肺実質の弾性計測のためのBラインエラストグラフィ法の開発
Project/Area Number |
22K04120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江田 廉 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (40734273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 隼人 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 助教 (40833306)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | Bライン / 肺エコー / せん断波エラストグラフィ / POCUS |
Outline of Research at the Start |
本申請では肺実質の弾性計測技術の確立と動物を用いた評価実験を目的として研究を進める。本研究では、Bラインと呼ばれる特有の線状アーティファクトに着目し、従来の肺エコーでは測定できなかった肺実質の弾性を計測しようとするものである。まず、映像化原理の確立、信号処理法の精度評価、分解能向上を図る。次にBラインを生じる体表-肺組織の模擬ファントム作成技術を確立し、ファントム実験を行う。最後に動物実験による評価実験を行い、簡便で定量性に優れ救急医療の現場でも使える肺実質弾性計測技術の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルスCOVID-19をはじめとする肺疾患は血液のガス交換を行う肺胞に液体が貯留することにより肺本来の機能が失われる疾病であり、診断法として胸部X線CTが使われる。しかし時々刻々悪化していく病状を、患者を移動せずにベットサイドで診断したいという臨床要求は非常に強い。本研究は体表から周波数100Hz程度の低周波振動を加えた時に、肺実質を伝わるせん断波を超音波で測定し、せん断波の伝播速度から肺実質の弾性を計測する新たな方法を実現する。従来注目されなかった信号源の特徴に着目した肺実質の弾性計測法は、簡便で定量性に優れ救急医療の現場でも使える新たな医用診断法の実現に繋がる。 2022年度は以下の研究を行った。Bラインせん断波伝播速度推定法の確立を目的とし、せん断波伝播モデル構築およびファントム実験を行った。胸膜直下の液体貯留された肺胞内の多重反射を想定し、多重反射信号がせん断波伝播によるドプラシフトの影響を受けるモデルを構築した。また、複数のBラインから位相差推定を行うことでせん断波速度推定が可能となるため、その実装を行った。 ファントム実験については、Bラインを生じる体表-肺組織の模擬ファントム作成技術の確立に取り組んだ。まずBラインを生じさせるための液体貯留肺胞模擬材質を選定し、肺実質の模擬については肺実質の線維化評価のため、スポンジ構造を有し硬さに差を生じさせる方法を検討した。さらに含気スポンジでは超音波を用いた通常の方法では硬さの定量が難しいため、提案法との数値比較のため弾性計測する方法を検討した。さらに不完全なBラインや奥行方向に短いBラインを生じるためのファントムを用いたせん断波速度推定の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の成果は、Bラインせん断波伝播速度推定法の確立に留まらず、応用開拓に向けた研究としてファントム実験による基礎検討を推進できた点が挙げられる。 まず、測定原理の確立については、本手法の特徴であるBラインアーチファクトを利用することにより、従来注目されなかった信号源の特徴に着目し、複数のBラインから位相差推定を行うことでせん断波速度推定が可能となることを確認した。 ファントム実験については、体表-肺組織の模擬ファントム作成について、Bラインを発生させる基本構造の確立だけでなく、肺実質の硬さを変えたファントムの作成が可能となった。さらに含気スポンジでは超音波を用いた通常の方法では硬さの定量が難しいため、提案法との数値比較のため、弾性計測する方法として応力緩和を測定する方法を考案し、直接比較できない超音波測定との比較を可能とした。 これらの得られた成果を取りまとめ、学術論文誌で発表した。 今後、動物実験への展開をさらに進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度の研究成果を展開し、動物実験への適用を行う。さらに応用開拓に向け、せん断波速度以外の新たな情報の取得に取り組む。まず動物実験への適用では、ヤギの肺繊維化モデルを作成し、炎症肺の弾性評価に取り組む。肺の炎症を引き起こすブレオマイシンを、気管支鏡を用いて麻酔下のヤギの気管支内に散布し、Bラインが見られた個体に対し本手法を適用する。動物実験では、救急医療への展開を見据え、可搬型のタブレットエコー装置を使用する。医学を専門とする共同研究者とともに実験動物での評価を行い、提案法の有効性を明らかにするとともに、本システムを用いた計測の諸課題について検討する。 応用開拓については、せん断波速度だけでなく、せん断波伝播の減衰に基づき、胸壁から肺組織にかけての粘弾性特性を計測するため、せん断波の振幅測定に取り組む。 これら成果をまとめて内外の関連学会で報告する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)