Project/Area Number |
22K04004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
関口 泰久 近畿大学, 工学部, 教授 (60226644)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 接着接合 / フィラー / 剛性 / 損失係数 / 振動モード / 振動特性 / 減衰能 / フィラー充填 |
Outline of Research at the Start |
本研究では接着接合部の機械的特性向上のための接着剤へのフィラー充填法を開発する.接着接合部の高剛性化のために,接着剤に高剛性のフィラーを充填することがあるが,この場合接合部材の減衰特性が低下する.そこで両者の両立のために粒子径の異なるフィラーを混合充填する.その際に,接着剤に充填するフィラーの充填率,複数のフィラーの混合割合,温度などが両特性に及ぼす影響を調べる.また,接合において溶接あるいはボルト締めと接着を併用することで振動エネルギー吸収能とさらなる剛性向上を同時に目指す.さらに部材に生じる振動モードを考慮し,接合個所に応じて接着剤の特性を変えるフィラーの傾斜充填についても検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,はり試験法としてJISで規定されている中央加振法を用いて接着剤の機械的特性を求めた.本手法では,まず信号発生器にて発生した信号波形により加振器を用いて試験片を加振し,その加振力と加速度をインピーダンスヘッドで検出した.その後FFTアナライザで検出した加速度信号を積分し,速度信号に変換して周波数応答(機械インピーダンス)を出力した後,固有振動数と半値幅法により損失係数を測定した.その後,RKU方程式によって基材(鋼)の影響を除去した接着剤単体の弾性係数および損失係数を算出した. 実験では高強度構造用接着剤の一種である構造用エポキシ接着剤を用い,接着剤の剛性を高めるためにシリカをフィラーを充填した.そのフィラー充填が接着剤の剛性と損失に与える影響を考察した.またフィラーとして粒径がミクロンオーダーのものと,ナノオーダーの2種類を準備し,接着剤に混合充填し,その充填率や混合割合が接着剤の機械的特性に及ぼす影響を考察した.その結果,一般的には高剛性のフィラーを充填することで剛性は向上し,損失係数は減少するが,両フィラーを適切に混合充填することで両特性を同時に向上できる混合割合があることが分かった. さらに本研究では,2枚の板材を軽量化を目的とし,部分的に接着接合し,打撃を加えた後の自由振動波形から接合部材の剛性に関係する固有角振動数と,振動減衰能に関係する損失係数を測定する実験を行った.その際に測定した接合部材の加速度波形には,部材の1次振動モードのみならず,高次モードも含むため,それらを分離し,各振動モードにおける剛性と損失係数を測定し,接着接合個所との関係を考察した.さらにボルトと接着の両接合法を併用した接合部材についての実験も行い,損失係数の向上を目的とし,接合部材の振動モードと,部分接着箇所の関係を考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までの研究において,2種類の粒径のフィラーを接着剤に混合充填することで,剛性と損失係数といった動特性の同時向上を実現することができた.このためのフィラーの混合割合を求めた.この結果は,本研究において最も重要な点である. 一方,接着剤あるいは接着接合部材の動特性は温度に依存するが,現在のところ本研究で用いた接着接合部材特性の温度依存性を示すことはできたが,当初予定していたような温度範囲において十分に温度依存性を実験によって評価することができておらず,当初計画より遅れていると考えている.これは当初考えていた温度管理に用いる装置の緒元および性能と,実験に必要となる性能の再検討,および他の温度管理法の検討と試作に予想されたより時間を要したことが原因であると考えている.本研究に特化した恒温装置の製作依頼についても検討したが,高額なため導入不可能であることも影響している. しかしながら,部分的に接着接合した部材,およびボルト接合と接着接合を併用した部材の試験については,当初の計画より早期に実施することができた.そのため全体としては,やや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては,混合フィラーを充填した接着剤を用いた接合部材,部分接着した接合部材,およびボルト接合と接着接合を併用した接合部材の特性評価において,温度依存性を明らかにすることが重要である.特に現在までに得られたフィラー充填法による接着剤剛性と損失係数の向上法を使用し,さらに温度変化の両特性への影響を考察する. 実験においては,まず接着剤のガラス転移点温度を測定する.接着剤単体,およびフィラー充填をした接着剤のガラス転移点温度に及ぼす影響を調べる.その際には中央加振法によって測定された損失係数は基材(鋼)も含めた損失係数であることより,RKU方程式によって基材(鋼)の影響を除去した接着剤単体の弾性係数および損失係数を算出する.その後,接着剤のガラス転移温度を用いて,粘弾性体の温度変化を表す式であるWLF方程式を用いて,温度周波数換算則によって換算周波数ノモグラムを作成する.その結果として,接着剤の動特性向上における複数フィラーの充填法に対する温度の影響を明らかにすることを計画している.
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