深層学習による分子動力学を基盤とする複合照射条件下リサイクリングモデルの開発
Project/Area Number |
22K03572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 誠紀 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (40725024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩章 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (30311210)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 分子動力学法 / 機械学習 / 並進エネルギー / 振動・回転準位 / 畳み込みニューラルネットワーク / 核融合発電 / 水素リサイクリング / 分子活性再結合 / 分子動力学 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
プラズマの非接触化に伴い、分子活性再結合が周辺プラズマの挙動理解に重要であることが知られてきた。分子過程を考慮した中性粒子輸送を計算実施するためには、炉壁での水素リサイクリング過程を境界条件として課する必要がある。そこで、放出される水素原子・分子の情報(振動・回転・並進エネルギー分布、放出角、放出率の原子・分子比など)を分子動力学に基づき計算する。しかし、入射エネルギー・入射角・材料温度などの膨大なパラメータ域を分子動力学のみで網羅することは計算コストの観点から現実的ではない。そこで、本研究では、照射条件・材料条件を入力し、放出粒子情報を出力する深層学習モデルを分子動力学に基づいて構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、入射エネルギー, H/W, 材料温度の3つのパラメータを入力とする機械学習モデルの開発を行なった。 MDシミュレーションから得られる放出水素の並進エネルギー、回転準位、振動準位の分布を機械学習で予測する。学習データを用意するために、H/Wを0.1, 0.23の2値、標的材温度を300 K, 600 K, 1000 Kの3値、入射エネルギーを0.1 eV, 1 eV, 10 eV, 100 eVの4値の計24のパラメタセットにおいて分子動力学計算を行った。さらに、学習データを増やすため、1つのパラメタセットにつき、計算回数の2/3の試行をランダムに抽出したものを5セット用意し分布を計算することで120個の学習データを用意した。さらに、H/Wを0.23の1値、標的材温度を400 K, 800 Kの2値、入射エネルギーを5 eV, 50 eVの2値の計4のパラメタセットにおける分子動力学計算をおこないテストデータとした。 H/W、標的材温度、入射エネルギーの3つのスカラー値を入力し一つの分布を出力する数層の全結合ニューラルネットワークを構成し学習を行った。放出水素原子の並進エネルギー、放出水素分子の並進エネルギー、回転準位、振動準位の分布を出力する4種のモデルを構成した。例として、放出水素原子の並進エネルギーの分布を予測する機械学習モデルを図1に示す。並進エネルギー分布は15、回転準位分布は32、振動準位分布の分割数は14の要素を持つベクトルとして放出分布を予測する。損失関数は平均二乗誤差(Mean Squared Error: MSE)を用いた。 放出水素原子の並進エネルギー、放出水素分子の並進エネルギー、回転準位、振動準位を開発した機械学習モデルで予測した結果、概ね分子動力学法で計算した分布を予測できることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分子動力学シミュレーションから得られたデータを基に、機械学習技術を活用して高精度な予測モデルを構築することに成功している。特に、0.1eVから100eVの広範なエネルギー範囲をカバーするモデルを構築し、単色およびエネルギー分布を考慮した予測を行うことで、実用性の高い結果を得ることができた。さらに、入射エネルギー分布を考慮したモデル化も実現し、現実のプラズマ環境に近いモデルの開発に成功している。 以上の成果から、本研究は計画通りに進展しており、今後のさらなる成果が期待できると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下2点の実現を目指し研究を進める。 ・より広い条件にも対応できる自動学習システムを整備する。 ・開発した機械学習モデルを中性粒子輸送コードから呼び出し、周辺プラズマ挙動の解析が可能なことを実証する。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)