Project/Area Number |
22K04112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21020:Communication and network engineering-related
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前原 文明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80329101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 周平 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10907075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | OAM / UCA / MIMO / アンテナ軸ずれ / モード間干渉 / Orbital angular momentum / uniform circular array / mode multiplexing / beam axis misalignment / interference canceller |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では,OAM多重伝送において,特に,受信特性の安定化を実現できる複数UCAを採り上げ,アンテナ軸ずれに起因した受信特性劣化の克服と伝送容量の拡大を,OAMモード間干渉の影響とUCA間の受信特性の変動に着目して,効果的・効率的に達成することを目指すものである.具体的には,アンテナ軸ずれについては,モード間干渉特性を利用して,低計算コストの干渉キャンセラを構成するとともに,伝送容量の拡大については,UCA間の受信特性の差異を利用して,逐次干渉キャンセラにより効率的な信号分離を実現するものである.本研究課題の実施により,OAM伝送の6Gバックホール回線への適用性を明確化できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,第6世代通信システム (6G) の高速・大容量化の鍵を握るOAM多重伝送において,特に,受信特性の安定化を実現できる複数UCAを採り上げ,アンテナ軸ずれに起因した受信特性劣化の克服と伝送容量の拡大を,OAMモード間干渉 (IMI) の影響とUCA間の受信特性の変動に着目して,効果的・効率的に達成することを目指したものである.昨年度は,アンテナ軸に起因したIMIが隣接モードから深刻となる点に着目し,干渉モード数を限定した簡易IMI抑圧法を提案し,全ての干渉モード数を考慮した通常方式のシステム容量を保持しつつ,IMI抑圧の計算コストを大幅に削減できることを明らかにした.本年度は,まず,昨年度提案した簡易IMI抑圧に加えて,送信側において簡易なBFを適用し,送受信全体で伝送特性の改善を図る方式を提案した.具体的には,アンテナ軸ずれに起因した伝搬路の位相変動が,送信UCAの傾斜角と通信距離を用いたテイラー級数により近似できる点に着目し,送信BFウェイトを簡易に算出するものである.特性評価の結果,提案方式は,簡易IMI抑圧のみの従来方式と比較して,送受いずれのUCAに傾斜が生じても,良好な伝送特性を効率的に得られることがわかった.さらに,アンテナ軸ずれだけでなく,大地反射波が存在する現実的な電波伝搬環境を想定し,簡易IMI抑圧に加えて,送信側のモード制限により伝送特性を改善する方式を提案した.具体的には,大地反射波に起因したIMI が高次モードになるほど深刻となる点に着目し,送信モードを低次モードのみに集中させるとともに,残留するIMIを簡易IMI抑圧により除去するものである.特性評価の結果,搬送波周波数に関わらず,提案方式がアンテナ軸ずれと大地反射波によるIMIを効果的に抑圧でき,簡易IMI抑圧のみの場合よりもシステム容量を大幅に向上できることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本研究課題の目的であるOAM多重伝送のアンテナ軸ずれと容量拡大の実現を目的として,アンテナ軸ずれ対策に有効な送信BFの適用と大地反射波に起因したIMI抑圧技術の両方を提案し,その有効性を検証できたことが最大の成果であり,目的達成に向けて順調に検討が進捗している.今後は,複数UCAを想定した軸ずれと反射波の対策技術について検討を進めていく予定である.また,随時,研究成果がまとまり次第,国内外の学会において発表を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,アンテナ軸ずれや大地反射波といった現実的な電波伝搬環境がOAM多重伝送へ与える影響を明らかにするとともに,その影響を軽減できる技術提案を行った.今後は,本年度,特性評価の前提とした単一UCAではなく,複数UCAにシステム構成を拡張し,MIMOをベースとした信号処理に関する新たな提案を行う予定である.具体的には,下記の項目について研究を進めるとともに,その成果を国内外の学会で発表する予定である. (1) QRM-MLDを適用したOAM-MIMO方式の伝送特性評価 複数ストリーム伝送を実現するMIMOの受信側におけるストリーム分離法として,低演算コストでMLDと同様のダイバーシチ利得を獲得できるQRM-MLDを採り上げ,OAM-MIMOに適用するとともに,そのシステム容量を評価する.特に,QRM-MLDを用いたOAM-MIMOのシステム容量をMLD及び最大比合成利得に基づくシステム容量を比較することにより,その有効性を評価する. (2) 現実的な電波伝搬環境下を想定したOAM-MIMOのモード間干渉抑圧法の提案 アンテナ軸ずれや大地反射波といった現実的な電波伝搬環境では,モード間干渉が深刻となることから,その対策として,本年度,送信側のモード制限と受信側の簡易干渉キャンセラを組み合わせて,簡易にモード間干渉を抑圧する技術を提案するとともに,その有効性を明らかにしてきた.来年度は,昨年度の検討の前提であった単一UCAを複数UCAに拡張し,モード間干渉技術の高度化を図る.具体的には,単一UCAから複数UCAに拡張した場合のモード間干渉の発生機構を明らかにするとともに,モード間干渉抑圧とストリーム分離を簡易かつ効果的に抑圧できる方式を検討し,その有効性を評価する.
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