Project/Area Number |
22K03964
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武田 哲明 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30370422)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 地中熱 / ヒートポンプ / 成績係数 / 空調 / 熱交換器 |
Outline of Research at the Start |
産業用及び家庭用の冷暖房空調・給湯システムに適用する地中熱ヒートポンプ内の代替フロン系冷媒が流れる銅管を地表から1~5m程度の深さに(1)縦800mm×横1200mm×高さ120mm程度の水冷容器を埋設し、容器内に銅管を水平方向に設置して地中熱交換器とする方法、(2)同じ水冷容器を鉛直に複数台埋設し、容器内に銅管を鉛直方向に設置して地中熱交換器とする方法、について銅管内に冷媒を流し、冷媒の蒸発熱を直接地中から採取、及び凝縮熱を直接地中に放出させる方式を採用した直接膨張方式地中熱ヒートポンプの性能を明らかにする。水冷方式の併用により、ボアホールの掘削を不要とする地中熱交換器を開発・実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は垂直埋設型地中熱交換器の製作を進め、暖房運転時の性能を調べた。地中熱交換器は市販の空気熱ヒートポンプの空気/冷媒熱交換器を1200 mm×700 mm×150 mmのステンレス容器に挿入して水を充填し、深さ1.0mの浅層に地面に対し垂直に埋設した。ステンレス容器内には上水道から注水が可能であり、水冷方式を併用して利用することができる。空調面積は52m2、暖房出力は4.0kWであり、冷媒はR32を2.8kg封入した。この実験機を用いて、暖房設定温度24℃で水冷方式を併用しない場合と、併用する場合の実験を行った。水冷方式を併用しない実験と実験中15.0L/minで注水した実験、容器内の水温が3.0℃を下回った場合に7.0℃まで回復させるため15.0L/minで注水した3つの実験を行った。まず、水冷方式を併用しない実験は、実験開始から1時間50分経過後に熱交換器内水温が3℃を下回ったことを確認し運転を停止した。水冷方式を併用しない実験の運転中の平均COPは2.51、平均取得熱量は3.5kW、平均消費電力は1.39kWとなった。昼間の気温が上昇する時間帯の運転においても運転開始2時間後には容器内温度が15℃以上低下したことから、冬季に凍結を防ぎつつ運転させるには水冷方式を併用する必要があると考えられる。実験中15L/minで注水しながら暖房運転を行った際の平均COPは2.69、平均取得熱量は3.41kW、平均消費電力は1.27kWとなった。続いて容器内水温が3℃を下回った場合に、水温が7℃を上回るまでの期間15L/minで注水した場合の実験を行った。運転中の平均COPは2.63、平均取得熱量は2.82kW、平均消費電力は1.07kWであった。これより注水弁を制御して注水停止あるいは注水量を減少させても、COPを低下させることなく運転を維持できる可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は予定通り、垂直埋設型地中熱交換器を試作し、暖房運転を実施した。前年度、地表から30cmの浅層に水平埋設設置した場合に比べて、熱交換器の下部は地表の大気温度の影響を受けにくくなるため、特に暖房運転時の容器内に充てんされた水が凍結しにくい場合について、実験的に状況を確認することができた。今後は、水平、垂直埋設型の両熱交換器を用いた場合の冷房性能を求め、空調システムとしての性能を確認する予定でり、研究は概ね予定通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の意義は蒸発・凝縮を伴う相変化による採放熱が可能となる地中熱交換器の開発を通して、太陽熱の影響を受けやすい浅層部分での熱交換器の性能を明らかにすることにある。さらに、高負荷連続運転時に土壌からの採放熱量が不足する事態になっても、ほんの僅かな水量を流すことにより、連続運転が可能であることを確認することである。熱交換器を地中の浅層部分に設置して、冷媒の蒸発・凝縮熱を直接地中との間で採放熱が可能となれば、ボアホールの掘削が不要となり、熱交換性能と経済性の向上に繋がる。 そこで最終年度は、水平埋設型地中熱交換器と設計製作・施工を終えた垂直埋設型地中熱交換器を用いたヒートポンプにより更なる実証試験を行い、高負荷連続運転時の空調性能を求める。また、長期間にわたる高負荷連続運転時の熱枯れに対応するために開発した補助水冷制御機構を併用することにより、長期間連続運転や高負荷連続運転時の安全性能が担保されていること、また、消費電力からランニングコストを求めて経済性を評価し、従来型地中熱ヒートポンプのみならず、空気熱ヒートポンプに対しても実用上有利であることを実証する。
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