Theoretical studies on analog quantum gravity using superconducting Josephson circuits
Project/Area Number |
22K03452
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13010:Mathematical physics and fundamental theory of condensed matter physics-related
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
畠中 憲之 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (70363009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 智 広島大学, 先進理工系科学研究科(総), 教授 (10443631)
藤井 敏之 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10615024)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | アナログ量子重力 / 超伝導メタマテリアル / ジョセフソン伝送線路 / ソリトン / 超伝導ジョセフソン回路 / ブラックホール / ホーキング輻射 |
Outline of Research at the Start |
実在するブラックホールからのホーキング輻射の観測が困難なことから,本研究課題では,自然界の物質にはない電磁特性を持つ超伝導量子メタマテリアルを用いて擬似的なブラックホールを創生し,そこに内在する擬似的ホーキング輻射光の観測可能性と量子電磁特性を解明するとともに,その生成起源に由来する量子相関を基にした量子情報技術への応用を目指した理論的研究を行う.
|
Outline of Annual Research Achievements |
新奇擬似的ブラックホールの創生 (1)3波混合型擬似的ブラックホールの創生 従来の超伝導ジョセフソン接合の代わりに超伝導量子メタマテリアルを用いることによって伝送線路中に擬似的なブラックホールの創生を試みた.超伝導量子干渉素子は,メタマテリアルの構成要素であるスプリット・リンクとみなせ,共振現象と通して透磁率を制御できる.これにより,伝送線路のインダクタンス(透磁率)の制御を通して,擬似的ブラックホールの創生に要請される伝送線路中の電磁波速度を空間的に変化させることが可能となる.また,ジョセフソン効果の非線形性も継承しているため,得られたブラックホールはソリトンとして記述され,安定な事象の地平線を持つため安定なホーキング輻射を得ることができる.さらに,超伝導量子干渉素子として超伝導非対称非線形素子を用いることによって,ジョセフソン効果を基にした非線形効果であるにも関わらず,3次の非線形性を導入でき,従来の4次の非線形性による4波混合のもとで問題となるシグナルとポンプの分離を克服でき,ホーキング輻射の観測精度を飛躍的に向上させることがわかった. (2)超伝導メタマテリアル伝送線路 上述の3波混合型擬似的ブラックホールでは,構成要素をメタマテリアル要素で置き換えることによって,新奇擬似的ブラックホールの創生を目指した.伝送線路において,それがメタマテリアルとして機能するためには,構成要素の置き換えだけでは十分でない.伝送線路では,キャパシタンスとインダクタンスの配置(直列・並列)がメタマテリアルとして振る舞うかどうかを決める.今回,自然界には存在しない負の屈折率を実現するため,それらの配置を検討した.結果,その配置は伝送線路の分散関係を制御し,伝送線路が超伝導メタマテリアルとして振る舞うことがわかった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,従来提案してきた超伝導伝送線路の一部を超伝導メタマテリアルで置き換えた新しい超伝導メタマテリアル伝送線路を考案し,これまで提案されてきた擬似的ブラックホールにおいてさえも観測が容易でないホーキング輻射を飛躍的に改善する新たな擬似的ブラックホールを提案した.この成果は,国内学会(2件)と国際会議(3件)で発表し,また論文1件が査読中である.負の屈折率を積極的に利用した擬似的ブラックホールの創生には至っていないが,概ね研究計画通り進展している.
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に達成することができなかった「負の屈折率を積極的に利用した擬似的ブラックホールの創生」を最優先で取り組みたい.特に,超伝導だけでなく他の材料やシステムにおける先行研究を活用するとともに,関連学会に積極的に参加し情報収集を行う予定である.
また,計画通り,二年目の当初計画である「ホーキング輻射に対する摩擦効果」に着手する予定である.ここでの課題は,相対論的な摩擦効果の導入において,ローレンツ不変な形式で理論を整備する必要があり,単純に従来の非相対論的理論の拡張にとどまらない可能性がある.特に,量子トンネル理論の測地線形式への拡張には,その整合性に課題があり,Hamilton-Jacobiなどの形式での展開も考えたい.合わせて,ホーキング輻射のトンネル現象は,本質的に非平衡状態であるため,ゆらぎ理論(Crooksの定理)の適応を考え,ゆらぎと散逸の関係を通して,ブラックホールからのホーキング輻射を見直す予定である.摩擦のあるトンネル理論との関連に注意して,その適応を考えていく予定である.
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)