Project/Area Number |
22K03647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
片桐 秀明 茨城大学, 理工学研究科(理学野), 准教授 (50402764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 良治 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (80183755)
村石 浩 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (00365181)
加賀谷 美佳 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (10783467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ガンマ線 / 宇宙線 / コンプトンカメラ / シンチレーションファイバー / イメージング |
Outline of Research at the Start |
銀河系内の宇宙線がどこでどのように加速されているか?という宇宙線起源の問題は、宇宙物理学上の重要な問題である。これを調べるには、銀河宇宙線のエネルギーの主要な部分を担っている低エネルギーの宇宙線を直接的に探査できればよい。本研究では、低エネルギー宇宙線と星間物質の反応で生じる2-10MeVの脱励起ガンマ線に特化した高感度ガンマ線カメラの基礎開発を行い、その有効性を実験的に検証することを目的とする。カメラは研究代表者が考案したシンチレーションファイバーを用いた電子飛跡型コンプトンカメラである。具体的には、①小型プロトタイプによるカメラの原理実証 ②大型プロトタイプの増設および性能評価、を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
銀河系内の宇宙線がどこでどのように加速されているか?という宇宙線起源の問題は、宇宙物理学上の重要な問題である。特に (a)本当に、加速される高エネルギー粒子=宇宙線(高エネルギーの原子核)なのか?(b) 銀河内宇宙線のエネルギー収支は本当に成り立っているのか? という核心的な問いは未解明である。これらを明らかにするには、銀河宇宙線のエネルギーの主要な部分を担っている低エネルギーの宇宙線を直接的に探査できればよい。鍵となるのが、低エネルギー宇宙線が星間物質中の原子核を励起した後に生ずる脱励起ラインガンマ線である。本研究では、低エネルギー宇宙線の直接探査が可能な2-10MeVの脱励起ガンマ線に特化した高感度ガンマ線カメラの基礎開発を行い、その有効性を実験的に検証することを目的とする。カメラは研究代表者が考案したシンチレーションファイバーを用いた電子飛跡型コンプトンカメラである。研究代表者はこれまで、小型のプロトタイプとして散乱体が8mm×8mm×8mmの検出器を開発・評価した。また大型プロトタイプとして散乱体が32mm×32mm×64mと大型で多重散乱事象まで評価できるものを開発中である。 現在までに、大型プロトタイプの上側の増設を行い、また大型プロトタイプのトリガー回路の改良、さらにNIMモジュールにより同期回路を構築した上でデータを取得し、環境ミューオン事象と思われる飛跡を取得することに成功した。また、信号読み出しモジュールで到来時間を精度よく測定可能にする改良を行った。これにより時間精度が向上し、偶発的に同時計数されてしまうバックグラウンド事象の低減が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、2-10MeVの脱励起ガンマ線に特化した低エネルギー宇宙線探査用ガンマ線カメラの基礎開発を行い、その有効性を実験的に検証することを目的とする。カメラはシンチレーションファイバーを用いた電子飛跡検出型コンプトンカメラである。本研究では、多数のファイバーで1枚のファイバープレートを構成し、1層毎に90度回転させてX, Y方向に重ねたコンプトン散乱体からの発光を撮像することで、反跳電子の3次元的な運動を捉えることを目的とする。研究代表者はこれまで、小型のプロトタイプとして散乱体が8mm×8mm×8mmの検出器を開発・評価した。また大型プロトタイプとして散乱体が32mm×32mm×64mと大型で多重散乱事象まで評価できるものを開発中である。本研究では、①小型プロトタイプによるカメラの原理実証 ②大型プロトタイプのトリガー回路の改良 ③大型プロトタイプの上側の増設 ④大型プロトタイプの実験室での評価 を行う。 現在までに、③大型プロトタイプの上側の増設を行い、また②大型プロトタイプのトリガー回路の改良を実施し、さらにNIMモジュールにより同期回路を構築した上でデータを取得し、環境ミューオン事象と思われる飛跡を取得することに成功した(④の一部)。また、①の小型プロトタイプによるカメラの原理実証を行う前に信号読み出しモジュールで到来時間を精度よく測定可能にする改良を行った。信号読み出しモジュールは、搭載されているFPGA(書き換え可能な集積回路)に専用のコードを書き込むことで、1ナノ秒程度の精度で到来時間を測定できる。実際に同期した2つの疑似信号を信号間の時間を変化させながら入力することにより、設計通りナノ秒程度の時間分解能があることを確認した。これにより時間精度が向上し、偶発的に同時計数されてしまうバックグラウンド事象の低減が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、①小型プロトタイプによるカメラの原理実証 ②大型プロトタイプのトリガー回路の改良 ③大型プロトタイプの上側の増設 ④大型プロトタイプの実験室での評価 を行う。現在までに、③大型プロトタイプの上側の増設を行い、また②大型プロトタイプのトリガー回路の改良を実施し、さらにNIMモジュールにより同期回路を構築した上でデータを取得し、環境ミューオン事象と思われる飛跡を取得することに成功した(④の一部)。また、①の小型プロトタイプによるカメラの原理実証を行う前に信号読み出しモジュールで到来時間を精度よく測定可能にする改良を行った。 今後、検出器サイズが小さく試験が容易な小型プロトタイプをコンプトンカメラとして動作させる。同時にGeant4シミュレーターで小型プロトタイプに近い現実的な検出器モデルを構築してコンプトンイベントを取得するアルゴリズムを構築し、コンプトンカメラとしての性能を検証する。まずは、卒業した大学院生が開発・評価した「信号読み出しモジュールで到来時間を精度よく測定可能に改良」を小型プロトタイプに適用する。新たに研究室配属となった学生とともに、到来時間測定の可能なFPGAコードを信号読み出しモジュールに書き込み、このモジュールを動作させるために必要な回路をNIMモジュールを用いて構築する。これらを用いて再度環境ミューオンの測定を行い、実際にバックグラウンド事象が低減しているかを検証する。その後、シンチレーター結晶をコンプトンカメラの吸収体として導入し、信号を同期させることでコンプトンカメラとしての動作を実現する。実験室で使用できる最もエネルギーの高いコバルト60線源のガンマ線を長時間照射することによって、ガンマ線イメージング検出器としての性能を検証する。これらの知見をもとに、大型プロトタイプの評価も遂行する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)