酸化ガリウム低指数面の清浄・吸着表面の原子構造と電気特性
Project/Area Number |
22K04177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
花田 貴 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (80211481)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 酸化ガリウム / ワイドギャップ半導体 / 表面構造 / 全反射高速陽電子回折 / 表面・界面構造 / 接合 / 電気特性 |
Outline of Research at the Start |
酸化ガリウム(Ga2O3)はワイドギャップ半導体として有望なGaNやSiCよりさらに大きな4.8 eVのバンドギャップを持ちパワーデバイス材料として期待されている。酸化ガリウムのデバイス応用には金属や絶縁体との接合をつくる必要がある。本研究ではβ- Ga2O3の(100)、(010) 、(001)、(-201)面などの低指数面の清浄表面とそれらにAu、Cu、Ti、Ni、Al、Inなどの金属を吸着された表面について、全反射高速陽電子回折(TRHEPD) と反射高速電子回折(RHEED)による構造解析を行い、電気特性と界面原子構造の関係を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はβ- 酸化ガリウム自体の持つ優れた特性から期待される潜在的なデバイス性能を限界まで引き出すために必要となる電極や誘電体との理想的な界面構造の実現を目指して、2種のIII族サイトをつβ- 酸化ガリウムの表面および金属やその酸化物との界面で安定となる原子構造はどのようなものか、どのような原子間相互作用によってそれらの構造ができるのかを解明することである。今年度は(010) 、(001)、(-201)面というデバイス作製に用いられている代表的な低指数面について真空中加熱で得られた清浄表面の全反射高速陽電子回折(TRHEPD)測定を高エネルギー加速器研究機構(KEK)・物質構造科学研究所・低速陽電子実験施設で行った。単斜晶であるβ- 酸化ガリウムをはじめとする任意の結晶構造の表面原子配列に対してTRHEPDと反射高速電子回折(RHEED)の動力学的回折計算ができるソフトを作成し公開した。さらに視射角走査と方位角走査の複合的な走査条件下での複数の回折点の強度曲線について、すべて同時に実験を再現できる原子構造を探索するR因子最小化ソフトを作成した。今年度は実験結果の蓄積と解析ソフトの作成までを主に行った。鏡面反射強度曲線のみを用いた表面垂直方向に限った予備的な構造解析によると、真空加熱表面の原子配列は単純なバルクの切断面では無く、ガリウムと酸素の表面原子欠損と原子変位を大きく変調させることで実験結果を再現できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに(010) 、(001)、(-201)面について真空中加熱で得られた清浄表面のTRHEPD測定を行った。視射角と方位角を走査して0.1度ごとに回折パターンを記録した。任意の結晶構造の任意の表面原子配列に対してTRHEPDとRHEEDの量子力学的多重散乱回折強度計算ができるソフトを作成し公開した。さらに視射角走査と方位角走査の複合的な走査条件下での複数の回折点の強度曲線について、R因子をレーベンバーグ・マルカート法で最小化する表面原子構造探索ソフトを作成した。各面方位の試料について真空中での最大加熱温度を順次上昇させ室温に戻してTRHEPD測定を行った。1000℃付近の真空中加熱により表面の炭素を取り除けることをオージェ電子分光で確認した。(010) ではバルクの2倍周期、(-201)面ではバルクの3倍周期の表面再配列構造が現れることを低速電子回折(LEED)、RHEED、TRHEPDで確認した。回折パターン上での、鏡面反射(00反射)スポットの位置を追跡するソフトを作成し、鏡面反射強度のみを用いた表面垂直方向の構造解析を行った。その結果、真空高温加熱表面ではガリウムと酸素の表面原子欠損と原子変位が顕著であることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
当面の最重要課題として鏡面スポットだけでなく、複数スポットの強度解析を行って解析の信頼性を高められるようにする。そのためにまず、試料面方位と入射ビームの視射角・方位角に従って変化する回折パターン上での、各回折スポットの位置から指数付けを行い、回折強度がごく弱い入射条件でもスポットの位置を推定・追跡してバックグラウンドを除いた積分強度曲線を求める作業を自動化するソフトを作成する必要がある。次に、物理的な事前知識を活用して物理的に意味のある構造解析ができるように動力学的強度解析ソフトの改良を行っていく。β- 酸化ガリウムはバルク自体の構造パラメータが多い上に、真空加熱清浄表面では原子欠損などが誘起され未知のパラメータが非常に多くなる。そのためR因子で判定した最適構造が本当に信頼できるものであるか判断が難しい。必要に応じてシリコン表面などの既知の構造のTRHEPD構造解析を並行して行い、RHEEDとの比較などを行いTRHEPDの特徴を明らかにし、TRHEPDという実験手法と解析ソフトの発展と信頼性の確立を目指す。このようにTRHEPDという手法を発展させた上で、β- 酸化ガリウムの清浄表面だけでなく、金属吸着表面などの構造解析を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)