Project/Area Number |
22K03898
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19010:Fluid engineering-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金川 哲也 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80726307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎貝 崇広 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC1) (10979991)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 二流体モデル / 平均化方程式 / 線形安定性 / 安定性解析 / 音響放射力 / 揚力 / 抗力 / 超音波医療 / 圧力波 / 衝撃波 / ソリトン / 気泡 / 弱非線形方程式 / 気泡流 / 水管 / 非線形波動 / 混相流 / 非線形音響 |
Outline of Research at the Start |
水中で圧力波が衝撃波に発展すると、水管の壁面損傷等を生じ、重大事故を招きかねない。そこで損傷抑制のため、水中に気泡を混入し、衝撃波を(音響)ソリトンなる安全な波に変換することを目指す。衝撃波とソリトンは、その物理的性質が著しく異なり、遠く離れたものとこれまで認知されてきたが、衝撃波とソリトンの双方を記述可能な数理モデル「弱非線形方程式」に着眼し、上記構想を理論的・数値的に達成することが目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
液体中において、圧力波が衝撃波に非線形発展すると、衝撃波面の熱的散逸効果によって、水管の損傷等を生じ、重大事故に繋がりかねない。この損傷を抑制すべく、液体中に気泡を混入し、気泡振動に起因する圧力波の分散効果を利用したい。圧力波の非線形効果が、散逸効果とつりあうならば衝撃波が形成されるが、分散効果とつりあうならば(音響)ソリトンという安定した波が形成される。そこで、衝撃波をソリトンに変換することを目指し、気泡流中において衝撃波とソリトンの双方を記述可能な数理モデル「弱非線形方程式(非線形・散逸・分散の各効果を表現する方程式。KdV-Burgers式などが著名)」に着眼する。本研究は、上記損傷抑制の構想を達成するための基礎研究を、理論解析と数値計算の両面から行う。 本年度は下記成果が得られ、計4編の査読付雑誌論文が掲載・採択された: (1)弱非線形方程式は気泡流の基礎方程式系から導かれるため、基礎方程式系の構築と改良が重要である。研究分担者の鮎貝崇広(JSPS特別研究員DC1)を中心に、気泡振動を伴う体積平均二流体モデルに基づく基礎方程式系の構築および安定性解析を行い、精度向上に資する成果を得た(Int. J. Multiph. Flowに掲載)。 (2)気泡に働く力(抗力・揚力・重力・音響放射力)が波に及ぼす影響を理論的・数値的に解明した(Phys. Fluidsに掲載)。 (3)弱非線形方程式のアナロジーから、粘弾性液体や医療応用目的の研究対象に拡充した。腫瘍焼灼や結石破砕のために、粘弾性液体中の集束超音波を記述する弱非線形方程式を構築した(Ultrason. Sonochem.に掲載)。超音波造影診断のために、力学的異方性を有する粘弾性膜で覆われた気泡群の音響特性を記述する弱非線形方程式を構築した (Phys. Fluidsに掲載)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
以下の理由を根拠に判断した: 1.概ね当初計画の通りに研究を遂行し、成果の殆どは、年度内に国際誌4編 (内3編がQ1誌)への原著論文として掲載・採択された。質と量ともに当初計画を上回っており、成果の広範な周知にも資する。 2.当初計画に含まれていなかった解析にも着手できた。より根源的な視点に立ち、気泡流の基礎方程式自体の改良に着手した成果も国際誌に掲載された。また、気泡流中波動の弱非線形波の観点からは、数理的に同種の応用先である、レオロジーや超音波医療に関する理論解析と数値計算も行い、成果は国際誌に2編掲載された。 3.本研究成果に対して多数の講演を行った。代表者は、ターボ機械協会における基調講演、IUTAM Symposiumにおける招待講演など、複数の招待講演を行った。これは成果の広報に資すると同時に、成果が学界から一定の関心を得ているものと考えられる。 4.本研究成果を含む業績に対して多数の表彰があった。代表者は、日本流体力学会竜門賞、ターボ機械協会チャレンジ大賞、筑波大学BEST FACULTY MEMBER (SS教員、学長表彰)などを受賞した。研究分担者(鮎貝)は、博士学位取得時に、筑波大学学長表彰(上位約0.5%対象)、筑波大学校友会江崎賞などを受賞し、また日本混相流学会萌芽賞の受賞が決定した。本成果に関する学会発表に関して、学生を主対象とする講演表彰4件の受賞があった。以上は成果の広報や周知等に大いに資するものである。
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Strategy for Future Research Activity |
本報告書作成時点においては、以下の点に重点を置きながら進める予定である: 1.原則的には、当初計画通りに研究を遂行するが、当初計画を上回る成果を常に追求する。成果は国際一流誌に公表し続け、世界的視野に立って周知する。研究計画は定常的な見直しを行い、進展に伴い、計画の適切な変更や入替を行う。 2.本年度の成果のうち一部の論文投稿が完了していない。現在当該成果を精査中にあるが、完了次第、速やかに投稿を行う予定である。 3.強非線形方程式(基礎方程式系)の直接数値計算も進行中である。次年度に学会発表(採択済)後、精査と深化を行い、論文投稿を予定している。 4.成果公表は雑誌論文だけに留めず、国内外において(可能な限り多様な)学会における発表を行う。論文出版時にはプレスリリースを行い、広範かつ多様な周知に努める。
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