Evaluation of durability performance of high durability concrete using slag aggregate
Project/Area Number |
22K04399
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
清原 千鶴 東京理科大学, 工学部建築学科, 講師 (00284787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章夫 日本工業大学, 建築学部, 助教 (20882418)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 金属系スラグ細骨材 / 環境温度 / 反応層 / 強度 / 収縮 / 高耐久性能 / スラグ系骨材 / セメントフリー / 中性化 |
Outline of Research at the Start |
近年,鉄ならびに非鉄金属を製錬する際に副生される高炉スラグおよび非鉄金属スラグをコンクリート用骨材(以下,金属系スラグ骨材)として使用することにより,強度増加効果,収縮低減効果,中性化抑制効果が得られる研究データが示されている。このことから,地球環境問題の観点のみならず,省資源型の高耐久性材料としての有効利用が考えられる。 そこで,本研究では,金属系スラグ骨材を用いた省資源型高耐久性コンクリートの実用化を目指し,金属系スラグ骨材に形成される反応層に着目し,これらのコンクリートの耐久性能向上メカニズムを明らかにするとともに,それらの性能評価手法を提案するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
金属系スラグのコンクリート用骨材としての有効利用が考えられる。コンクリート用骨材として用いることで,資源の有効利用,代替骨材としての安定供給などの環境面でのメリットがある。しかしながら,現在もコンクリート用骨材として積極的に利用されていないのが現状である。その要因として,耐久性に関するデータ不足,高炉スラグ細骨材の品質管理等の課題があげられる。品質管理が困難な理由として,高炉スラグ細骨材は潜在水硬性を有しているためである。この特性は,骨材が水を含んだ状態で放置しておくと自ら水和反応を起こし,自ら固結する現象である。 初年度は①温度環境条件(積算温度)と骨材変質の検討,②骨材変質がコンクリートの収縮特性に与える影響に関し実験的に検討をした。 その結果,(1)高炉スラグ細骨材に積算温度を与えると,表面から変質していくことが確認できた。(2)圧縮強度試験の結果,OPC・BFSは養生方法・期間によって同様の強度発現性能が得られた。(3)強度試験(圧縮強度試験・割裂引張強度試験)の結果,積算温度900~4800°D・Dの高炉スラグ細骨材を使用したコンクリートでは,積算温度1800・4800°D・Dは強度増加が認められた。(4)自由収縮試験の結果,積算温度900~4800°D・Dの高炉スラグ細骨材を使用したコンクリートでは,OPCに比べ収縮が小さくなった。また,積算温度が高いほど収縮が小さくなった。(5)SEMでの反応層の観察をした結果,積算温度1800°D・Dの時点で反応層が確認できた。 これらより,積算温度1800°D・Dの高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートを用いると強度増加・収縮系低減効果が期待できる。この結果より,どの程度の積算温度で品質管理すればコンクリート用骨材として充分に適用可能かの目安が得られる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,高炉スラグ細骨材を用いて,ステップ①のスラグ骨材の反応層の形成を確認するとともに,課題となっていた金属系スラグ骨材の品質管理が困難な理由として骨材が水を含んだ状態で放置しておくと自ら水和反応を起こし固結する潜在遂行性の性質を有しており,その特性によって一度固結したものは骨材として使できなくなることが指摘されてきた。このような 固結に関する課題を解決するために潜在水硬性がコンクリートに与える影響を検討しスラグ細骨材の保管方法や消費期限の決定方法の提案を行うことで 高炉スラグ細骨材を用いたコンクリートの利用拡大につながるための検討が実施できた。
しかしながら一方で,収縮ひび割れや中性化などの耐久性に関する実験データは長期間を要するため実験データがそろっていないのが現状である。そのため2年目では,耐久性に関するデータの収集とともに1年目で実施した反応層の結果をもとに耐久性評価方法の構築に努める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としては,以下のとおりである。 ステップ①反応層の形成の確認:金属系スラグ骨材の反応層の形成については初年度から継続して実施を行う。 ステップ②金属系スラグ骨材を用いたコンクリートの耐久性評価:金属系スラグ骨材に形成される反応層による二酸化炭素や塩水といった劣化物質侵入抑制効果やひび割れ抑制効果についてコンクリート実験を基に予測式を構築する。 ステップ③金属系スラグ骨材の品質管理:継続して,温湿度環境下でのスラグ骨材の品質変化の影響を把握する
2年目はステップ②に重点をおき実施する予定である。さらに昨今の地球環境問題から,金属系スラグ骨材の適用方法として,①天然骨材へ一部置換して適用②全量金属系スラグ骨材の適用③二酸化炭素の排出量が高いポルトランドセメントを使用しないクリンカーフリーコンクリートへ適用が考えられる。これらの適用については,①→②→③の順で環境性貢献度は高いが耐久性能が環境性貢献度に比例するとは限らないためこれらの影響も実験的に検討していく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)