Project/Area Number |
22K03811
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
北村 貴典 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70274553)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 抵抗スポット溶接 / 継手強度 / ろう接 / 高強度化 / 力学 |
Outline of Research at the Start |
近年の自動車の車体には低燃費を目的とした車体軽量化や衝突安全性の向上に伴う高張力鋼板の採用が拡大している.一方で,鋼板の強度が高くなるにつれて抵抗スポット溶接部(ナゲット)の強度が増加しないことが広く知られており,抵抗スポット溶接部1点あたりの継手強度が向上する溶接プロセスの開発が求められている.抵抗スポット溶接部1点あたりの継手強度の向上には,抵抗スポット溶接と他の接合方法を組み合わせることが考えられる.そこで,本研究では継手の高強度化を目指し,ろう接と抵抗スポット溶接を併用した新たな継手の開発を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は抵抗スポット溶接とろう接を併用することによる継手の高強度化を実現した新たな接合方法を開発することである.2023年度では銀ろう接と抵抗スポット溶接併用した継手の引張せん断強度に及ぼすろう付け位置の影響を調査した.その結果として,引張方向に平行の位置に7 mm×7 mmのろう材を配置したときの引張せん断強度向上は抵抗スポット溶接部の回転変形および板の開き角の抑制によるものであることを確認した.また,引張方向に垂直の位置に7 mm×7 mmのろう材を配置したときの引張せん断強度向上は,板の開き角の抑制によるものであることを確認した.さらに,銀ろう付け方法について,電気炉で試験片全体を加熱する方法,レーザ加熱によるろう付け,抵抗発熱を利用したろう付けについて継手強度や作業効率の観点からろう付け方法自体を見直した.また,2024年度に検討予定であるろう接を利用した鋼板の折れ誘導によるL字抵抗スポット溶接継手強度向上に関する基礎的検討を行った.さらに,ろう付けによる鋼板の加熱に注目し,初期温度を操作することで容易に大きなナゲットが得られる溶接法を提案することを目的とし,実験および理論的な検討を行った.それにより,初期温度を高温にしたことでナゲット径および溶接面積が拡大したが,極端に高温にしても接触面積の増加からナゲットの拡大には限界があることを確認した.また,本手法をアルミニウム合金板の抵抗スポット溶接に適用すると低電流で大きなナゲットが得られる可能性を示唆した.これらの研究成果は抵抗スポット溶接とろう接を併用することによる継手の高強度化のための基礎的知見となるものと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は銀ろう接と抵抗スポット溶接併用した継手の引張せん断強度に及ぼすろう付け位置の影響を調査することを目的とし,ナゲットに対してろう付け位置を変えた試験片を準備して引張せん断試験を実施した.結果として,ろう付け位置の違いが2枚の板の開き角度およびナゲット部の回転角度に違いを与え,これらの角度を小さくするろう付け配置が引張せん断強度を向上させることを示した.これらの詳細な実験により,抵抗スポット溶接継手の強度に及ぼすとろう接を併用の影響のメカニズムが明らかになりつつあり,本研究の目的達成に近づいているものと考える.さらに,次年度の研究に向けて,基本に立ち返り,ろう付け方法自体の検討も行った.さらに,L字継手の高強度化に有効なろう付けの利用の基礎的知見について検討を開始した.さらに,ろう付けによる鋼板の加熱に注目し,初期温度を操作することで容易に大きなナゲットが得られる溶接法を提案することを目的とし,実験および理論的な検討を行った.以上より,研究計画に対し,現在までの進捗はおおむね順調であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究にて,銀ろう接と抵抗スポット溶接併用した継手の引張せん断強度に及ぼすろう付け位置の影響を調査することを目的とし,ナゲットに対してろう付け位置を変えた試験片を準備して引張せん断試験を実施した.さらに,L字継手についても引張負荷時の鋼板の折れ変形を積極的に導入することによる高強度化につながることを明らかにした.さらに,ろう付けによる鋼板の加熱に注目し,初期温度を操作することで容易に大きなナゲットが得られる溶接法を提案することを目的とし,実験および理論的な検討を行った.そこで,2024年度ではL字継手に焦点を当てて,鋼板の折れ変形誘導に有効なろう接利用方法を確立することを目的に研究を進める.以上により,ろう接と抵抗スポット溶接併用した継手の継手強度向上に有効なろう材の併用方法を解明する.
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