浸透により形成されるゆるみの学術的体系化と予防保全策の検討
Project/Area Number |
22K04312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22030:Geotechnical engineering-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 真理 島根大学, 学術研究院環境システム科学系, 助教 (60749183)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ゆるみ / 貫入試験 / 内部侵食 / 浸透 / ボイリング / 地中空洞 / 貫入抵抗 |
Outline of Research at the Start |
地盤内の低密度領域(通称「ゆるみ領域」,低貫入抵抗により確認される)は,様々な形成プロセスがあり,災害発生後の地盤においてよく発見される.地盤内浸透に伴う侵食や変形によるゆるみを一つの現象として統合分類して評価をし,既存の土質工学の指標や定数により影響を明らかにするとともに,ゆるみ領域の再被災を防ぐ技術の開発を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,ゆるみを引き起こすパイピングやボイリングについて,特に堤体表層が難透水性であり,内部に透水性の基盤層がある場合について既往の知見を基に研究を行った.具体的には既往の研究では,堤体表層の難透水層の細粒分が長時間の浸透により粗粒な透水性の基盤層に流出し,表層地盤の粒度分布が変化して目詰まりが発生することで,二層の境界付近での動水勾配がやや上昇することが示された. 本研究はこの知見を活かし,河川堤体内での水位変動や降雨による,浸透の繰り返しによる細粒分移動の影響を考慮し,細粒分が堤体内部で移動した条件でのパイピング危険度について,実スケールの河川堤体を模擬した浸透流解析による評価を行った.その結果,難透水層が薄く堆積する箇所において,細粒分移動が事前に発生した条件では,均一な地盤に比べて透水性基盤層と接する表層の難透水層内で動水勾配が局所的に上昇し,パイピング危険性が増す可能性が示された.そのためゆるみを引き起こすパイピングやボイリング現象を考慮する際に,それまでの浸透履歴による粒度組成の変化も考慮する必要があることが示された. 本研究では地盤のゆるみに着目しているため,地盤内でのゆるみを引き起こすボイリング現象について,影響を再現するために,一次元模型装置の制作を行った.試作段階であり今後の改良が必要であるが,様々な地盤条件に対して計測装置を組み合わせて実験を行うことで,ボイリング発生時の地盤内部の変形挙動を定量的に把握することが可能になると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は既往の研究を基に,実堤体での内部侵食によるパイピング危険度増加の可能性を,浸透流解析により示すことが出来た.そのため一定の成果を挙げることができたが,ゆるみそのものを模擬した浸透実験に関しては,装置の開発や部品の調達に時間を要し,本年中の試験開始までには至らなかった.そのため進捗状況はやや遅れていると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,今年度開発中の実験装置を完成させ,様々な地盤条件でゆるみの形成状況を定量的に把握する試験を実施する予定である.実験結果をまとめて,実地盤との関連を明らかにする.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)