Project/Area Number |
22K03791
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
本山 功 山形大学, 理学部, 教授 (80295295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上栗 伸一 茨城大学, 教育学部, 准教授 (00612152)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 新第三紀 / 北太平洋 / 放散虫 / 多様性 / 中新世 / 北海道 / 房総半島 / 生物多様性 / 気候変動 |
Outline of Research at the Start |
地球上の生物多様性は、巨大隕石落下のような破滅的な擾乱がなければ、時間とともに限りなく増加するのだろうか、それともランダムに変動するのだろうか。多様性を変化させる原因はなんなのであろうか。本研究は、「地球規模の温暖化や寒冷化によって種レベルの生物多様性はどのように変化するのか(増大するのか、減少するのか)」という問題を検証することを目的としている。本研究では、地質時代を通じて連続的に産出し、種数の多い、海洋プランクトンの一種の放散虫に焦点を当て、北太平洋における過去2300万年間の化石記録を詳細に解析することにより、地球規模の環境変化が生物多様性に与える影響を実証的に評価する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、北太平洋における新第三紀を通じた放散虫の種多様性変動と、温暖化・寒冷化などの環境変動との間の関連性を明らかにすることにある。4年間の研究期間の前半では、種多様性の定量化のために、データの乏しい前期中新世の化石群集の調査と未記載種の分類学的検討に取り組む計画である。令和5年度は令和4年度に引き続いて北海道における下部から上部中新統にかけての地質調査・サンプリング・化石分析を行った。当初は令和5年度中にこれら成果の一部を論文として公表する計画であったが、投稿に至らなかったため令和6年度に持ち越すことになった。一方、深海掘削コア試料のCollodariaと Spumellariaに関する論文を一報公表した。 令和5年度地質調査・サンプリング実績:北海道日高地方(7月、下部から上部中新統栄層・アベツ層・二風谷層・元神部層・荷菜層・厚賀層)、北海道十勝・釧路地方(9月、始新統から上部中新統茶路層・縫別層・知茶布層・時和層・オコッペ沢層・直別層・厚内層)、北海道日高地方(9から10月、下部から中部中新統栄層・アベツ層)。これらのうちの下部から上部中新統から保存良好な放散虫化石の産出が認められ、指標種に基づいて堆積年代を決定することができ、多様性変動の時系列的な解析をするための基礎的情報が整った。 北海道日高地方における下部中新統から中部中新統の放散虫化石層序に関する研究成果、北海道十勝・釧路地方の中新統の放散虫化石層序に関する研究成果、新潟県胎内市の中部から上部中新統の放散虫群集解析、日本海の放散虫種Cycladophora nakasekoiの形態進化、インド洋の放散虫群集解析に関する研究成果について学会発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度の課題としていたODP Site 884、北海道における調査・試料採取、採取した岩石試料の分析については、放散虫化石の層序的な産出の確認を行うことができたため、年度計画をほぼ予定通り実施できたと言える。とくに北海道東部白糠丘陵周辺一帯の下部中新統から保存状態の良い放散虫化石の産出が得られたこと、地域間層序対比を行えたことが大きな成果と言える。しかし、当初計画では、令和4年から5年度中の成果を論文化・学会発表する計画であったが、学会発表は順当に行ったが、論文投稿には至らなかったため、今後論文執筆を急ぐ必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、当初計画していた地域において下部中新統の地質調査・サンプリングを行い放散虫化石の産出を確認することができた。これをふまえて、令和6年度は、それらの成果の論文化とともに、種多様性に関する分類学的分析をさらに進める計画である。 まず、これまでに得られた研究成果である北海道釧路地方の下部から上部中新統の放散虫化石層序の成果、房総半島の下部中新統の放散虫化石層序の成果、新潟県胎内市の中部から上部中新統の放散虫群集解析の結果について論文を執筆し、令和6年度中に学術誌へ投稿することを目標とする。 北海道および房総半島における調査は当初計画通り令和4から5年度にほぼ実行できたため、令和6年度の調査は補足的なものになる見通しである。ODP Site 884については未記載種の分類学的検討を継続的に進める予定である。
|