Project/Area Number |
22K03955
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
川合 政人 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 准教授 (70511278)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 複合可視化 / PIV / CO2濃度 / CO2ハイドレート / シクロペンタン |
Outline of Research at the Start |
CO2ハイドレート(CH)は,水分子が規則的に籠構造で結合してそれぞれの籠にCO2分子が一つずつ入った物質である.CHに取り込まれたCO2は気体のときよりも高密度になるので,CHはCO2の貯蔵性が高いという特長がある.燃焼ガスからCO2だけを吸収したり,海水から真水だけを取り出すことができるので,CHはSDGsの達成に寄与するキーテクノロジーとみなされており,その「生成促進技術」に注目が集まっている.しかしながら,CH生成場で何が起こっているのかを直接的に観察する装置の開発はまだ行われていない.本研究では,CH生成の流れ場,CO2溶解挙動,そして温度分布の観察を実現する計測装置を構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
CO2ハイドレート(CH)は,水分子が規則的に籠構造で結合してそれぞれの籠にCO2分子が一つずつ入った物質である.CHに取り込まれたCO2は気体のときよりも高密度になるので,CHはCO2の貯蔵性が高いという特長がある.燃焼ガスからCO2だけを吸収したり,海水から真水だけを取り出すことができるので,CHはSDGsの達成に寄与するキーテクノロジーとみなされており,その「生成促進技術」に注目が集まっている.しかしながら,CH生成場で何が起こっているのかを直接的に観察する装置の開発はまだ行われていない.本研究では,CH生成の流れ場,CO2溶解挙動,そして温度分布の観察を実現する計測装置を構築する.本研究の目的は,「生成反応部の流れ場,CO2溶解挙動,温度分布の同期計測手法を確立」し,「本手法を用いて非撹拌条件下におけるシクロペンタン(CP)を添加したCHの生成開始に至る機構の解明」を通して観測装置としての有効性を示すことである.本研究の学術的独自性と創造性は,CH生成反応の観察方法にある.本研究では,画像相関法(PIV)で流れ場を,pH指示薬でCO2濃度を可視化し,多点温度センサを容器内に複数挿入して温度場を計測する.これらの計測を同期させて現象を複眼的に観察しようとする試みは他に類がない.したがって,この観察手法が構築できれば,可視化計測分野においても,CH分野においても,学術的意義は大きい.初年度は,実験系を構築し,大気圧条件下で流れ場の可視化を行った. 今年度(二年目)は,製作した装置の加圧条件下で機能検証,CO2濃度の可視化,温度分布計測,そして,CP-CO2ハイドレート生成反応の観察を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
〇CO2濃度分布の可視化【やや遅れている】前年度に製作した可視化容器の耐圧性に関する検証実験を行い,CO2ハイドレート生成条件(定格 3 MPa,最大 4.5 MPa)で異常のないことを確認した.検証実験の次に,CO2加圧条件下でのCO2溶解実験を行った.pH指示薬にはブロモフェノールブルー(BPB)を用いた.BPBを溶かした純水を試験部に充填し,30℃に容器内温度を保ちつつCO2を十分に溶解させた.その後,CO2を供給しつつ,容器内の温度を0℃付近まで低下させた.温度による溶解度の変化に伴って充填物(pH指示薬を溶かした純水)の色が変化する様子を映像でとらえることに成功した.撮影にはビデオカメラ(SONY, HDR-CX470 , 1920×1080 pixels, 30 fps)を使用した.今後は,本実験系における色とpH値ならびにpH値とCO2濃度の関係を定量化し,CO2濃度分布の定量的な可視化を行う. 〇温度分布の計測【おおむね順調に進展している】多点シース熱電対を可視化容器内に挿入し,CH生成時の温度計測に成功した.次年度は多点シース熱電対の挿入本数を2本に増やして生成容器内の温度分布をより詳細に計測する. 〇その他:ハイドレート生成反応を撮影することに成功した.シクロペンタンと純水を体積比1:1で試験部に充填し,反応容器内の温度を30℃に保ちつつCO2を 3 MPa で十分に溶解させた.その後,反応容器内の温度を0℃付近まで冷却したところ,純水とシクロペンタンの界面からハイドレート生成が開始する様子が確認された.ただし,界面にトレーサが堆積するなどの問題が生じたため,流れ場の計測には至らなかった. 〇まとめ:上記の通り,本研究で開発したハイドレート生成の可視化装置は,想定通りに機能すると判断できる.今後は,今年度実施予定であった,CO2濃度の定量的な評価を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
【3年目:生成機構の解明と実験装置の評価】2年目に残された課題を解決したうえで,完成した実験装置で生成機構の解明に挑む.先行研究の課題だった「常温付近での生成促進」をテストケースとして,水とCPの最大流速とCO2の溶解速度,生成時間,生成量の関係を明らかにする.解明した生成促進機構をもとにして,常温付近での生成促進を実現する容器形状を試作し実験装置に組み込む.試作容器での計測結果から本研究で提案した実験装置の有効性を評価する.
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