Project/Area Number |
22K04327
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
八木澤 順治 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (70549998)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 堤防越流侵食 / ヘッドカット / 難侵食層 / 河川堤防 / 越流 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,ヘッドカットの進行に大きな影響を与える難侵食層の出現深度の特性を,洪水外力特性,堤体特性と関連付けることで,越流後,早期に破堤に繋がるリスクの高い箇所を明らかにする.そのために,越流水深・堤体の粒度組成,裏法面勾配を変化させた室内模型実験を実施するとともに,それら影響因子が破堤リスクに与える度合いを数値解析手法も含めて明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,難侵食層の出現深度がヘッドカットを伴う堤体欠損過程に与える影響を明らかにすることで,越流後,早期に破堤に繋がるリスクの高い箇所を評価することが最終目的である.その最終目標に向けて初年度は,1)異なる裏法面勾配,難侵食層出現深度条件における堤体欠損特性の把握,2)堤防越流流れの流体解析と堤体欠損モデルの構築を実施した. 1)については,室内模型実験により裏法面勾配(1/2~1/4の3ケース),難侵食層出現深度(なし,1.5~4.5cmの4ケース)を実施し,越流中のヘッドカットの進行速度把握した.その結果,難侵食層が浅い位置にあるほど堤外方向への侵食の進行速度が大きくなることが確認された.一方,最も急勾配のケース(1/2)では,洗堀孔の発達に加えて法面の表層侵食が生じたため,難侵食層の出現深度によらず堤外方向への侵食の進行速度に大きな差は確認されなかったことから,難侵食層が緩勾配ほどヘッドカットの進展に大きな影響を与えることがわかった. また,2)について,当初の研究計画では堤体材料の相違(粘土・シルト含有率)を考慮した堤体欠損モデルを組み込むことを想定していたが,侵食により地形変化,ヘッドカットが形成された際の越流流れの解析を優先した.1)の実験結果を活用し,ヘッドカットが進行・停滞する条件を整理した.その結果,ヘッドカット地点のフルード数と下流側の湛水形成状況(ポテンシャルコア深さ/湛水深)によって,その後のヘッドカットの進行/停滞を判別できることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画していた実施項目は,1)室内堤防越流実験による,異なる裏法面勾配,難侵食層出現深度条件における堤体欠損特性の把握,2)流体解析と粘性土の影響を考慮した堤体欠損モデルの構築であった. 1)については,概ね計画していた実験ケースを実施できたことに加え,裏法面勾配によって難侵食層がヘッドカット進展に及ぼす影響が異なる事実も確認することができた. 一方,2)については,計画当初,堤防越流の流体解析に堤体材料の相違(特に粘土・シルト含有率)を考慮した堤体欠損モデルを組み込むことを想定していたが,実験から得られた侵食後の地形を用いた越流流れの流体解析の検証に大きく時間を要した. そのため,年度内に堤体材料の相違を考慮した堤体欠損モデルの組み込みは部分的に進めていたものの完遂させることができなかった.しかしながら,侵食により変化した地形での越流流れの解析は概ね実現象を表現できるようになったため,今後速やかに欠損モデルの組み込みを実施可能な状況にある. 上記より,概ね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の実験では難侵食層の出現深度に的を絞って,堤体欠損特性の把握を行った.しかし,堤体材料は場所によって大きく異なる.そのため,特に大きな変化が予想される粘土・シルト含有率を変化させた実験を追加することで適用範囲を拡大させる. 解析モデルを用いた検討については,初年度に組み込みまでできなかった堤体材料の相違を考慮した堤体欠損が評価可能にすることを優先する.また,2年目に実施する上記の粘土・シルト含有率を変化させた実験結果も活用しながらモデルの検証を行う.そのうえで,実験でカバーできなかった越流水深,難侵食層の出現深度の条件も含めて解析を実施する. 解析より得られた難侵食層の出現深度がヘッドカット進行に及ぼす影響を,越流水深規模と関連付けることで,越流後,早期に破堤に繋がるリスクの高い条件を明らかにすることに重点を置く.
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