Inter molecular potential prediction by ab initio molecular orbital method for refrigerant property calculation
Project/Area Number |
22K03946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 智恵子 長崎大学, 工学研究科, 教授 (50752870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 哲也 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (10380817)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 冷媒 / 温暖化係数 / 分子シミュレーション / 分子軌道計算 / 分子間相互作用 / 熱物性 |
Outline of Research at the Start |
地球温暖化係数の低い新冷媒の開発は現在高精度測定に依るところが大きい。しかしながら低温域の測定が困難なことや、高純度サンプル入手に時間を要することが研究を阻んでいる。そこで分子シミュレーションを行って低温域や測定点数の低減などを図る事で新冷媒開発の加速が期待できる。しかしながら汎用力場と言われるデータベースで分子間相互作用を推定し、数千の分子から構成されるバルクの物性値を算出すると、大きな誤差が生じる。その主たる要因と必要な修正量を分析し、測定に準ずる物性計算が可能となるようなパラメータを得ることを目標とする。これにより測定が困難な超低温域の熱物性の計算を可能とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
次世代冷媒として期待されているフッ化エチレン系物質HFO1123,HFO1132(E),およびHFO1132aについて,非経験的分子軌道法の一つであるカプルドクラスター法を用いて分子構造最適化および原子電荷の割り当てを行った.分子内の結合長・結合角について変形エネルギーを計算し,計算結果にフィッティングを行ったパラメータを用いて分子内力場の構築を行った.汎用力場OPLS-AA/Lと比較したところ,結合長は良く一致するが,結合角については幾分乖離が見られた.次いで摂動法MP2を用いて二量体解析を行い,分子間相互作用エネルギーの増減を計算した.この計算結果から,分子間相互作用エネルギーを近似するLennard-Jones関数のパラメータについて,パラメータ調整を行うべき原子を選択した.この微調整には,分子動力学計算結果が,臨界点近傍で提供されている最新の気液密度の高精度測定値を参照した. 気液平衡系の分子動力学計算の結果,それぞれの物質で,飽和液密度がおおむね1%以内で一致することを確認した.さらに,飽和蒸気密度,飽和圧力および表面張力についても計算精度が飛躍的に向上することを確認した.HFO1123では,稀薄蒸気についても再現を行い,平均力ポテンシャルから第2ビリアル係数を算出し,提案されている状態方程式が与える値と比較して広い温度範囲にわたって良く一致していることを確認した.しかしながら,第3ビリアル係数については状態方程式から大きく乖離した.第3ビリアル係数は,第2ビリアル係数に比して状態方程式の計算精度が著しく低下することが要因として考えられる.さらにボイル温度についても検証を行い,Tholらの理論計算値と概ね一致することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はエチレン系物質3物質について,非経験的分子軌道法を用いた力場割り当てを完了した.CCSD/DGDZVPレベルの計算で平衡構造および原子電荷,さらに結合角と結合長の変形エネルギーを求め,古典分子動力学用のパラメータとして割り当てた.MP2/aug-cc-pVDZレベルの計算で少なくとも4姿勢の2量体間エネルギーを求め,特に電子供与基である水素や炭素不飽和結合の非結合エネルギー計算用パラメータの修正が必要であることを明らかにした.飽和液密度に関する低温側高精度測定値に合致するよう主に衝突直径を,臨界密度および臨界温度の高精度測定値に合致するよう主にポテンシャル深さの調整を行った.調整後の力場を用い,稀薄蒸気の再現を行い,高精度状態方程式作成に必要な第2ビリアル係数を計算し,既に測定値が豊富にあるR1123の第2ビリアル係数と良く一致することを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,自然冷媒であるプロパンやCO2について,既に提案されている分子力場を評価するとともに,必要な場合は非経験的分子軌道法を用いた分子力場の調整を行う.これらの物質の分子間相互作用の再現の検証が完了されれば,自然冷媒と今年度検証を浣腸したフッ化エチレン系物質の混合系について,古典分子動力学法を用いて相平衡状態の再現に挑戦する.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)