Elucidation of the mechanism of vascular network formation by mathematical modeling based on in vitro data analysis
Project/Area Number |
22K03421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
間田 潤 日本大学, 生産工学部, 教授 (80396853)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 数理医学 / 血管新生 / 内皮細胞 / 数理モデル / パターン形成 / 管腔形成 / データサイエンス |
Outline of Research at the Start |
本研究は,悪性新生物の治療法などにも関わる血管網形成,特に血管新生についての研究を行う。具体的には,近年の実験技術(観測技術,画像解析技術など)の進歩により,個々の細胞運動に関するデータが収集できるようになってきたことから,数理分野の理論と技術,特にクラスタリングなどの統計手法を用いて解析し,血管新生において管腔が形成されるまでのメカニズムを明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
血管内皮細胞に特異的に発現する接着因子VE-カドヘリンは,前方への萌芽伸長を促進する協調的な直線運動性を与えるが,回転運動には無関係である。一方,VE-カドヘリンなしでは同期的な運動性を示した。そこで数理モデルにより,2細胞状態でのECの運動性と血管新生形態形成をVE-カドヘリンノックアウトの効果とともに再現した。そして,VE-カドヘリンに依存的な血管内皮細胞の運動性の変化が,枝の伸長を増強することを見出し,数理シミュレーションによっても確認され,VE-カドヘリンの機能に部分的に依存する血管内皮細胞の特異的な行動特性により血管新生のメカニズムの解明に一歩近づいた。 また,粒子ベースのモデルを用いた最近の研究では,細長い細胞が枝分かれ構造の形成に寄与するなど,細胞の形状がネットワーク形成に大きく影響することが明らかにされてきたが,ほとんどの数学的モデルが2次元で提案されている。そこで,3次元の楕円体も枝状構造を形成するかどうか,またその形状がパターンにどのような影響を与えるかを調べるため,2体相互作用という単純な仮定に基づいて離散力学系の数理モデルを構築した。数値シミュレーションにより,血管新生の初期段階で観察される伸長と分岐のパターンを再現することを確かめ,細胞集団のパターン形成は細胞の形状に強く依存することを示した。また,新芽で観察される細胞の挙動,特に細胞混合を細胞の形状により表現し,そのパターン形成についても検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞の形状も運動に大きな影響を与えていることが観測的に示唆されており,実験でも核の追跡だけではなく,細胞骨格を可視化するなど形状に関する観察が始まっていることから,増えたパラメータをクラスタリングや重回帰分析などによって解析し,細胞の新たな性質を見出し,その性質を数理モデルに取り込んでいくことを考えいる。 そのためにも「研究実績の概要」にも記載したように,パラメータに影響を与えると考えられるVE-カドヘリンの機能を明らかにすることによって,より現実的な2次元数理モデルを提案すること,さらに管腔構造を形成するメカニズムの解明には不可欠となる3次元数理モデルを構築することを先行して行った。特に,3次元数理モデルにおいては,形状の依存性についても示唆することができ,必須のパラメーターであることが確認された。 以上の準備のもと,管腔構造を形成するメカニズムの解明に向けた実験データの解析を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
提案した3次元数理モデルをもとに管腔構造の形成メカニズムを解明するため,実験の方からも血管の伸長および分岐だけでなく管腔形成に関わる内皮細胞の運動データを蓄積してもらう。また,まだ数理モデルに取り入れることが出来ていない,実験結果から収集できる細胞数や細胞形状などの多数のパラメータについても,クラスタリングや重回帰分析などを行うことによって細胞の新たな性質を見出し,その性質を数理モデルに取り込んでいく。 これら多くのパラメータを含む数理モデルの構築およびシミュレーションの実現においては,パソコンのスペックアップが不可欠であるので,VE-カドヘリンおよび3次元モデルの検討で後回しにしていた環境構築も進めていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)