Project/Area Number |
22K04050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑原 拓也 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (70602407)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 非熱プラズマ / オゾン / 燃料電池 / 殺菌 / 水質浄化 / 気液二相流 / 省エネルギー / 環境保全 / 水処理 |
Outline of Research at the Start |
「水で水をキレイにする」をコンセプトに、水の電気分解により水素と酸素を発生し、水素を燃料電池の原料とし発電して電力回収し、酸素を殺菌効果と化学物質の分解効果の高いプラズマ形成オゾンの原料として利用する燃料電池を用いたクリーンな低温プラズマ水質浄化装置を開発する。プラズマ放電工学、電気化学理論、流体工学を融合させて水質浄化システムを最適化し、高い浄化効果を持ちながら省エネルギー化するという高機能化を実現する。環境汚染物質の発生を伴わない高濃度オゾン発生を提案する。さらに、高機能化に欠かせない水処理を行う浄化リアクタも開発し、混相流動と殺菌・分解効果の関係を実験的に解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
「水で水をキレイにする」をコンセプトに、水の電気分解により水素と酸素を発生し、水素を燃料電池の原料とし発電して電力回収し、酸素を殺菌効果と化学物質の分解効果の高いプラズマ形成オゾンの原料として利用する燃料電池を用いたクリーンな低温プラズマ水質浄化装置を開発する。プラズマ放電工学、電気化学理論、流体工学を融合させて水質浄化システムを最適化し、高い浄化効果を持ちながら省エネルギー化するという高機能化を実現する。高機能化に欠かせない水処理を行う浄化リアクタも開発し、混相流動と殺菌・分解効果の関係を実験的に解明する。これらの学術的研究を行い、約100人分の1日の消費量である200 Lの水の一般細菌を200 W/hの電力で100%の殺菌が可能な水質浄化技術を開発する。 今年度は処理対象水のオゾン気泡のボイド率と溶存オゾン濃度の関係の解明に注力した。ボイド率は液相流束とオゾンの気相流束の関係より算出すると同時に、締切法によるボイド率の測定も行った。処理対象水へのオゾン注入流量が大きいほど、水処理効果が高いと考えられる。一方で、オゾン注入流量が小さく、ボイド率が小さい場合でもオゾン気泡が細かく、気液接触表面積が増えるため、水処理効果が高いとも考えられる。ボイド率と溶存オゾン濃度の関係を解明し、最適なボイド率が明らかになれば、結果的に流体力学的な効果による非熱プラズマ殺菌浄化システムの省エネルギー化を図れる。実験結果として、ボイド率が19%のときに、溶存オゾン濃度が最大になることが明らかになった。このときの溶存オゾン濃度は0.25 mg/Lであった。この成果は「水で水をキレイにする」技術の電気的な効率化に加え、流体力学的な効果による効率化を図れることを示唆する結果であり、比較的大きな流量の水の浄化の高効率化に適用できる。そのため、実用化を考慮すると研究成果の意義は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「水で水をキレイにする」水の非熱プラズマ殺菌浄化システムの省エネルギー化の基礎研究を行ってきた。前年度は電気的な省エネルギー化を検討し、電力回収特性を調べた結果、最大で39.9Wの発電を達成し、水の電気分解に必要な消費電力に対し、電力回収率が16%に達することが分かった。これまでの電力回収率に比べて5%向上した。今年度は流体力学的な効果による非熱プラズマ殺菌浄化システムの省エネルギー化を図るため、処理対象水のボイド率と溶存オゾン濃度の関係の解明に注力した。実験結果として、ボイド率が19%のときに、溶存オゾン濃度が最大になることが明らかになった。このときの溶存オゾン濃度は0.25 mg/Lであった。この成果は「水で水をキレイにする」技術の電気的な効率化に加え、流体力学的な効果による効率化を図れることを示唆する結果であり、比較的大きな流量の水の浄化の高効率化に適用できる。そのため、実用化を考慮すると研究成果の意義は大きい。 本研究に対して先行する研究例がなく萌芽的研究であるため、これらの基礎特性の解明は学術的にも価値が高い。これらの成果は本研究の基礎をなすものであり、計画以上の進展と評価できる。しかし、前年度の余剰水素の再利用による更なる効率化については十分な検証できていないことから、上記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度は電気的な省エネルギー化に注力し、燃料電池を用いた省エネルギー型非熱プラズマ水質浄化の電力回収について調べた。今年度は流体力学的な効果による非熱プラズマ殺菌浄化システムの省エネルギー化に注力した。今後は、電気的な省エネルギー化の課題である余剰水素の有効利用を実現するために、水素吸蔵合金タンクで一時的に保存し、再び燃料電池に供給することで回収電力を増加し、電気的にエネルギー効率の向上を図る。流体力学的な高効率化については、今年度得られた成果を考慮して、細菌や化学物質の分解効率を向上させるために、特殊な外部装置を必要とせず、流れの中で自然発生可能な液相流せん断とキャビテーションを併用したマイクロバブル発生機構を構築する。オゾン気泡をマイクロバブルとすることにより、気泡の微細化と気泡数の増加のトレードオフの問題を解決する。次にオゾンのマイクロバブルと処理水との接触時間を長くすることのできる渦式または螺旋式の浄化リアクタを設計・構築する。浄化リアクタにおいて、処理対象水の液相流束とオゾンの気相流束の関係よりボイド率を算出し、ボイド率と溶存オゾン濃度、細菌や化学物質の分解効果の関係を明らかにする。殺菌効果の検証には風呂の残り湯、化学物質の分解効果の検証には水性インク溶液やメチレンブルー溶液を用いる。これらの研究遂行し、適宜フィードバックしながら目的を達成する。電気的な観点と流体力学的な観点から浄化システムの改善によりエネルギー効率を向上し、1 W/hの達成を目標とする。最終的には実機レベルの水質浄化装置を開発し、試作機として試運転し、水質浄化性能を評価する。
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