Project/Area Number |
22K04333
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22040:Hydroengineering-related
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
神野 有生 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (30583760)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 写真測量 / 河道 / UAV / 撮影戦略 |
Outline of Research at the Start |
川の地形を定期的に測ることは、水害防止などのために大切であるが、従来の測量技術では労力や費用がかさむため、十分な頻度で地形が測られていない川が多いのが現状である。この研究では最近注目されている、ドローンを使って川の地形を簡便に測る技術について、陸地部分と水のある部分の両方を、できるだけ少ない写真の枚数で精度よく測るための撮影方法を開発する。具体的には、シミュレーションや現地での実験に基づいて、撮影方法の工夫や精度評価を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
河道のUAV写真測量(ドローンで撮った多数枚の写真を解析して、地表の形状を測る技術)において、できるだけ少数の写真で精度を確保できる撮影戦略の設計のため、本年度も昨年度に引き続き、①基礎的な知見を得るための陸上の平坦地に関する検討と、②実河道での実験、の両面で研究を進めた。 ①については、過去の現地実験(実際にドローンを飛ばして撮影し、撮った写真を解析して複数地点の座標を推定して、実測した座標と比較することによって精度を評価する実験)データの解析や、数値シミュレーション、そして数理的検討により、従来の標準的な撮影方法(一定ピッチ蛇行撮影;本研究で設計した河道の撮影戦略の参考にもなった)で得られる地表面の地形によくみられる非線形の系統誤差の原因を検討した。その結果、写真測量のSfMという過程で推定される一部のパラメータが数学的に不定に近い状態になることなどが明らかになった。 ②については、陸部と冠水部(水に覆われた部分:水底)を含む河道を対象とした現地実験を、昨年度と同じ河川の同じ区間で再度、ただし冠水部の精度検証も含めて実施した。その結果、標定点(座標を別途測っておいて既知とする地上の基準点)を完全に省略した場合、陸部でもかなりの系統誤差が見られたが、標定点を数点設ければ、十分な精度が得られることが確認された。これは昨年度と同様であった。また標定点を十分数設ければ、冠水部でも十分な精度が得られることが確認できた。標定点を用いない場合の系統誤差の原因については、河道が比較的直線的である場合に、一部のパラメータの推定が不安定になる(相対的に不定に近くなる)ことが疑われたが、現地実験データの解析だけではそれを十分に明らかにできず、CGシミュレーションを用いた検討を開始した。CGシミュレーションを活用して、撮影戦略の頑健化の検討も行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した目的に向けて、本年度も順調に成果が得られたと判断している。 交付申請書に記載した研究実施計画と比較すると、現地実験の後にその結果を踏まえたシミュレーションを行う順番に変更されているが、現地実験で発見された課題に対処するために有効なアプローチであると考えている。 また陸地に関する検討結果が、計画時の期待通り、実河道での撮影戦略のための基礎的知見を与える結果となった点も評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
陸地について、昨年度の時点では、「任意の形状・地形の対象領域について、適切な撮影ができるような撮影戦略の検討にまで踏み込み」たいと記したが、今年度の成果で、先に解明すべき不定性の問題(写真測量のSfMという過程で推定されるパラメータの一部が、数学的に不定に近い状態となり、推定精度が悪くなること)が明らかになった。撮影戦略の設計では、どのパラメータも不定にならず、むしろ不定になる条件から遠いようなカメラの配置(撮影位置・向き)を提案する必要があり、つまり先に不定性の条件の検討を進める必要がある。現在、数値シミュレーションと数理的検討を併用して、この検討を推進している。 最終年度には、この不定性の条件を明らかにした上で、現時点での河道の撮影戦略を必要に応じて強化し(河道に沿った方向の追加の撮影を加えるなど、できるだけ撮影枚数を増やさずに、パラメータの安定性を高め)、標定点なしでも十分な精度を与える撮影戦略を完成させることを目指す。
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