Real-time Artificial Intelligence (AI) Prediction of Seepage Failure and Evacuation Assistance by Structural Health Monitoring of River Levees
Project/Area Number |
22K04313
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22030:Geotechnical engineering-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹下 祐二 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (90188178)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 河川堤防 / 構造ヘルスモニタリング / 現地計測 / 回帰モデル / データ前処理 / 深層学習 / スパースモデリング / 浸透流 / 降雨浸透 / 土中水分量 / 原位置透水試験 / 浸透破壊 / 河川防災 |
Outline of Research at the Start |
河川堤防の浸透破壊現象を把握し,その危険性を的確に予知するために,IoTを活用した構造ヘルスモニタリング技術を用いて,堤防内の浸透状態や堤体の変状を多点かつ面的に常時監視することによって,堤防の浸透現象に起因する動態特性を明らかにする。そして,堤防内に発生する浸透および変状のパターンをAIモデルに認識・学習させ,洪水時には,堤防破壊に至る予兆を準リアルタイムで予測し,それらを可視化した情報を近隣住民へ伝達する。これらにより,『逃げ遅れゼロ』を達成できる河川防災システムの実用化提案と社会実装を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
河川堤防の構造ヘルスモニタリングを実施することにより,従来の堤防の維持管理技術と防災技術を対症療法型から予防保全型への転換する技術提案の実用化によって,堤防災害の減災への貢献を研究目的としている。令和5年度の研究実績としては,3箇所の一級河川堤防において,河川水位や基盤透水層内の水位変動,堤体内の間隙空気,そして,のり面表層領域での降雨浸透による土中水分量の動態および傾斜変動に対する河川堤防のモニタリングを継続し,これらの計測事実を用いて,対象堤防において洪水時に発生する堤内基盤水位の変動や堤防内の浸透挙動を準リアルタイムで予測する回帰モデルの構築を行った。回帰モデルとしては,深層学習による非線形回帰モデルおよびスパースモデリングによる線形回帰モデルを採用した。 当該年度に実施した研究成果を以下に示す。 (1)対象堤防において過去の洪水時や平常期間の水位変動時に計測された堤内基盤水位と河川水位変動の関係を学習させた回帰モデルでは,学習した水位変動範囲外の外挿条件での予測精度が担保されない。そこで,学習させる水位データの前処理として,計測水位の標準化および水位変動量の差分を用いた回帰モデルを構築し,基盤水位の予測精度が大きく向上することを確認した。 (2)深層学習による非線形回帰モデルは,最適なモデル構造を感度解析によって決定する必要があるため,予測対象とする洪水事例に依存してモデル構造が異なり,水位予測精度が変化することが懸念される。 (3)スパースモデリングに基づく線形回帰モデルは構造が単純で,構築が容易であるため,少数の説明変数へと変数選択された線形モデルでは,個々の変数の妥当性が検討可能となる。そのため,河川堤防における基盤水位の回帰モデルに学習させるべき物理量を適切に選定した計測システムの構築に有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
河川堤防のヘルスモニタリングとして,実際の一級河川堤防における浸透挙動の連続計測および堤体構成材料の物性値の測定を行い,これらの計測事実に基づく堤防の回帰モデルの構築を行なっている。当該年度(第2年度)までに,以下の研究が進捗している。 3箇所の一級河川堤防において,河川水位や基盤透水層内の水位変動,そして,のり面表層領域での降雨浸透による土中水分量の動態および傾斜変動に対するモニタリングを継続し,これらの計測事実を用いて,対象堤防において洪水時に発生する堤内基盤水位の変動や堤防内の浸透挙動を準リアルタイムで予測する回帰モデルの構築を行った。回帰モデルとしては,深層学習による非線形回帰モデルおよびスパースモデリングによる線形回帰モデルを採用した。対象堤防において過去の洪水時や平常期間の水位変動時に計測された堤内基盤水位と河川水位変動の関係を学習させた回帰モデルでは,学習した水位変動範囲外の外挿条件での予測精度が担保されない。そこで,学習させる水位データの前処理として,計測水位の標準化および水位変動量の差分を用いた回帰モデルを構築し,基盤水位の予測精度が大きく向上することを確認した。また,堤防のり面表層の物性値である現場飽和透水係数について,プレッシャーインフィルトロメータ法(JGS 1319-2017)をベースにした変水位型原位置透水試験法を開発し,現場飽和透水係数を簡便かつ迅速に測定する原位置透水試験方法としての有用性と妥当性の検証を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策として,以下の課題に取り組む予定である。 (1)堤防ヘルスモニタリングとして,対象堤防の代表断面における河川水位,降雨量,堤体内の水位や土中水分動態,裏のり面での傾斜2軸変位などの原位置計測を継続する。これらの堤体内の浸透・変状動態に関する計測データを蓄積して,それらの相関性,タイムラクグや非線形性などの地盤工学的な特徴を探る。さらに,特徴的な河川堤防でのヘルスモニタリングとして,浸透水に起因した堤体内の間隙空気による堤防天端舗装や護岸の浮き上がり,およびこれに伴う破損が懸念されている三面張構の河川堤防において,気密性を有した観測井戸を設置して堤体内の間隙空気圧挙動を計測する。 (2)洪水時の河川堤防内水位を準リアルタイムで予測する回帰モデルの構築において,対象堤防における洪水時の水位計測事例が得られない場合には,平常期間に計測された水位変動を回帰モデルに学習させることになる。その場合,洪水時の水位予測は学習水位の外挿的に行われるため,水位予測精度の低下が懸念される。そこで,スパースモデリングによる線形回帰モデルを用いて,用いる計測水位の前処理(計測水位の標準化/水位変動量の評価および時系列データの選択など)が水位予測精度に与える効果を検討する。 (3)河川堤防において計測すべき物理量を適切に選定した計測システムによる堤防ヘルスモニタリングによって蓄積された堤防内の浸透挙動や変位などの計測値を認識・学習させ,過去の計測事例を再現できる地盤工学的な堤防モデルを作成する。そして,洪水時の堤防内水位予測モデルとしての実用性を有している回帰モデルの提案を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)