衛星データによる有明海における基礎生産の長期変動とその要因解析
Project/Area Number |
22K03718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石坂 丞二 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (40304969)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 有明海 / 植物プランクトン / クロロフィルa / 衛星リモートセンシング / しきさい / 環境変動 / 海色 / 基礎生産 |
Outline of Research at the Start |
有明海では漁業生産が大きく減少している。当初は赤潮の増加が問題視されたが、これまで植物プランクトンの現存量のデータも限定的にしか存在しなかったため、時間的・空間的変動の大きい基礎生産については、その長期変化の実態は把握されていない。本研究では、これまで活用されていなかった過去25年間の衛星データについて、申請者が開発してきた精度向上手法と、基礎生産と群集構造の推定手法を当てはめる。これによって植物プランクトンの現存量・懸濁物質量・基礎生産・群集構造等の長期データセットを作成し、その長期変動・変化を明らかにし、潮汐・河川流量・栄養塩負荷・海苔養殖などの変化の影響について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
有明海では近年漁業生産が大きく減少している。これまで植物プランクトンの現存量のデータは限定的にしか存在しなかったため、時間的・空間的変動の大きい基礎生産については、その長期変化の実態は把握されていない。本研究では、沿岸域では精度の問題があり、これまで活用されていなかった過去25年間の衛星データについて、新たに時空間的に解像度の高いデータセットを作成し、長期変動・変化を明らかにし、河川流量などの変化の影響について考察することを目的とした。 2022年度は、長期データに必要な衛星センサーとして1997年9月から2010年12月まで稼働したの衛星センサーSeaWiFSと、2002年から現在も稼働中の衛星AQUAに搭載されたセンサーMODISに関して、2022年に新たにNASAが校正を行った再処理データを取得した。植物プランクトンの全現存量を示す色素のクロロフィルaのデータと海面の色情報を含む、解像度1kmで幾何補正を行っていないデータを、NASAのOcean Color Webからダウンロードした。また2018年からは、日本のセンサーで250mの解像度であるSGLI/GCOM-C(しきさい)が稼働しているため、このデータも最新のバージョン3で幾何補正がすでに行われているデータを、JAXAのJASMESサイトからダウンロードした。 SGLIのデータに関しては、2018・2019年のデータに関して、JAXAの現場設置型の分光放射計AERONET-OCと佐賀県有明水産振興センターのデータを用いて検証を行った論文を発表した。さらに2022年までのデータについて検証を行い、クロロフィルa濃度については、海色からクロロフィルaを求める手法について改良した手法を利用してもまだバラつきが多く、一つの原因が衛星データから海色データを求める大気補正手法にあることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、長期データに必要な衛星センサーとして1997年9月から2010年12月まで稼働したの衛星センサーSeaWiFSと、2002年から現在も稼働中の衛星AQUAに搭載されたセンサーMODISに関して、2022年に新たにNASAが校正を行った再処理データを取得した。これらの衛星データについては、すでに補正手法を開発し論文として発表しているが、再処理されたことにより、データの検証から手法の調整、再処理を行う必要が出てきた。 また2018年からは、日本のセンサーで250mの解像度であるSGLI/GCOM-C(しきさい)が稼働している。こちらのデータに関しても、2018・2019年のデータに関して、検証と補正手法の論文を発表した。しかし、さらに2022年までのデータについて検証を行った結果、改良した海色からクロロフィルaを求める手法でもまだバラつきが多く、一つの原因が衛星データから海色データを求める大気補正手法にあることが明らかとなった。そのため、大気補正を含めて再処理が必要であることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初は、NASAのSeaWiFS, MODISとJAXAのSGLIのデータに関しては、すでに開発した補正手法と処理を行ったデータセットをそのまま利用することができると考えていた。しかし、SeaWiFSとMODISはNASAによって元のデータが新たに再処理され、またSGLIデータに関してはさらにデータが長期化されたことによって、新たに処理手法の再検討と再処理を行う必要が出てきた。そのため、研究計画はやや遅れている。現在データの見直しを急ぎ行っているため、2023年度には再処理を行うことができると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)