Project/Area Number |
22K03614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
大原 謙一 放送大学, 新潟学習センター, 特任教授 (00183765)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 重力波 / データ解析 / 超新星 |
Outline of Research at the Start |
これまでに多数の重力波イベントが観測されているが,いずれも,ブラックホールや中性子星からなる連星合体によるものである。いっぽう,もう一つの有力な重力波源である超新星からの重力波は未だ捉えられていない。そのためのデータ解析手法はいくつか提唱され利用されているが,本研究では,初めての超新星からの重力波を捉えるために,より検出効率のよいデータ解析法を開発する。また,その際に開発したプログラム群は,オープンソースのソフトウェア・ライブラリーとして公開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き empirical mode decomposition (EMD) の問題点を解決するための改良を行った。まず,時系列データの包絡線を求める際に,データの両端でしばしば発生するオーバーシュートの原因を詳細に考察した。たとえば,時刻 t_i から t_f までの時系列データを取り扱う場合,最初(最後)の極大点や極小点は t_i より後(t_fより前)の時刻にあるため,最初(最後)の極大点,極小点からt_i(t_f)に包絡線を延長する際にオーバーシュートが発生する可能性がある。その発生パターンは,t_i(t_f)近傍における振動の仕方によるため,その性質に応じて,外挿法を4種類用意した。ほとんどの場合,それいずれかを選択することにより,t_i(t_f)近傍でのオーバーシュートを抑えられることを示した。これらの改良を含めたプログラムを我々の計算ライブラリーである KAGALI (KAGRA algorithmic library)に実装した。さらに,機械学習のための教師データを作成する際,大量のシミュレーションデータに対するensemble EMD (EEMD)の実行が必要であるため,EEMD のアンサンブル生成過程をMPI (message passing interface)を用いて並列化するプログラムを実装した。当初,EEMDの関数内のループを並列化することを考えていたが,関数自体は変更せず,並列して関数を呼び出すことで効率よく並列化できることが分かった。また,ジョブ管理システムHTCondorで,MPIによる並列化対応を完了させた。 そのほかに,重力波観測装置 LIGO/Virgo/KAGRAの観測データを収集,保存するためのシステム開発とそのメンテナンスを行った。これは,ここで開発している手法を実データに適応するために必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
empirical mode decomposition (EMD)における,時系列データの最初と最後の部分の不安定性の除去については,最も安定な手法を見いだすことを目標にしていたが,データの性質への依存が大きく,唯一最適な方法を求めることを諦め,複数の方法からデータに応じて選択することにした。このために予想以上の時間を要したが,Hilbert-Huang変換(HHT)を用いた重力波探査プログラムの改良については,概ね順調に進んでいる。 当初予定していた計算サーバーの増設については,設置場所の問題で遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を元に,研究協力者である高橋弘毅氏(東京都市大学教授)とその研究室の学生等とHilbert-Huang変換と機械学習を用いた重力波探査の研究を開始する。なお,機械学習の応用については,基本的な手法は,高橋氏らの研究で明らかになっている。さらに,時系列データの時間-周波数解析では,周波数の時間変動を図示することが必要であるが,現在,これにかなり時間を要しているが,pythonを用いて効率よく表示するプログラムを作成中で,これを完成させる。 計算サーバーについては,円安など影響で,コンピューターの価格も上昇しているため,現有サーバーに部品追加で対応することも考慮する。
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