Elucidation of the Hidaka crust-mantle system
Project/Area Number |
22K03764
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 徹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (00396285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下田 玄 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (60415693)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 日高火成活動帯 / 斑れい岩 / かんらん岩 / 火山-深成作用 / 日高変成帯 / ポロシリオフィオライト |
Outline of Research at the Start |
北海道日高町からえりも町にかけて延びる日高山脈は、島弧の地下(地殻)がめくれあがっており、世界で最も新鮮な地殻断面を観察できる貴重な地域である。日高変成帯にはまた、過去のマントルを構成していたかんらん岩類の岩体が断続的に存在し、様似町の幌満かんらん岩体は、世界ジオパークにも指定されている。しかしながら、日高山脈の形成にともなって地表に露出したかんらん岩と、周囲に分布する「日高地殻」を形成したマグマ活動との関係はよく分かっていない。本研究は、このマントルかんらん岩と「日高地殻」の火成岩類とを、統一的な視点から検討し、日高山脈地域の地殻-マントルシステムの解明を目指すものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,本研究課題の核心をなす3つの「問い」を解決するための試料の採取と野外観察を実施した.具体的には,①日高火成活動帯と日高帯かんらん岩類との成因的関係,及び②ポロシリオフィオライト帯の位置づけの検討のため,日高帯かんらん岩類とポロシリオフィオライト帯かんらん岩類を独自に統一的な視点から観察すべく,日高変成帯北部の両帯が接するウェンザル林道地域の調査及び試料採取を行った.また,①の鍵となり得る日高帯かんらん岩類中の火成岩(斑れい岩)岩脈の観察・試料採取を日高変成帯南部のアポイ岳周辺の幌満かんらん岩体で実施した.加えて,日高火成活動帯の火山-深成作用を包括的に議論するため,日高火成活動帯北部地域の北見市周辺で,深成岩類と年代の重なる中新世火山岩類の採取を行った.これらの火山岩類は苦鉄質・珪長質のバイモーダルな組成で特徴づけられ,同様の組成的特徴を持つ日高火成活動帯の深成岩類との対応関係を検討するための試料となる.そのため,日高火成活動帯中部~部地域の深成岩類についても,追加的な観察・試料の拡充を行った.以上の野外調査によって得られた試料から薄片を作成し,観察を実施した.これらの新たな野外調査・試料採取に加えて,実施者らの持つ既存のデータの取りまとめと,既に公表されている既存のデータのコンパイルを行い,日高帯かんらん岩類の位置づけを含めた日高火成活動帯の中新世火山-深成作用に関する,現時点でのモデルを作成し,公表論文原稿として取りまとめを実施中である.あわせて,直接的に本研究課題の研究地域を対象としたものではないが,本研究課題遂行にあたり参考となると考えられる,同種の岩石についての岩石学的・地球化学的検討を行い,2編の論文を公表した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,新たな着想に基づく研究に対して予算措置がなされたため,今後の研究に必要な追加的野外観察や試料採取を実施することができた.今後,これらの試料を用いて各種分析・解析を実施していく予定である.一方,研究対象地域は日高山脈の山岳地域に位置するため,一部地域の野外調査や試料採取のためには,未舗装の林道を山奥にまで入る必要がある.2022年度は前年度の豪雨により一部の林道が崩壊して復旧の目処が立っていなかったため,十分な調査ができなかった箇所があり,これらの地域については2023年度以降の調査を予定している.他方,本研究課題の重要な論点である,日高火成活動帯の中新世火山-深成作用に関しては,早くも新たなモデルを構築することができたため,既存のデータや試料を活用することによって概ね順調に進捗しているといえる.
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は,現在,公表論文原稿として取りまとめを実施中である日高帯かんらん岩類の位置づけを含めた日高火成活動帯の中新世火山-深成作用に関する現時点でのモデルを論文として公表し,本研究課題の作業仮説として,このモデルをより確実にするための補強的なデータの収集・解析を行っていく.また,このモデルを前提とした場合に付随的に発生する新たな疑問について,実証的なデータをもとに解決に努める.
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)