送り停止直後のゼロ切削状態に着目した工具-被削材間の摩擦特性の機上評価法
Project/Area Number |
22K03885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18040:Machine elements and tribology-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 隆太郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 特定教授 (60361979)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 軸方向切込み / ノーズ半径 / 切削抵抗 / ゼロ切削 / 摩擦係数 / 切削加工 / 硬質皮膜 / 切削油剤 / 摩擦特性 / 工具摩耗 |
Outline of Research at the Start |
大抵の機械加工部署が所有しているマシニングセンタと工具動力計を用いて実機上でハードコーティングや切削油剤の特性評価を行う方法として,回転運動と送り運動を伴う切削加工中に送り運動のみを停止したのちに工具に作用する力に着目したハードコーティングや切削油剤の機上評価方法を確立するとともに,工具-被削材間の摩擦特性の違いによって,仕上面生成領域を含む切れ刃輪郭形状(刃先後退量)の推移や仕上げ面プロファイルの推移にどのような違いが生じるか調べ,被削材の材料特性に応じた最適加工条件について検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでに正面フライスのような送り運動を伴う転削加工において,主軸が回転を続けた状態で送り運動が完全に停止した直後の工具へ作用している力(抵抗力)から工具-被削材間の摩擦特性を評価する方法を提案している.しかし,この方法は汎用性を持たせるためノーズ半径を持つ工具を用いて実施することを想定しているため,軸方向切込みが変化すると切削に寄与する切れ刃部に占めるノーズ部の割合が変化することになり,摩擦係数を算出する際の垂直力へ影響をおよぼすことが懸念される.そこで本研究では,いくつかの軸方向切込みにおいて抵抗力を測定し,この値から摩擦係数を算出した.また,工具の切れ刃上の任意の位置の微小領域へ作用する抵抗力が送り運動中の切り取り厚さに依存する場合と切り取り厚さに依らず一定である場合について幾何学的な解析により摩擦係数へおよぼす軸方向切込みの影響を調べるとともに,実測の抵抗力から算出したと摩擦係数と比較しながら工具-被削材間の摩擦特性の評価において適切な軸方向切込みについて検討した結果,以下の結果が得られた. 軸方向切込みが増加すると送り停止後の抵抗力から算出された摩擦係数は,乾式ではゆるやかに減少したのち,湿式では初期に増加した後,ノーズ半径の2倍に達したあたりから収束する傾向にある.幾何学的な検討から,どちらの傾向を示すかは抵抗力が切り取り厚さに依存する場合,切り取り厚さに依存しない場合による違いに依存するのではなく,軸方向切込みが増加したときの摩擦力と垂直力の傾きやそれを直線近似したときの切片の値に依存する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軸方向切込みが変化すると切削に寄与する切れ刃部に占めるノーズ部の割合が変化することによる垂直力の変化が算出される摩擦係数へおよぼす影響を明らかにすることができたので,今後,様々な被削材についての評価を計画通り進めることができる.
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Strategy for Future Research Activity |
形状がシンプル,入手可能な工具材質やハードコーティングの種類が多いSN〇〇1204〇〇形状の各種ハードコーティングを用いて,代表的な難削材であるSUS304,インコネル718,Ti-6Al-4Vをエンドミル切削する場合においてエマルジョン(5~20%),植物性切削油,潤滑油基油などをミスト給油(100ml/h程度)したときの工具-被削材間の摩擦係数を送り停止後の切削抵抗から求める. 送り停止後の接線力Fcを横軸に,垂直力Fnを縦軸に取り整理するとプロットの位置で油剤の性能の“見える化”ができる.原点と各プロットを結んだ直線の傾きが摩擦係数を示す.摩擦係数が同じでも切り残しが多く生じているときは垂直力が大きくなり摩擦力も大きくなるためプロットは原点から遠くなる.同じプロットが複数あるのは,複数の送りで実験したことを示している.摩擦力は摩擦係数と垂直力に依存するが,垂直力は摩擦係数に依らず削り残しとともに増加すると考える.なお,側面切削で実施した予備実験では,摩擦係数が低いほど垂直力Fnが大きくなる傾向を示した.摩擦係数も低く削り残しも小さい油剤とハードコーティングの組み合わせが存在すれば非常に興味深い.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)