残留振動振幅の解析に基づく画期的な位置決め指令設計方法
Project/Area Number |
22K03982
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 隆太 名古屋大学, 工学研究科, 特任教授 (60376861)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 位置決め / 残留振動 / 加減速指令 / 数値制御工作機械 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,数値制御工作機械の位置決め動作後に生じる比較的低周波数の残留振動について,総加減速時間を変えずに残留振動を抑制するための画期的な位置決め指令の設計方法を実現するとともに,その方法を一般化して位置決め指令設計論として確立し,様々な分野で利用可能な方法の確立を目指すものである.そのために,位置決め指令の躍度の変化によって生じる振動振幅を定式化し,総加減速時間を変えずに残留振動の振幅を抑制するための躍度変化のパターンを見出す.さらに,残留振動の振幅を最小にするための位置決め指令を一意に設計するための方法を確立し,実験によってその有効性を検証するほか,複数の振動数への対応も検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,数値制御工作機械に代表される機械装置で位置決め動作を行ったときに生じる残留振動について,加減速時間を変えずに残留振動だけを抑制するための方法の開発と一般化を目的としている.そのために,加速度の微分値である躍度の変化に着目し,躍度の変化によって生じる振動振幅の解析解を導出する.さらに,その結果に基づいて,残留振動を最小にする加減速指令を設計する. これまでに,残留振動振幅の解析結果の妥当性および加減速指令の設計方法の有効性を確認するための実験装置を製作し,まずは単一の振動数についての検証を行った.そのために,モータに弾性はりとおもりを取り付けた試験装置を設計,製作した.その試験装置に採用したモータのドライバは速度制御モードとトルク制御モードの両方で使用でき,また,DSPボードを搭載したパソコンによって制御できるようにし,任意の制御則と指令を適用できるようにした.モータに備えられたロータリーエンコーダによって検出されるモータ回転角度はDSPボードのカウンタ機能を使って記録されるほか,モータに取り付けた弾性はりの先端のおもりの振動加速度は,おもりに取り付けた加速度計を使って測定し,DSPボードのAD変換機能を使って記録できるようにした. 製作した試験装置において,モータに取り付けた弾性はりとおもりの固有振動数に基づいて,加減速パターンと振動振幅との関係を定式化して振幅マップを作製した.また,その振幅マップ上で6通りの加減速指令を生成し,その加減速指令で角度位置決め試験を行った.その結果,振動振幅の解析結果において振動が生じない条件では,抑制対象とした振動が実際に抑制できていることが確認できた.一方,実際の振動振幅は解析結果と異なることや,抑制対象とはしていない周波数の振動が生じ,振動を完全に抑制することはできないことも明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに,当初の予定通り,残留振動振幅の解析結果の妥当性および提案する振動抑制方法の有効性を検証することを目的として,モータに弾性はりとおもりを取り付けた試験装置を設計,製作を完了している.また,単一の振動数についての振動抑制実験を行い,加減速指令設計方法の有効性を検証できており,おおむね予定通りの進捗状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
実際の振動振幅が解析結果と一致しない原因として,モータの応答性と弾性はりの振動減衰性による影響が考えられた.そこで,モータの応答性と振動減衰性も考慮した振動振幅の評価方法を検討する.また,抑制対象の振動数を二つ以上とした場合の加減速指令の設計方法についても検討を進める.そのために,位置決め指令を抑制対象の周波数成分を除いたフーリエ級数として表現することによる方法の適用も試みる. 並行して,実験装置のモータおよび弾性はりの数学モデルを構築し,残留振動のシミュレーションを行う.その際には,モータの最大トルクや速度,振動減衰性の影響もモデルに考慮し,それらが加減速指令と振動との間の関係に及ぼす影響を調査する.その結果に基づいて,モータの性能に応じた最適な加減速指令の設計方法の確立とその一般化を目指す.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)