Project/Area Number |
22K03430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀬野 裕美 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50221338)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 数理生物学 / 数理モデル / 感染症 / 集団応答 / 医療サービス |
Outline of Research at the Start |
感染症の伝染ダイナミクスにおいては,感染症に関する情報の流布・普及により起こる集団内の個人の行動様式の同時的変化により,感染症伝染ダイナミクス(感染者,免疫獲得者,隔離者などの部分集団サイズ[個体数や密度など]の時空間変動の様相)が影響を受けるが,そのような個人の行動様式の変化は文化・社会的状況に強く依存する。本研究課題は,文化・社会的状況のような生物集団固有の特性に依存する成員の行動特性と集団全体の特性の連関により現れる集団応答の結果が導く感染症伝染ダイナミクスを理論的に議論するための数理モデルの構造について検討し,従来の数理モデルによる理論に新しい見方を提示することを目的とするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
感染症の伝染ダイナミクスにおいては,感染症に関する情報の流布・普及により起こる集団内の個人の行動様式の同時的変化により,感染症伝染ダイナミクス(感染者,免疫獲得者,隔離者などの部分集団サイズ[個体数や密度など]の時空間変動の様相)が影響を受けるが,そのような個人の行動様式の変化は文化・社会的状況に強く依存する。本研究課題は,文化・社会的状況のような生物集団固有の特性に依存する成員の行動特性と集団全体の特性の連関により現れる集団応答の結果が導く感染症伝染ダイナミクスを理論的に議論するための数理モデルの構造について検討し,従来の数理モデルによる理論に新しい見方を提示することを目的とするものである。感染症の伝染ダイナミクス下にある集団における情報伝播による集団応答についての基礎的な数理モデリングに取り上げる要素として,集団を構成する個人の感染症に対する「関心」の広がりに着目する。感染症への関心の強さは,予防や療養の行動に影響を与え,その結果,集団内での感染症の伝染の起こりやすさに反映される。本研究課題の本年度は,前年度から数理モデリング,数理モデル解析を進めてきた,再感染可能な感染症の伝染ダイナミクスにおいて,あるヒト集団への外来の訪問者の受け入れがどのような影響を及ぼすのかを理論的に考察するための数理モデルの研究成果をまとめ,国際学術誌に投稿した。また,隔離の効果下の再感染可能な感染症の伝染ダイナミクスにおいて,隔離の容量限界がどのように感染症流行に関わり得るかについて理論的に考える数理モデルの構築を行い,解析を進めている。この問題は,医療サービスへの過大な負荷や機能不全に係る理論的研究である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍が治ったわけではないが,社会的対応が進んだことにより,オンラインによる学術交流の環境が以前に比べて整備されるとともに,対面での研究・学術交流についての感染対策も普及した結果,研究を進展させるための学術ネットワークの活用がより至便になり,コロナ禍以前と異なる生活態度が定着したものの,コロナ禍による研究活動への支障はほとんどなくなった。一方,コロナ禍によるパンデミックの社会的後遺症もあり,たとえば,計算機環境を整えるための物品,書籍等の価格上昇,航空運賃の値上げなどは研究費の活用の上で不便をもたらす可能性が否めない状況が否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果を学術集会等で発信し,学術交流に活かすことにより,研究内容の深化を図るととともに,現在進行中の数理モデル解析を進め,新しい研究成果を得ることを当面の目標とする。さらに,ヒト集団における内部(社会)構造や社会応答による感染症伝染ダイナミクスの変質についての文献研究を進め,本研究における課題をさらに鋭利化したい。
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