Project/Area Number |
22K04397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
松田 頼征 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 助教 (20763189)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 鋼構造 / 制振構造 / 合成梁 / ガセットプレート / 数値解析 |
Outline of Research at the Start |
ダンパーが取付く構面において、その接合部は柱・梁・ガセットプレート・補剛スチフナそしてコンクリートスラブが取付くことが典型である。しかし、スラブの影響に関する研究は僅少であり、設計においてもスラブの影響は工学的判断に基づいて無視されている。 本研究の目的は、鋼構造の制振構面における合成梁を対象にガセット・スラブ・梁軸力の影響度を実験と解析から明らかにした上で、最大耐力評価法を構築することである。 層間変形のみとダンパー力のみを受ける合成梁の載荷実験を個別で実施し、その後の解析検討から評価法を構築する。さらに、構築した評価法を既往の実験に適用し、精度を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
制振構造は、災害時に人命・財産を守ることや建物機能を維持することに優れ、ダンパーを取付けやすい鋼構造での適用例が増加している。一方、制振構造を損傷限界内に保つための設計・評価法は、部材を弾性と仮定することが多いが、実際には梁剛性に及ぼすコンクリートスラブ(以下、スラブ)の非線形性の評価や、ダンパーが取付く構面(以下、制振構面)のガセットプレート(以下、ガセット)に代表される接合部の耐力・剛性寄与の評価が難しい。さらに極大地震では、部材損傷による様々な非線形挙動が起こり得るが、その詳細や相互作用は未だ明らかになっていない。本研究は、鋼構造の制振構面における合成梁を対象に、層間変形とダンパー力を個別で与えた載荷実験を実施し、ガセット・スラブ・梁軸力の影響度を解析検討を踏まえて明らかにした上で、最大耐力評価法を構築する。 本年度は層間変形のみをうけるコンクリートスラブ(以下、スラブ)付き縮小制振構面の載荷実験を有限要素解析で再現した。解析モデルは、鉄骨部分とスラブをシェル要素、頭付きスタッドを梁要素で再現している。材料構成則は、材料試験結果と押抜き実験に基づいてバイリニア型とした。 θ=±1/33までの層せん断力‐層間変形角関係に関して、解析値は実験値に対して、初期剛性で正・負載荷の順にそれぞれ0.95・0.94倍、最大耐力でそれぞれ1.06・1.04倍であり、解析は実験を精度良く再現した。鋼梁・スラブの歪分布についてもよく再現できた。 荷重変形関係と歪挙動をよく再現できる解析モデルを作成したので、これを用いて実験での計測が難しい箇所の挙動(例えば、ガセットプレート、頭付きスタッド、スラブ)を把握した。また、2023年度に実施するダンパー力のみが作用する場合の解析も実施し、計測方法などの検討をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
層間変形のみをうけるスラブ付き制振構面の検討については、解析を実施し、荷重変形関係や歪挙動を高い精度で再現することができた。当初、ダンパー力のみをうけるスラブ付き制振構面の載荷実験も2022年度に実施する予定であったが、鋼材価格の高騰や治具設計の見直しがあったため次年度に実施することにした。 実施計画どおりではないが、実施する時期を入れ替えたのみであるため、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、ダンパー力のみをうけるスラブ付き縮小制振構面の載荷実験を実施する。まずはスラブなしの状態で載荷実験を実施し、その後スラブを打設してから、スラブ付きの状態で載荷実験を実施する。さらに2022年度で作成した解析モデルを活用して、歪挙動に関して実験値との整合性を確認する。その後、ダンパー軸力による合成梁の全塑性耐力の変化と付加曲げの影響について検討する。さらに、スラブの歪挙動に基づいて、合理的な合成梁の剛性・耐力の評価法の検討、およびスラブ有効幅の設定方法など検討していく。
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