Rational maintenance method of prestressed concrete bridge considering stress corrosion cracking of prestressing steel wires
Project/Area Number |
22K04259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森川 英典 神戸大学, 工学研究科, 教授 (70220043)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | プレストレストコンクリート / 橋梁 / PC鋼材 / 腐食 / 破断 / 応力腐食割れ / 維持管理 / 構造信頼性 / プレストレストコンクリート橋 / 鋼材 / モニタリング |
Outline of Research at the Start |
既設プレストレストコンクリート(PC)橋は,グラウト充填不足など初期欠陥を有すること,鋼材の定着端部からの凍結防止剤に起因する塩水が浸入すること,などの要因により鋼材の腐食・破断が多発している.また外観目視による鋼材腐食の検出が困難であることにより破断に至っている.そこで,本研究ではこれらの課題に対して,鋼材の腐食・破断や橋梁の破壊に至るまでの劣化メカニズムを明らかにし,鋼材腐食・破断劣化を有するPC橋の構造信頼性評価法を検討するとともに,各種センサーを用いたモニタリング手法を併用することにより,橋梁挙動の情報に基づく構造信頼性評価を考慮した合理的維持管理手法の総合化と体系化を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,まずPC鋼線の脆性破断メカニズムを解明するため,コンクリート橋内部の環境として考えられる苛性ソーダ(NaOH)環境に着目して応力腐食割れ試験を行った.電食により導入した切欠きを有するPC鋼線を用いて,NaOH(110℃,35wt%)水溶液環境下で,添加剤として,PbO, Al2O3, NaNO3, KMnO4の4種類について考慮して応力腐食割れ試験を実施した.その結果,PbOを0.2wt%添加した場合に,PC鋼線の長手方向横すべり破面の兆候が見られることを確認したものの,実構造物や硝酸塩脆化割れと比較して,すべり長さが小さくなった.そこで,それまで,初期荷重をゼロとしてその後漸増荷重を載荷する条件を,初期荷重を設計荷重とし,その後,応力集中を想定した漸増荷重を載荷する条件に変更して試験を数体について実施した結果,その中の1体について,すべり長さのやや大きな破面を有する破断が発生したことを確認した. また,PC鋼より線束の腐食特性および腐食程度と機械的性能低下の関係を明らかにするために,実橋梁の曲げ上げ部で発生するグラウト境界を模擬したPC鋼より線束に促進腐食を行い,腐食分析評価を行った.さらに,促進腐食したPC鋼より線を用いて引張試験を行い引張性能の低下を評価した.既往研究において作成したPC鋼線束の腐食モデルの他に,本研究で検討したPC鋼より線束の腐食特性と引張性能低下の結果を用いてPC鋼より線束の腐食劣化モデルを構築した.そして,PC鋼より線束の腐食劣化モデルを用いて鋼材劣化の生じた既設高速鉄道PC桁橋の構造安全性について検討を行い,腐食程度と安全性との関係を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PC鋼線の脆性破断メカニズムの解明については,苛性ソーダ環境に着目し,温度,添加剤,荷重条件について検討した結果,実構造物で生じている長手方向にすべり破面を伴う脆性破断が生じることを明らかにするためのきっかけを得ることに成功した. PC鋼より線束の腐食特性の評価については,従来,検討事例がなかったPC鋼より線束の腐食特性を明らかにするための実験を,予定通り,実施でき,腐食特性の把握,モデル化を行うことができた. PC鋼材の腐食を考慮した既設PC桁の構造信頼性に関する検討についても,現段階で作成したPC鋼より線束の腐食モデルを考慮して,ほぼ予定通り,解析評価することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
PC鋼線の脆性破断メカニズムの解明については,2022年度の成果を基本とし,切欠き形状を変化させた試験体や塩水浸漬によって実際に腐食した試験体を用いて検討を行う予定である.2022年度の試験の再現ができない場合には,新たな添加剤(たとえば硫酸イオン)についても検討する. PC鋼より線束の腐食特性の評価については,PC鋼線束内でのマクロセル腐食などさらに詳細な腐食特性について検討する予定である.PC鋼材の腐食を考慮した既設PC桁の構造信頼性に関する検討については,既設橋梁においてPC鋼線束のさらに詳細な腐食モデルの考慮,応力腐食割れによる破断の考慮,外ケーブル張力モニタリング結果を用いたひび割れ特性に着目した構造信頼性について検討する予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)