高希釈・高気流中の火炎核成長過程の観察に基づく巨視的なサイクル間変動現象の解明
Project/Area Number |
22K03973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
近藤 千尋 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90585225)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 2色蛍光粒子 / ガス温度面計測 / レーザ計測 / 熱機関 / ガス温度・流動同時面計測 / 光学計測 / 燃焼 |
Outline of Research at the Start |
超希薄・高希釈燃焼は,熱機関の高熱効率化に不可欠な燃焼である一方で,燃焼速度低下によるサイクル間変動の抑制が課題となっている.これに対し流動や点火強化がなされているが,これらの変動がサイクル間変動を助長する場合もあり,点火初期の電極付近のガス流動と放電現象の干渉や,放電後に形成される非定常性の強い初期火炎核の成長過程と,サイクル間変動の関係を明らかにする必要がある.本研究は,とくに点火栓付近を含む初期火炎成長に影響を及ぼす局所ガス流動・未燃ガス温度の観察を,独自の蛍光微粒子を用いた面計測で実現するとともに,これらの変動を消炎理論から整理し,巨視的なサイクル間変動現象との関連を明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,【本研究の目的】を達成する上で必要とする,局所ガス流動と未燃ガス温度を瞬時同時に面計測可能な無機蛍光微粒子のガス温度面計測システムについて,温度分解能および過渡応答の観点から適用範囲の検証を実施するとともに,高気流場における消炎現象を観察するための燃焼システム(燃焼容器および計測系)の構築を行った.ここでは,前年度までに検証した2波長無機蛍光微粒子の2種の色素濃度の配合調整により温度計測の分解能拡大を検討し,ガラスシリンダエンジンの圧縮過程における筒内の蛍光粒子からの2波長蛍光輝度の観察により温度応答を確認した.また,旋回流を用いて高気流を生成する燃焼容器を構築し,消炎現象観察に用いる各種計測法の同時計測システムを構築した. その結果,蛍光輝度の温度依存性の低いローダミン6Gと温度依存性の高いローダミンBを内包した無機蛍光微粒子については,個々の色素で最大輝度となる場合の配合に対して,ローダミンBの濃度を濃度消光がやや観察される程度に色素濃度を増加した方が,ローダミンB蛍光輝度を同程度としながら,ローダミンBによるローダミン6G蛍光光の吸収が増え,同じガス温度でも2波長の輝度比が1.5倍程度に増加し,温度分解能が増加すること,また,機関回転数600rpmのガラスシリンダエンジンの圧縮過程のガス温度の時間変化に対して,輝度比より計測した温度変化が概ね追従し,少なくとも1.1K/ms程度の応答があることを明らかにした.さらに,1~2万rpmで回転する羽根付円筒を燃焼容器内に設置することで,数10m/sの高気流場を形成可能な燃焼容器および同時計測システムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究では,従来開発してきた無機蛍光微粒子によるガス流動計測法をガス温度面計測を可能とする面計測法へ拡張する上で,当初の予定から,ガス温度の計測分解能の向上や過渡応答について,追加検証を行った.これは計測手法の適用範囲を詳細に検討する上で必要な事項である.このため,当該年度において当初予定した,実機相当の高気流場における消炎現象の観察のための燃焼容器および計測システムの構築においては、容器の作製とその容器を用いた個々の物理量の計測の検証までで,実機相当雰囲気の同時計測には至っていないものの,同時計測系の目途は立っており,この点では,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,今年度試作した,高気流の生成が可能な燃焼容器において,実機相当における雰囲気形成を確認するとともに,安定着火に関わる点火栓電極間/近傍のガス流速・未燃ガス温度・火炎面・火花点火挙動を光学手法により同時に瞬時2次元平面分布計測を行い,消炎現象を観察,モデルの適用性の検討を行う.また,面分布の計測を基に,ガス温度面分布の高解像度化および空間3成分の流動計測による消炎理論の検証へと進める.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)