Project/Area Number |
22K03804
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
黒田 充紀 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (70221950)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 塑性理論 / ひずみ勾配理論 / 金属材料 / ミクロンスケール / 微視的境界条件 / 弾塑性力学 / 寸法効果 / 数理モデル / 数値シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
1970年代以降広く普及した有限要素法による固体の塑性変形解析には,実験では明確な寸法効果が見られるのに反して解析では一切実寸法が考慮できないという根本的矛盾が含まれていた.金属材料の力学応答の寸法効果には,主として3種類がある:(A)塑性ひずみ勾配に伴う寸法効果.(B)部材(材料)の外形寸法の効果.(C)材料の内部寸法の効果(Hall-Petch関係に代表される).これまで寸法効果を考慮可能な塑性理論は多数提案されたが,一方で,最近それらのもつ欠点や矛盾点も多く指摘されるようになった.本研究では,金属材料の力学応答の寸法効果現象の正しい理解と,それを合理的に説明・表現できる理論の再定式化を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
ひずみ勾配塑性論は,金属材料の力学応答の寸法効果を表現できる理論体系として過去20年来世界中で活発に研究されてきた.ところが,最近(2018年頃から),同理論は必ずしも実験結果を正しく説明できず定量性に欠けるという批判を受けている.この疑義を根本から検討し解決することが本研究の目的である.過去の研究では,塑性ひずみ勾配ではなく,塑性ひずみ速度勾配を考慮すると,変形初期の降伏応力の寸法依存性を的確に表現できるとの説が有力であった.代表者は塑性ひずみ速度勾配による寸法効果は金属材料の物理に整合しないとしてこれを否定してきた. 今年度の研究では,寸法減少に伴う塑性変形初期段階における降伏応力の急激な上昇を表現可能な非2次形式の欠陥エネルギーと界面における塑性ひずみ勾配(微視的には幾何学的必要転位密度に相当)の限界値を導入した新たな理論を構築した.この理論により,薄膜金属層の単純せん断変形における降伏応力の寸法依存性(実験結果)が精度良く説明できることを示した(学術論文として公表). さらに,界面における塑性ひずみ勾配(微視的には幾何学的必要転位密度)が限界値に達した(微視的破壊の発生)後は,界面に転位が多量に流出しこれが起点となって界面剥離(巨視的破壊)を誘発すると考えられる.この一連の破壊進行モデルについてもその数理的定式化に着手した. 上記理論の定式化のコンピュータシミューション用コード(有限要素法)への実装も開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の進捗をまとめると以下の通りである. (1)非2次形式の欠陥エネルギーと界面における塑性ひずみ勾配(幾何学的必要転位密度に相当)の限界値を導入した新たな理論を構築し,この理論によって薄膜金属層の単純せん断変形における降伏応力の寸法依存性(実験結果)が精度良く説明できることを示した.この成果を学術論文として公表している. (2)界面の微視的破壊から界巨視的破壊までの統一的モデル構築に着手した. (3)上記理論の定式化のコンピュータシミューション用コード(有限要素法)への実装を開始. これらのことを総合的に考慮し,概ね順調に進展していると自己点検・自己評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,界面の微視的から巨視的破壊までを取り込んだ拡張ひずみ勾配理論を完成させ,それを自主開発有限要素コードに実装しする.数値計算では,理論解(数学的解析解)が得られないような多自由度問題に提案理論を適用し,その有効性について検討する予定である.さらに,提案理論をベースとして物理立脚のミクロンスケール塑性モデルへの展開を考える.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)