Project/Area Number |
22K03998
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
吉村 卓也 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (50220736)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 振動設計 / モード解析 / 部分構造合成法 / 周波数応答関数 / 振動 / 振動性能割付 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,部分構造同士が結合するときの連成メカニズムを解明し,連成によって振動の最大応答がどのように生ずるかを解明する.本研究では,物体同士が結合し新たな系を作るとき,周波数応答関数(FRF)の最大値がどのように形成されるかに着目する.従来,部分構造合成法により,分系のFRFが得られれば,全体系のFRFを得ることは可能だった.しかしながら,全体系のFRF最大値を所望の値以下にしたいとき,各分系単体のFRFの満足すべき条件は必ずしも明らかではなく,振動性能の割付が困難であった.本研究では,最大値の生成メカニズムを明らかにすることにより,振動性能の割付けを試みている.
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Outline of Annual Research Achievements |
部分構造合成法により2分系が結合する場合の振動応答を予測するとき,周波数応答関数(FRF)を用いた部分構造合成法による予測式が用いられる.これをコンプライアンス型予測式とする.振動設計への適用を考えたとき,結合部特性を逆数で表したインピーダンス型予測式が有用であることが分かった.この予測式を1自由度結合の場合の振動設計に活用し,まず動吸振器設計への応用を検討した.この主系と付加系の結合予測に上記のインピーダンス型予測式を用いることにより,動吸振器付加後の応答を簡易に予測することが可能となった.さらに,動吸振器を複数個取り付ける場合にも簡易予測が可能となり,各動吸振器の特性の重ね合わせにより,付加後の応答予測が可能になることが分かった. 構造変更により振動応答を低減させるとき,1自由度結合であれば,共振による最大応答がどのように変化するかを予測可能であることが分かっていたが,多自由度結合の場合の予測は困難であった.これに対して,多自由度結合における部分構造合成法の結合予測式を変形させ,構造変更をFRFのゲイン変化として捉えることにより,固有振動数及び振動応答変化を高い精度で予測可能なことが分かった.この考え方を自動車の構成部品に適用し,全体の応答低減のためにあるコンポーネントの振動特性をどのように変化させれば良いかを導くことができた. 従来,構造変更は感度解析に基いてある部位の質量や剛性を変化させ,振動応答を実現させていたが,感度は設計変数に対する微分係数を表現するため,感度に基いて構造変更を実施しても予測通りの結果が得られないことがあった.これに対して,構造変更が1自由度の場合には定量的な予測が可能であり,応答を所望の振幅に抑えるために,どれだけの構造変更が必要になるかを定量的に導くことができた.現在,本解析法については,特許出願を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績で述べたように,当初予定していた方向で進んでおり概ね順調に進展している.振動性能の割り付けについては,1自由度結合の場合の設計要件を検討した.具体的には分系A, Bからなる構造物に対して,分系Aの振動特性が定まると,これにより分系Bに作用する内力の上限値が定まる.この内力の上限値に対して振動応答が許容値に収まるように分系Bを設計する方法を考えた.そしてこれを設計要件とすると,振動応答の上限予測値に保守性が高くなることが分かった.すなわち,設計要件を満足するように分系Bを設計すれば応答は許容値以下となるが,その設計要件はやや厳しすぎる.今後は,この保守性を緩和させる実用的な方法を検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の大きな課題は,分系間が多自由度結合をする際に,振動性能の割り付けをどのように実現できるかであると考えている.多自由度結合においては,一つのコンポーネントのゲイン変化を与える場合について,応答低減につなげることができたが,性能割付けには至っていない.部分構造合成法のコンプライアンス型とインピーダンス型のそれぞれを活用することで,分析法としても多様な視点を与えることができる.これらを上手く活用することで,振動伝達経路解析(TPA)にも応用することができないかを副次的に検討する. 感度解析に代わる構造変更手法については,1自由度結合の場合に応答を所望の振幅に抑えるために,どれだけの構造変更が必要になるかを定量的に導くことができた.これを多自由度系に拡張することができれば,ある1点に対する質量や剛性付加ではなく,複数点やある領域の構造変更などに拡張することができるため,有用性が高い.従って,構造変更による振動低減においても多自由度への拡張検討を進める.
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