲面の片側では正則になっている写像に対する鏡像原理を考えることになる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
鏡像の原理とは、次のことを指す。2つの有界領域の間に固有正則写像があったとする。領域外の点で、鏡像の関係にある点が領域内にあるとする。その対応を鏡像の対応ということにする。定義域外の点zに対して鏡像の対応を作り、それと固有正則写像を合成する。その像に対して鏡像の対応で決まる点wが定まる。この時zにwを対応させる対応が正則写像になっていることを示すのが鏡像の原理である。鏡像の原理を使って、次元のなる領域の間の固有正則写像の定義域の拡張問題を考えるのが、この研究の目標である。・これまでに「次元の異なる球に対しては、その間の固有正則写像が連続的に拡張できない例がある」ということは知られている。これが他の領域でも成り立つかを調べるのが、今年度の計画であった。次元の異なる複素擬楕円体を考える。ただし値域の次元は定義域の次元に比べて十分大きいとする。この時、「それらの間の固有正則写像で、連続的に拡張できない例が存在する。」ということが分かった。・連続的に拡張できないのは、次のように構成する。単位円周上の連続函数に対してディリクレ問題を解くことで円板内部の調和関数を作り、それを実部に持つ正則関数で、虚部が円周上で連続でないものを作ることができるこの正則関数をもとに、固有正則写像を作ることができる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・該当年度までの目標は「連続的に拡張できない例が起こる原因を調べ、それを複素擬楕円体の場合に適用する」であった。 ・該当年度にはでは、連続的に拡張できない理由がディリクレ問題の会にあることが分かり、それを複素擬楕円体に応用することができた。それを使い、実際に次元の異なる複素擬楕円体の間の固有正則写像で、境界まで連続的に拡張できない例を作ることができた。 ・以上により研究はおおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
・該当年度では、しかるべき領域の間の固有正則写像で、境界まで連続的に拡張できない例を作ることができた。 ・今後は連続的に拡張できるための十分条件を求めたい。今のところの予想としては、「定義域の特殊なアフィン超平面を値域のアフィン超平面に移す、という条件があれば連続的に拡張できる」というものがある。特殊なアフィン超平面を使って鏡像の原理を応用し、定義域を拡張した正則写像を構成することができるのではないか、と思っている。
|