大規模MIMOのためのマルコフ連鎖モンテカルロ法の並列多次元最適化法の研究
Project/Area Number |
22K04108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
眞田 幸俊 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90293042)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 大規模MIMO / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / メトロポリス・ヘイスティングス法 / 最急降下法 / 超多素子アンテナ / Gibbsサンプリング |
Outline of Research at the Start |
本研究では第6世代移動通信に用いられる大規模MIMO技術のための復調アルゴリズムとして,解候補ベクトルの複数の要素を並列に最適化するアルゴリズムを提案し,その収束特性ならびに計算量を評価する.提案方式は最適化アルゴリズムとして最小2乗アルゴリズムをメトロポリス・ヘイスティングス法と組み合わせることにより,解候補ベクトルの複数の要素を並列に最適化し,高速かつ比較的低演算量でMIMO復調を実現する.そして,大規模MIMOの通信環境において,収束特性の改善を目指す.さらに大規模MIMOに用いられるビームフォーミングを提案手法に組み合わせて適用した場合の収束特性を評価し,同時に計算量の低減を検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では第6世代移動通信に用いられる大規模Multi-Input Multi-Output(MIMO)技術のための復調アルゴリズムとして,解候補ベクトルの複数の要素を並列に最適化するアルゴリズムを提案し,その収束特性ならびに計算量を評価する.従来のマルコフ連鎖モンテカルロ法では逐次的に解候補ベクトルの要素を最適化していた.これに対して提案方式は最適化アルゴリズムとして最小2乗アルゴリズムをマルコフ連鎖モンテカルロ法の一方式であるメトロポリス・ヘイスティングス法と組み合わせることにより,解候補ベクトルの複数の要素を並列に最適化し,高速かつ比較的低演算量でMIMO復調を実現する. 本年度は二乗誤差コスト関数の最急降下方向への勾配ベクトルを用いた中間探索点を保存し,従来より探索を加速させる MIMO 信号検出方式を提案した.従来型の最急降下法とメトロポリス・ヘイスティングス法をハイブリッドした方式である最急降下方向へのランダムウォークは二乗誤差コスト関数の勾配を利用してメトロポリス・ヘイスティングス法による解の探索を高速化する手法だが,ランダムウォーク後のQAM信号点への量子化によって勾配ベクトルが棄却される場合がある.そこで本研究では勾配ベクトルを中間探索点として利用することを特徴とする最急降下方向へのランダムウォークを用いたMIMO 信号検出を提案した.提案方式では高次変調シンボルを受信した場合に中間探索点を利用しない場合と比較して収束特性が改善した.計算機シミュレーションの結果,アンテナ数16×16のMIMOシステムにおいて64QAMシンボルを受信した場合,提案方式は BER=10e-3において約5dBの改善が見られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2022年度の研究予定として1)「最小2乗アルゴリズムによる最適化をメトロポリス・ヘイスティングス法と組み合わせた提案アルゴリズムの収束特性を評価する.同時に計算量を低減する手法を検討する.」2)「上記に加え大規模MIMOに用いられるビームフォーミングを適用した提案アルゴリズムの収束特性を評価する.」としていた.1)に関しては当初予定通り評価を行い,また中間探索点を保存して利用する新方式を提案した.ただし提案方式が変調次数の高い場合にのみ有効である理由を検討するのに時間を要し,2)に関しては評価を行わなかった.しかし2023年度に予定していた3)「受信アンテナ素子のチャネル応答間で相関がある場合の特性を評価する.相関量に応じて最小2乗アルゴリズムの更新係数を最適化する.」を先取りして評価し,チャネル応答間で相関がない場合と遜色のない特性を示すことを確認した.以上より2023年度には当初予定していた研究項目を実施することが可能であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には1)「大規模MIMOに用いられるビームフォーミングを適用した提案アルゴリズムの収束特性を評価する.」2)「チャネル応答の大小により受信アンテナをグループ化し,それぞれのグループに対して個別の最小2乗アルゴリズムの更新係数を適応することによる効果を検討する.」を実施し計算量を低減しつつ,従来と同様の特性を実現することを検討する.また3)「最小2乗アルゴリズムの係数更新に他の評価関数を組み合わせることを検討する」ことにより変調次数の小さいシンボルに対しても復調特性が改善する方式を提案する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)