Comprehensive Search for Novel Antiperovskite Superconductors by Bulk Combinatorial Method
Project/Area Number |
22K04193
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊豫 彰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 上級主任研究員 (50356523)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 超伝導 / アンチペロブスカイト / コンビナトリアル / 新物質探索 / リン化物 / Ba6Pt19-xB16-y / トポロジカル超伝導体 / スピン軌道相互作用 / コンビナトリアル法 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、人材が減少する日本の材料研究を活性化するために、革新的・高性能な材料をより効率的に開発する方法の確立を大きな目的としている。 解決手段としてマテリアルズ・インフォマティクスの研究が盛んであるが、それと対極的な手段として、コンビナトリアル法による新超伝導物質探索法を提案・実施し、成果を挙げてきた。 本研究課題では、この研究をさらに押し進めて、アンチペロブスカイトAM3X (A =アルカリ土類など、M = 白金族など、X = ニクトゲン)にターゲットを絞ってバルクコンビナトリアル法による網羅的探索を行い、AM3X 物質系の全貌並びにそこに存在する新規超伝導物質を世界に先駆けて解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、X = P, B, Cなどの軽元素を中心に探索した。その結果、アンチペロブスカイト型新規化合物として、EuPd3P, CePt3P(高圧合成), LaRh3P(高圧合成), CePd3P, YRh3P1-x (x = 0.3~0.4)を発見した。さらに、アンチペロブスカイト関連新規化合物(Mo3Al2C型)として、Li2Pd3P, Na2Pd3P, Li2Pt3Pの合成にも成功した。Na2Pd3Pは、化学量論比から組成をずらすことにより、約6 Kの超伝導を示すことが判明しているが、詳細は現在研究中である。その他の新規化合物として、Mg4Ir7P6 (Mg4Rh7P6型), Na5Ir19P12(Ca5Ir19P12型), Li6Ni16P7 (Mg6Cu16Si7型) CaNiP (AlB2類縁)を合成できた。その他にも、幾つもの構造不明な物質の生成を確認した。三元系A-M-Xに相当数の未発見物質が存在すると考えられる。 また、X = Bとしたときの探索過程で、三元系Ba-Pt-Bに新規化合物が生じることを見出した。この新物質について、純良試料の合成から組成分析、結晶構造解析までの詳細な研究を集中的に行った結果、立方晶系の空間群(I-43m, a = 1.11093(1) nm)を有する新物質Ba6Pt19-xB16-y(x = 1.6, y = 4)を突き止めた。Ba6Pt19-xB16-yは、Pt-Bからなる籠にBa6Pt八面体を収容するという特徴がある新しい構造プロトタイプの物質であった。さらに、この物質が約0.9 Kで超伝導を示すことも発見した。Ba6Pt19-xB16-yは、非対称中心構造を有すること、スピン軌道相互作用が強いPt元素から構成されることから、トポロジカル超伝導体としての候補にもなり得る興味深い物質である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンチペロブスカイトAM3X (A =アルカリ土類など、M = 白金族など、X = ニクトゲンなど)に対して、バルクコンビナトリアル法による網羅的探索を研究計画に従って実行している。これまで、比較的軽元素であるX = As, P, などについて探索を実施し、その結果として、幾つもの新規アンチペロブスカイト物質を発見できている。また、コンビナトリアル探索の特徴である予期しない発見(2022年度は新規超伝導体Ca2Pt4As3、2022年度は新しい構造プロトタイプ超伝導体Ba6Pt19-xB16-y)もできている。 さらに、バルクコンビナトリアル探索過程で、Naの存在下でグラファイト層間化合物が加速的生成することを予期せず発見した。この発見を元にした研究も展開中である。以上の事から、本研究課題は、おおむね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
未解決課題の一つとして、2022年度に発見した新規超伝導体Ca2Pt4As3の結晶構造解明がある。Ca2Pt4As3については、結晶構造の空間群と格子定数は明らかにできているものの、原子座標などの内部構造が不明のままである。この物質の結晶構造が、大きな単位胞の単斜晶系であることが、その解明を困難にしている。今後、透過型電子顕微鏡による高解像度の原子像の計測などを外部に依頼するなどして構造解明を進めて行きたい。 主たる課題である探索については、今後その範囲を重元素X = Sb, Biへと計画的に広げていき、最終的にAM3X物質系の全貌解明へと繋げていく。また、バルクコンビナトリアル法による探索の特徴である予期せぬ新規超伝導物質の発見ができるように数多くの実験を実行する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
-
-
-
[Presentation] 非中心対称構造を有する新規超伝導体Ba12Pt38-xB32-yの合成と物性2024
Author(s)
越沼 輝成, 伊豫 彰, 藤久 裕司, 後藤 義人, 白川 直樹, 長谷 泉, 川島 健司, 石田 茂之, 永崎 洋, 荻野 拓, 西尾 太一郎
Organizer
日本物理学会2024年春季大会
Related Report
-
-
-
-