Construction of a new mathematical model of grain boundary motion and development in the theory of differential equations
Project/Area Number |
22K03376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水野 将司 日本大学, 理工学部, 准教授 (80609545)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 結晶成長 / Fokker-Planck方程式 / Lojasiewics-Simon勾配不等式 / Fokker-Planck 方程式 / 動的境界条件 / 曲率流方程式 |
Outline of Research at the Start |
結晶成長の数理モデルの数学解析は, 幾何学的変分問題との関係もあいまって, 様々な研究が進んでおり, 微分方程式の新たな解析手法が構築されてきた. しかし, 結晶粒界上の結晶格子方位のずれによる特異性や, 結晶粒界同士が交差する三重点における相互作用を数理モデルにとりこむこと, そしてそのモデルを数学解析により理解することは進んでいない. 本研究では, 結晶成長モデルの拡張とそのモデルに対する数学解析を通して, 微分方程式の解析手法と結晶成長のメカニズムの理解の深化をはかる. とりわけ, 結晶成長の数理モデリング, そのモデリングによる微分方程式の解析を通じて, 微分方程式論の発展を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
空間不均一な拡散性とエネルギー則をみたす非線形Fokker-Planck系の解の存在と長時間挙動の解析を行った,空間不均一な拡散性とエネルギー則を両立するためには,空間不均一性により生じる対数非線形性を取り扱う必要がある.この対数非線形性は,線形拡散に対して尺度臨界な非線形性となることがわかった.この非線形Fokker-Planck系に対し,線形化と放物型Schauder理論を用いて時間局所可解性を示した.次に,エントロピー消散法を空間不均一な拡散性に拡張することによって,解の長時間挙動,とくに可積分空間における平衡解の指数安定性を考察した.この拡張は,質量保存則における速度ベクトルの時間発展に着目したものであり,Fokker-Planck方程式のみならず,質量保存則を基礎におく様々な数理モデルに適用可能であると考えられる. 次に,結晶成長の数理モデルの理解のためにグラフ解に対するLojasiewicz-Simonの勾配不等式の研究を行った.数理モデルの導出過程より,考察すべきエネルギー汎関数は自明であるが,これに対して勾配不等式を考察すべき関数空間の設定は自明でない.本研究において,数理モデルの解が持つ性質を関数空間にとりこむことで,Sobolev空間を基礎空間として,結晶成長の数理モデルに関係するエネルギー汎関数に対するLojasiewicz-Simon勾配不等式の導出を行った.現在,この勾配不等式を用いて,グラフ解の長時間挙動を考察している. 結晶成長の数理モデルの理解には,三重点と呼ばれる,結晶粒界が交わる点を考察する必要がある.エネルギー消散を課したとき,この問題は微分方程式の境界条件に時間発展を課した動的境界条件の問題になる.境界条件の詳しい解析のために,非局所項を持つ境界条件を課した楕円型方程式の可解性とパラメータとの関係を考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Fokker-Planck系の長時間挙動の解析については,空間不均一な拡散性による非線形性をもつ問題への拡張ができた.これは,線形方程式におけるエントロピー消散法を含む新しい方面への拡張となっており,研究当初では予見できなかった結果となった.この研究結果は,走化性モデルなどの質量保存則を基礎におく数理モデルの解析に応用可能であると考えており,微分方程式論への展開に寄与できると考えている. Lojasiewicz-Simon勾配不等式の導出については,一般的な関数空間における抽象Lojasiewicz-Simon勾配不等式の理解が進んだこともあり,どのように関数空間を設定するかが重要であることが明らかとなった.また,抽象Lojasiewicz-Simon勾配不等式から,具体的な問題の長時間挙動の解析とその解析に必要となる勾配不等式の理解も進んだ.本研究における研究対象だけでなく,エネルギー則を持つ他の微分方程式においても勾配不等式の導出とそれを用いた長時間挙動の研究に応用できると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
Fokker-Planck系の長時間挙動の解析について,空間不均一性やモビリティ,ポテンシャルの仮定を再検討する.空間不均一性は系の温度と関係があるが,温度によってポテンシャルをコントロールできるのではないか,さらに不均一性の強さを温度でコントロールできるのではないかを検討している.これは,研究計画でもある,絶対温度を加えた結晶成長モデルの構築とその長時間挙動の解析に深く影響すると考えている.また,多孔質媒質方程式に分類される退化拡散方程式への拡張を検討している. 他方で,絶対温度を加えた結晶成長モデルの構築を進めている.絶対温度を加えた結晶成長モデルの構築において,結晶方位差と三重点の相互作用を組み込んだモデルを導くことができた.しかし,そのモデルの妥当性,とりわけ局所可解性については,そのモデルの複雑さもあいまって,未だ研究途中である.そこで,解析手法の構築を目標とするために,三重点の影響のみを取り出した数理モデルを導出し,そのモデルの局所可解性を研究している. 結晶成長モデルのグラフ解に対するLojasiewicz-Simon勾配不等式が得られたことから,結晶粒界エネルギーが解析的であるときにおける長時間挙動を研究している.このために時間大域解の存在,勾配不等式を応用した長時間挙動とその収束レートの解析を進めている.さらに,グラフ解の境界条件が周期境界条件のみならず,エネルギー消散に寄与する動的境界条件を課したときの解析手法を微分方程式論,数値解析の双方の観点から研究する.
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)