Project/Area Number |
22K03701
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
野口 克行 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (20397839)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 火星 / 二酸化炭素 / 大気波動 / 火星大気 / 二酸化炭素凝結 / 極冠 / 大気重力波 / 電波掩蔽観測 / 熱赤外観測 / 大気 / 極夜 / 凝結 / 過飽和 |
Outline of Research at the Start |
火星は地球のすぐ外側を公転する惑星で、地球の1%程度の希薄な大気を持つ。その主成分は二酸化炭素(CO2)である。太陽からの距離は地球の1.5倍程度であるために気候は寒冷で、極夜を中心にCO2の凝結温度を下回る低温域が観測される。このような低温域では、CO2が過飽和ないし凝結していると考えられる。特に、極夜でのCO2凝結が劇的な大気量減少(20-30%)を引き起こして大気圧の季節変動をもたらすことは、火星気候のユニークな特徴の一つである。本研究は、火星大気の気温観測(電波掩蔽観測)の導出手法を改良し、系統誤差を改善することで、このようなCO2凝結(過飽和)の検出向上を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に入手及び整備したデータセットにより再導出した火星大気の気温の高度分布データの解析を実施した。解析に使用した気温の高度分布データは、マーズ・グローバル・サーベイヤー(Mars Global Surveyor、MGS)探査機で実施された電波掩蔽観測による気温データである。このデータの再導出作業においては、同じく米国の火星探査機であるマーズ・リコネッサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter、MRO)搭載の熱赤外センサMCSによる気温データを平均場として利用している。電波掩蔽観測においては、気温の高度分布に加えて各高度における気圧も同時に得られている。そのため、理論式を用いて火星大気の主成分である二酸化炭素の凝結温度を計算することが可能である。このとき、二酸化炭素の分圧(混合比)も必要であるが、ここでは過去の火星着陸機の観測で得られている標準的な値である95.7%を用いることとした。ただし、極夜域では二酸化炭素の凝結によってその混合比が変わっていることに注意が必要である。計算によって得られた凝結温度と、観測で得られた気温とを比較し、二酸化炭素の凝結の時空間分布が従来データと比較してどのように変わるのかを調べた。その結果、従来データでは高緯度側で気温の過大見積もり、低緯度側では過小見積もりになっているために二酸化炭素凝結の検出も低緯度側に偏っていることがわかった。再導出データによって、従来考えられていたよりも高緯度側において二酸化炭素凝結が多く発生している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究進捗を踏まえて、研究計画段階において想定した解析を引き続き実施し、解析対象データを用いた処理を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
MGS電波掩蔽観測における気温の高度分布の再導出データを用いて、気温擾乱に着目した解析と、CO2過飽和度との関連性に関する解析を実施する予定である。
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