Study on wood decay prediction model in consideration of the tissue structures
Project/Area Number |
22K04433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
齋藤 宏昭 足利大学, 工学部, 教授 (20597827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 拓郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00335225)
堀澤 栄 高知工科大学, 理工学群, 教授 (20368856)
中嶋 麻起子 広島工業大学, 工学部, 講師 (40773221)
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60283868)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 木材 / 腐朽 / 水分移動 / 組織構造 / モデリング / 劣化 / 耐久性 / 水分 / 予測モデル |
Outline of Research at the Start |
柱材の腐朽現象では、比較的均等に進むとされる繊維方向の腐朽においても、同一断面の腐朽度は大きく異なることが既往の検討で示唆されており、本研究はこれらが木材の組織構造に起因する移動物性の違いにより生じると仮説を立て、その影響について検討するものである。 研究方法としては、同一の試料から腐朽操作前後の水分移動物性と腐朽度等の三次元分布を、X線CT画像を用いて把握することにより、木口断面の腐朽度のバラツキが移動物性、もしくは菌糸の特性(水分輸送や菌糸密度)のどちらに依存しているのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、木材内の水分移動現象の観点から、建築用材の腐朽リスク評価を行うための知見を得ることを目的にしている。昨年度は過去の実験データを用いてCT画像の解析方法を検討したが、今年度は柱脚材における木口吸水について、早晩材や心辺材といった組織構造の違いによる影響を、X線CT画像を解析し腐朽前後で検討した。 試料はアカマツの追いまさ材で、木口からの吸水状況の時間変化を測定した。画像解析では、昨年度整備したCT値ヒストグラムから密度が異なる早晩材別に水分量を把握する手法を適用した。画像解析に基づき、空隙、早材、晩材における含水箇所を可視化し、仮道管の細孔径で異なると予想された吸水高さの経時的な変化を定量的に示すことができた。また、吸水実験の測定後の試料に腐朽菌を接種・蔓延させ、同一の試料に対し菌糸の有無が木口吸水に及ぼす影響について検討した。腐朽菌暴露後の試料の含水率分布は、特に辺材部分で大きく異なり、比較的短期間の吸水試験においても顕著な含水率分布の差が確認された。この理由としては、菌糸による有縁壁孔の破壊や、菌糸蔓延による毛細管力の変化などが推測される。木口からの水分移動は、水蒸気による移動形態もあるため、組織構造の違いによる蒸気拡散への影響についても検討し、データを得ている。 これらの結果より、組織構造を考慮した水分移動のメカニズムを整理し、含水率分布の結果を用い、早晩材や心辺材といった組織構造の違いによる見かけの移動物性を導出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、①局所的な木材の水分移動物性の測定、②腐朽操作後の腐朽度・含水率分布の測定、③菌糸量の定量及び解析による水分生成・水分輸送量の推定、をタスクとして計画していた。今年度は、追いまさアカマツ材(木口断面100mm角)に対する吸水試験、透湿試験を実施し、腐朽操作前後のデータから心辺材の領域別の水分移動物性が得られている。特に、昨年度整備した画像解析手法を測定データに適用し、吸水高さの経時的な変化を可視化したことで、組織構造で異なる吸水メカニズムについて仮説を立てられ、6割程度の進捗が達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実験データの更なる解析を行い、未着手の早晩材による移動物性の差異を同定する予定である。これまでに心辺材の含水率分布と水分拡散係数が得られているものの、吸水現象のメカニズムをシミュレートするためには、早晩材の移動物性が重要であることがわかっている。早晩材の画像解析を行うにはCT値の解像度を上げる必要があり、現在保持しているデータで解析が難しい場合は、追加実験を行うことも視野に入れている。また、蒸気移動に対する組織構造の影響や、腐朽菌暴露による毛細管吸水の移動特性の変化についても、データを分析し知見を得る。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)