Project/Area Number |
22K04404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
山本 剛 都城工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (20240103)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 火山噴火 / 火山灰 / 積灰荷重 / 降下火砕物 / テフラ / 屋根 / 噴火 / 火山 |
Outline of Research at the Start |
積灰荷重の構築に必要な火山灰の屋根上の堆積性状に関する資料は整備されていない。積灰荷重の算定に必要な屋根に降下する火山灰の堆積分布の特性を明らかにするために、2022~2023年度は実物の1/2サイズの屋根模型と霧島山から噴出した火山灰を用いて、屋根形状・勾配・火山灰の粒径分布をパラメータにした火山灰を屋根に降下させる実験(以下、降灰実験)を実施して屋根に降下する火山灰の分布形状と屋根に堆積する火山灰重量を調べる。2024年度は降灰実験の結果に基づいて屋根に堆積する火山灰形状のモデルを作成するとともに、堆積重量と堆積形状について実験値との比較を行い、モデルの妥当性と適用限界について検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
勾配屋根に堆積する火山灰の堆積モデルを作成するために、粒径分布の異なる2種類の火山灰を4寸勾配の屋根に降下させ、レーザー変位計を用いて積灰の堆積厚さを50mm間隔で計測して屋根に降下する火山灰の堆積分布を調べるとともに、軒樋の有無が火山灰の堆積性状に及ぼす影響についても調べた。 勾配屋根に降下した火山灰は、火山灰の粒径分布の違いに影響を受けることなく、軒先部の斜面とこれに連続する平らな面を形成した。隣り合う計測点間の水平距離と鉛直距離の正接から算出した斜面角は、軒先付近では30~34°、中央部では20~26°であり、それぞれ火山灰の安息角と屋根勾配と同程度になることを確認した。火山灰の安息角を軒先部の斜面角とする台形状の断面モデル(以下、台形モデル)を用いて算出した火山灰の堆積重量は実測により得られた堆積重量と概ね一致しており、勾配屋根の積灰荷重は台形モデルを用いて算定できることを確認できた。 降下火山灰の粗粒粒子の割合が高くなると、軒樋の無い屋根には火山灰が堆積しないが、軒樋を設置した屋根では軒樋が火山灰で充填されると軒先部から火山灰が堆積し始め、堆積厚さの増加とともに火山灰の堆積領域が棟方向に拡がり、台形状の分布になることを確認した。降灰時に軒先からの火山灰の落下を軒樋等で拘束すると屋根上の堆積重量が増大することが明らかになり、この点は次年度に調べることにした。 屋外での降灰実験は雨天と強風の影響を受けやすいために、実大屋根の1/50~1/30サイズの小型屋根模型を用いて室内で降灰させることのできる実験システムを開発した。このシステムを用いた実験から得られた堆積形状を屋外の降灰実験で計測した堆積形状と比較したところ、両者はよく一致しており、小型模型を用いた降灰実験でも勾配屋根に降下する火山灰の堆積モデルを作成するための充分なデータが得られることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は前年度に天候不良の影響で実施できなかった実験パラメータの消化のために、火山灰の降下方法を手動方式から、起振機を用いた機械式に切り替えたが、均等な降灰分布を得るために降灰装置の調整に時間を要したので、予定していた曲面屋根を用いた降灰実験を実施することができなかった。しかしながら、本研究は勾配屋根の堆積モデルの構築を主要な目的としており、勾配屋根の検討については予定どおり進行しているので大幅な遅延はないと評価できる。また、小型模型を用いて室内で降灰実験を実施できる実験システムを開発しており、次年度は当初の予定よりも研究が進むことが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
降灰実験に要する労力の省力化のために、1/50の小型屋根模型に火山灰を降下させて、火山灰の堆積形状を計測できる実験システムを開発した。この装置を用いた降灰実験に必要な人員は2~3人程度、1パラメータの実験を完了させるのに必要な時間はセッティングを含めて3時間程度であり、屋外で実施している火山灰の降下実験に比べ、50%程度の労力の省力化と実験時間の短縮化に成功した。この装置を用いて実施した降灰実験の結果を実大サイズの屋根模型を用いた屋外での実験結果と比較し、その有効性も確認した。この装置は室内での実験を想定して開発したものであり、天候に左右されず、屋外の実験よりも多くのパラメータを消化できる点が優れており、1/30スケールの屋根模型での実施も可能である。曲面屋根を用いた降灰実験については、1/50~1/30程度の小型模型を用いた実験により、堆積形状のモデル化に必要なデータを取得することができる。
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