伝搬型・局在型表面プラズモン共鳴電界増強を利用した高感度有機ホトトランジスタ
Project/Area Number |
22K04238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新保 一成 新潟大学, 自然科学系, 教授 (80272855)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
皆川 正寛 長岡工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (20584684)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 表面プラズモン / 有機ホトトランジスタ / グレーティング / 金属微粒子 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、表面プラズモンの強電界を用いて有機層の光吸収を増強し、高感度有機薄膜ホトトランジスタを作製する。特に、グレーティングカップリングによる金属薄膜上の伝搬型表面プラズモンを利用し、金属微粒子による局在型の表面プラズモンを複合化することで、格段の高感度化を実現する。アルミナ絶縁層やパッチ状金属膜、デュアルゲート構造の利用、感光性ゲート電極などにより有機層と金属薄膜間距離を大幅に近づけることで、伝搬型表面プラズモンの電界を利用する。この研究により、従来を大きく上回る表面プラズモンの有効利用法を確立し、実用的な高性能光検出素子の実現と普及につなげる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、表面プラズモン(SPR)の強電界を用いて有機層の光吸収を増強し、高感度な有機薄膜ホトトランジスタを作製することを目的としている。特に、グレーティングカップリングによる金属薄膜上の伝搬型表面プラズモン(PSPR)を利用するとともに、金属微粒子による局在型の表面プラズモン(LSPR)を複合化することで、格段の高感度化を実現することを目指す。アルミナ絶縁層やパッチ状金属膜、デュアルゲート構造の利用、感光性ゲート電極などにより有機層と金属薄膜間距離を大幅に近づけることで、SPRの電界を利用する。この研究により、従来を大きく上回る表面プラズモンの有効利用法を確立し、実用的な高性能光検出素子の実現と普及につなげていく。 これまでに、PSPRを利用するためグレーティング構造上にアルミニウム薄膜を堆積した素子について検討を進めてきた。PSPRは、グレーティングベクトルの方向の成分を持つ偏光を入射し、波数整合させることで励起できる。アルミニウム薄膜をゲート電極とするとともに、その上の酸化膜を絶縁層として、活性層にペンタセン、トップ電極に金薄膜を設けた構造とした。素子の光反射特性においてPSPRの励起波長は入射角とともに青色領域の波長にシフトすること、また光伝導特性の光波長依存性において青色領域で顕著な応答が観測されることを確認した。これより、高角度側の光入射によりペンタセンの光感度が高い青色波長領域でPSPR励起され、ホトトランジスタの大きな応答が得られると考えられた。現在、素子構造の最適化のため絶縁層や有機層の膜厚依存性について調べている。LSPRについても、金微粒子を表面にパッチ状に形成させた素子とすることで、オフ電流の増加を防ぎつつ光応答を増強できることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度まで、有機材料として主にペンタセンを用いてホトトランジスタを作製し、PSPRを用いて素子を高感度化できることを明らかにしてきた。これに関連して、光入射角とPSPRの励起波長、感度の関係が得られた。また、LSPRの寄与についても検討し、パッチ状構造での金属微粒子堆積がオフ電流を低減して高感度化に有効であるという結果が得られている。これらの結果は、国内学会(応用物理学会 第70・71回春季学術講演会、第84回秋季学術講演会など)において対外的に発表したほか、国際会議(The 11th International Conference on Molecular Electronics & Bioelectronics, 2024.6)でも発表予定である。現状までにおおむね期待通りの成果が得られており、今後も研究の進展が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究において支障は生じておらず、当初の計画通り研究を続けていく。これまでの素子構造について各薄膜の膜厚の最適化や材料の探索を行っていくほか、有機層にグレーティング構造をインプリントする形でトップゲート電極における表面プラズモン励起を行い、従来法の素子との比較を行う。他にも、デュアルゲート金属膜におけるPSPRや複数種類の金属微粒子を利用して、さらなる高感度化が可能か検討する。これに加え、これまで得られた素子構造の知見をもとにフレキシブル素子の作製を行う。以上の研究成果を国際・国内学会にて発表するほか、学術論文へ投稿を準備中である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)