高温超電導テープ線材と永久磁石を適用した磁気浮上型超電導免震装置の浮上力向上
Project/Area Number |
22K04062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長崎 陽 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60823747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 理 東北大学, 工学研究科, 教授 (10267411)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 超電導免震装置 / 高温超電導テープ線材 / 免震 / 永久磁石 / 浮上力 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、浮上力向上のために、超電導バルク体に比べて設計の自由度が高く大規模化が容易な超電導テープ線材および永久磁石を適用したハイブリッド型超電導免震装置の研究開発を行う。超電導線材に発生する浮上力特性を明らかにするとともに、浮上方向だけでなく様々な方向に働く永久磁石同士の磁気力を併用した際に、浮上安定性を維持しつつ浮上力を向上可能な構成を明確化する。本研究でハイブリッド型超電導免震装置の設計指針を明らかにし、実応用を想定したモデル装置を製作・試験することで超電導線材と永久磁石を適用した超電導免震装置が安定稼働可能であり、浮上力・浮上効率の向上が可能であることを実証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超電導バルク体に比べて設計の自由度が高く大規模化が容易な高温超電導テープ線材および永久磁石を適用したハイブリッド型超電導免震装置の研究開発を行っている。本年度は高温超電導テープ線材の浮上力特性を明らかにする検討を行った。 まず、超電導テープ線材1枚の永久磁石レール上における浮上力の測定を行った。その結果、冷却する位置によって変位する際の浮上力の特性が大きく変化することがわかった。これは超電導バルク体の特性やこれまでの解析結果とは異なる特徴であった。超電導体の浮上力は超電導体が経験する磁束密度に依存するため、印加する磁束密度を超電導体表面に対して垂直成分のみ、平行成分のみにした際のそれぞれの浮上力特性を解析によって求め、実験結果と比較を行った。その結果、垂直成分のみを印加した場合の浮上力特性と超電導テープ線材の実験による浮上力特性が一致することがわかった。したがって、超電導テープ線材においては、表面に対して直交する磁束密度が線材の浮上力に大きく影響していることがわかった。 これまでの検討では、超電導バルク体内の復元力の分布を解析によって求め、復元力密度が高い箇所に超電導テープ線材を配置することによって超電導免震装置の構成方法を決めていた。しかし、今回の検討によって得られた浮上力特性を考慮していなかった。そこで超電導バルク体表面に直交する磁束密度のみを印加した場合の復元力分布を解析によって求め、これを参考に超電導テープ線材の構成方法を決定し、復元力の測定を行った。その結果、使用する超電導テープ線材量を先行研究と比較して2/3に低減し、超電導体の体積あたりの浮上力効率をこれまでの検討と比較して1.3倍まで向上することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は高温超電導テープ線材および永久磁石を適用したハイブリッド型超電導免震装置の設計指針の確立のために、高温超電導テープ線材の浮上力特性に関して検討を行った。実験および解析結果の比較により、超電導テープ線材においては、テープ表面に対して直交する磁束密度が線材の浮上力に大きく影響していることがわかった。これは、超電導バルク体やこれまでに得られていた解析結果とは全く異なる特性であり、非常に重要な成果である。また、得られた高温超電導テープ線材の浮上力特性から浮上効率が最大となる超電導免震装置の構成方法について検討し、これまでの検討と比較して浮上効率を向上させることに成功した。今後の永久磁石を併用したハイブリッド型超電導免震装置の検討に向けて、順調に本研究課題が進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により、高温超電導テープ線材に発生する浮上力特性を明らかにし、浮上効率が最大となる超電導免震装置の構成方法を明らかにした。今後は、超電導テープ線材に加えて、永久磁石を併用した際の免震装置の振動印加時における浮上安定性について解析を行う。解析においては、定式化した超電導線材に発生する浮上力(復元力)と永久磁石に働く磁気反発力を比較した静的な安定性解析と、実際に振動を印加した際の動的な安定性解析に取り組む。また、並進運動のみならずこれまで未検討であった免震対象物の重心が変化した際等における回転運動に対する安定性に関しても検討を行う。特に、免震構造物の回転運動は2-3層間の振動伝達特性に影響を与えることが想定されるため、これまでに申請者らが構築した1-2層間の解析モデルを発展させ、1-2-3層の並進運動・回転運動に関して解析を行いハイブリッド型の浮上安定性を明らかにする。 また、これらの結果にもとづいて、様々な超電導線材および永久磁石の配置・構成を想定して並進運動、回転運動に対する浮上安定性および浮上力を評価する。さらに、地上層に実際の地震動を印加した際の1-2-3層間の振動伝達特性を検討し、浮上力が最大、振動伝達特性が最小となる最適なハイブリッド型の最小ユニット構成を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)