Project/Area Number |
22K04252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
宮澤 優 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙探査イノベーションハブ, 研究開発員 (90746942)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 太陽電池 / 宇宙応用 / 放射線 / 放射線耐性 / 宇宙 |
Outline of Research at the Start |
放射線耐性が高く軽量膜膜で高効率な太陽電池を低コストで実現できるペロブスカイト太陽電池の宇宙応用に向けて,放射線がペロブスカイト結晶に及ぼす影響の理解は,宇宙機設計,すなわち,放射線遮蔽用導電性カバーガラスの選定や太陽電池パネルサイズ設計に必要である.本研究の目的は,放射線によってペロブスカイト結晶中に発電性能の低下を及ぼす欠陥が導入されるのか,導入されるとしたら欠陥は回復するか否かを明らかにすることである.温度制御したペロブスカイト太陽電池に陽子線を照射し,照射直後から発電特性の変化が安定するまで,照射チャンバ内において,ペロブスカイト太陽電池の発電性能の時間変化の評価を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、軽量薄膜で放射線耐性が高い太陽電池を低コストで実現できることから、宇宙応用が期待されている。PSCは高い放射線耐性を有することが明らかになっているものの、その理由の詳細は不明である。本研究の目的は、「放射線によってPSCの発電性能の低下を及ぼす欠陥が導入されるのか、導入された欠陥は回復するのか否か」を明らかにすることである。 本研究では、(1)照射用真空チャンバ内太陽電池特性測定システムの確立、(2)室温下におけPSC照射試験の実施、(3)照射ステージ温度制御システムの確立、(4)温度制御下におけるPSC照射試験の実施 のステップで研究を進める計画である。研究初年度は(1)と(2)について実施し、2年目である本年度は(3)と(4)について実施した。以下に詳細を示す。 (3)サンプル温度を-65℃に制御した状態で放射線照射試験並びに電気特性取得を行うため、液体窒素を用いて照射ステージを数時間低温に制御する方法を確立した。 (4)(1)(3)で確立したシステムを用いて、PSCを-65℃に制御した状態で8MeV陽子線を照射し、一定照射量を照射した直後からのIV特性の時間変化を評価することを、各照射量で繰り返し実施した。室温下においては、1×10^14/cm^2という高い放射線量まで短絡電流の低下が見られず、PSCの発電性能の低下を及ぼす欠陥がペロブスカイト結晶に導入されていないことを確認したものの、-65℃においては、照射量1×10^14/cm^2で顕著な短絡電流の低下が見られた。本評価においては、低温特性を考慮して室温下での照射試験時とサンプル構成を変えているため、今後は同一サンプルを用いて複数の温度条件にて詳細な評価を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初から研究2年目までで(1)~(4)を実施し、3年目にデータの追加取得、成果のまとめを行うことを計画していた。おおむね計画通りの進展である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、放射線照射時のサンプル温度によって放射線耐性が異なる、すなわち一定温度以上ではアニールが起こっている可能性が示唆されたものの、サンプル構成の一部が異なるため、サンプル構成による影響と温度条件による影響の切り分けができていない。同一サンプルにて、異なる温度条件での放射線照射試験を行い、サンプルの温度特性を考慮して考察を行うことで、ペロブスカイト太陽電池の放射線下での振る舞いの詳細を明らかにする。
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